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2021年4月14日 (水)

入学式は必要か

 新型コロナウイルス感染症の影響は,大阪府と兵庫県が突出しています。兵庫は,日本海と瀬戸内海に接する広大な県ですが,コロナは南のほうに集中しているはずであり,神戸やその近隣都市は,数字以上にかなり危険な状況になっています。うちわ会食といった的外れなことをやっているようではダメですし,結局,国も県も有効な対策をとってくれていないような気がします。一番の対策は,人が動かないようにすることであり,そのなかで,どのようにして,これまでと同じような生活や仕事を継続できるかということを考えるべきなのですが,1年経っても,大きな改善が進んでいないのです。1年前からデジタル化に取り組んでいれば,ずいぶんといまの状況も変わっていたかもしれません。いまからでも遅くないので,1年後もコロナと戦っていることを想定して,対策に取り組んでほしいです。
 大学でも,文科省が対面型授業を重視するという方針をとっているせいでしょうか,状況は改善していません。いくら対面型重視といっても,学生やその家族から感染者が出れば,対面型授業の継続はできないでしょう。感染者がまったくでないで,セメスターを過ごすことなんて無理です。結局,感染者がでるたびに授業はリモートに切り替えることになるのであり,それなら,最初からリモートでやり,リモートにあった教育態勢で臨むほうが,最初は大変ですが,最終的には,教育効果も上がることになるでしょう。
 入学式に参加できてよかったという話もよく報道されていますが,入学式なんて,そもそも大学教育にとって本質的なものではありません(紙を棒読みのありふれた祝辞なんて聞かされても,有り難みも何もないでしょう)。大学入学を喜ぶ学生や親御さんの気持ちはわかりますが,大学に何をしに来ているかを考えると,入学式にどれだけの価値があるかに疑問を感じることができると思います。それに,大学に入ることだけでは,あまり意味がない時代が来ていることも知るべきです。
 コロナ禍は,なにが自分たちにとって最も大事なものであるかを再認識する機会となりました。そのなかで人の接触という対面の良さをあらためて感じることもあります。一方で,漫然とこれまでやっていたけれど,無駄なことではないか,というものも見えてきたような気がします。これまでやっていたことを見直し,残すべきものは残し,変えるべきものは変えるという選択をする機会だと思います。入学式は変えるべきものの一つでしょう。会社の入社式も同様であり,こういうことを盛大にやっているような会社は10年後は,存在しない会社だと思います。ただ,その主たる理由は,新卒一括採用をいつまでもやっているような会社ではダメだということですが。

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