名人戦始まる
将棋ファンにとっては,春といえば名人戦です。昨日から名人戦が始まりました。ただ,その前に,将棋界に激震が走りましたね。ハッシーこと橋本崇戴八段が,家族の問題から引退しました。棋士が,加齢で弱くなったわけでもなく,健康上の問題もないのに,引退というのは異例のことではないでしょうか。残念です。
女流で男性棋士にバンバン勝っている西山朋佳女流三冠は,奨励会を退会しましたね。プロ棋士にあと一歩のところまで来ていたのですが,限界を感じたのでしょうか。里見香奈さんもそうでしたが,女流棋士ではお互いにしか負けないくらい強い二強ですが,それでもプロ棋士の四段になれないというのは,厳しいですね。女性で初のプロ棋士はいつ誕生するでしょうかね。西山さんと里見さんは女流の世界で覇を競いことになるでしょう。
名人戦に話を戻すと,名人初挑戦の斎藤慎太郎八段が,渡辺明名人との第1局で,途中までは名人ペースで勝勢というところまでいっていたのですが,粘りに粘って,自陣に金や銀をペタペタ打って要塞を築きながら,名人の攻め駒であった龍を消し,馬も追いかけながら,最後は相手の鉄壁であった穴熊を崩し,見事に勝利を収めました。ただ初戦は,名人も相手のお手並み拝見というところであったのかもしれません。ここからが強いのが渡辺名人です。第2局以降も楽しみです。個人的には,斎藤八段に,名人位を関西に持ち帰ってほしいです。
その他の棋戦では,藤井聡太王位への挑戦を争っている王位戦の挑戦者決定リーグがかなり進んでいます。紅組は,木村一基九段,豊島将之竜王,澤田真吾七段が3勝1敗で並んでいます。現在,斎藤八段は2敗ですが,まだチャンスはあります。白組は羽生善治九段が3連勝で走っていますが,永瀬拓矢王座が2連勝で,2人の直接対決が残っているので,羽生有利とは言い切れません。ただ,若手に囲まれるなか羽生九段の頑張りが目を引きます。もう一つ,同じく藤井聡太二冠がタイトルをもつ棋聖戦では,決勝トーナメントで4強がそろいました。準決勝は,永瀬王座対中村大地七段,そして山崎隆之八段対渡辺名人です。順当なら渡辺対永瀬の決勝となりそうで,そうなると王将戦の再来となりますが,ここはA級棋士となった山崎八段の意地をみたいところです。