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2021年5月14日 (金)

藤井聡太二冠の20連勝ならず

 藤井聡太二冠の20連勝(デビュー時に29連勝した藤井二冠としてはたいしたことがない数字かもしれませんが,普通の棋士にとってはありえないような連勝数です)を阻止したのは,意外と言っては失礼ですが,深浦康市九段でしたね。深浦九段はA級経験もあり,タイトルも複数回獲っている強豪ですが,順位戦は現在B2組であり,どうみても上り調子の藤井二冠の勝ちは堅い感じでしたが,そうはならないところが将棋の面白いところですね。先週,王座戦の挑戦者決定トーナメントで深浦九段が見事に藤井二冠に勝利しました。永瀬拓矢王座にとっては,強敵が去ってほっと一安心かもしれませんが,おそらく渡辺明三冠(名人,棋王,王将)がここでも勝ち上がってくるので,渡辺三冠にはなかなか勝てない永瀬王座としては,ヒヤヒヤでしょうね。渡辺三冠は,次の広瀬章人九段戦が山場でしょう。
 藤井二冠の三つ目のタイトルは王座かなと思っていたのですが,そうはなりませんでした。それよりも,二冠の防衛戦が始まります。棋聖戦は,渡辺明三冠が決勝で永瀬王座に勝ち,挑戦者となりました。棋聖戦は66日に始まります。渡辺三冠にとっては,昨年奪われたタイトルを取り戻す戦いとなりますね。
 藤井二冠のもう一つのタイトルの王位戦は,藤井,渡辺,永瀬と並ぶもう一人の四天王の豊島将之二冠(竜王・叡王)が紅組で優勝し,白組は若手を蹴散らした羽生善治九段が永瀬王座を抑えて優勝し,両者で挑戦者決定戦を行います。藤井二冠としては,対戦成績で分が悪い豊島二冠が来ても,また通算100期という前人未踏のタイトル獲得に挑む羽生九段が来ても,たいへんな戦いになるでしょうね。
 叡王戦も本戦のトーナメントが進行中で,ここでは順調にいけば,早い段階で藤井・永瀬戦が実現しそうです。今年もいまのところは四天王を中心にタイトル戦は動いていきそうですが,そのなかでは羽生九段の頑張りが光りますね。

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