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2021年7月23日 (金)

王位戦第3局

 藤井聡太王位(2冠)に,豊島将之竜王(2冠)が挑戦している王位戦7番勝負は,第1局は豊島竜王が快勝しましたが,そのあと藤井王位が2連勝して,防衛に1歩近づきました。第3局は神戸で行われ,谷川浩司九段が立会人をつとめました。藤井王位は2局目も3局目も快勝で,これまで対戦成績が悪かった豊島竜王に対して自信をもちはじめたかもしれませんね。叡王戦も併行して行われるので,ここで藤井王位に勢いがつくと,豊島竜王がもつ叡王位も一気に奪取ということになるかもしれません。
 王座戦は,永瀬拓矢王座への挑戦権を,木村一基九段がつかみました。今期の王座戦は波乱ぶくみで,現在の四強のうち,永瀬王座以外の3人はいずれも敗れてしまいました。しかも,その3人に勝った棋士は誰も勝ち残ることはできませんでした。ということで,木村九段はラッキーな形で挑戦権をつかんだので,この運を活かしたいところですね。それにしても,48歳でのタイトル挑戦というのは見事です。2年前の奇跡的(?)と言われた,当時の豊島将之王位からのタイトル奪取も見事でしたが,昨年あっさりと30歳も下の藤井聡太にタイトルをとられてしまいました。しかし,それにも負けず,今度は王座戦でのタイトル挑戦というのはさすがです。木村九段は,この年齢になっても,将棋が強くなっている感じがして,中年の星といえそうです。永瀬王座とは受けの棋風が似ているので,素人受けはしない将棋になるかもしれませんが,熱戦が期待されます。
 竜王戦は,梶浦宏孝七段が,羽生善治九段に勝って昨年のリベンジをはたし,いよいよ頂点がみえてきました。次の永瀬王座戦に勝てば,挑戦者決定3番勝負に出ることができます。もう一つの山は久保利明九段に勝った藤井二冠と,三枚堂達也七段に勝った八代弥七段の対戦です。挑戦者決定3番勝負は,普通に考えると,永瀬王座と藤井二冠との戦いとなりそうですが,そうすんなりといくでしょうか。
 藤井二冠は対局が立て込んでいて,しかもそのどれもが重要な勝負です。充実している証しですよね。対戦相手の顔ぶれをみれば,今期も勝率が8割を超えているのは驚異的です。そもそもプロ棋士の将棋では勝率が7割を超えているだけでも異常なことで,羽生九段のような長年7割を超え続けるというのは,例外中の例外です。その羽生九段も勝率が現在7割ぎりぎりで,先日のA級順位戦で菅井竜也八段に敗れて,次にもう1敗すると7割を切るところまで来ています。もし7割を切れば,これもまた逆の意味で歴史的なことなのですが,羽生九段はふんばれるでしょうか。

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