2022年12月 8日 (木)

トキソプラズマとリスク選好

 妊婦が感染すると子どもに悪影響を及ぼすかもしれないとして警戒されるトキソプラズマですが,これが妊婦・胎児だけでなく,人間の行動に大きな影響があるかもしれないという記事をみて,ハッとすることがありました。
 124日の日本経済新聞の「サイエンス」欄で,「オオカミを操る寄生体 群れのボス指名,野心あおる」という記事で,この寄生体が「脳を乱して攻撃性を高め,野心をかきたてる。こうした気質がリーダーへと導いていく」とし,「恐れを知らぬリーダーが誕生すると仲間も大胆になる。大きなリスクをとる行動は繁殖や勢力拡大で時に幸運をもたらすが,同時に慎重な気質によって救われてきた命を危険にさらす」とされています。このトキソプラズマは,「既に人類の3分の1以上に寄生しているとの情報もある」とされています。そして,「トキソプラズマの感染率が高い国にサッカーの強豪国が多い」という意味深なコメントが付されていました。
 ところで,本日の日本経済新聞の「Deep Insight」では,あの世間を騒がせているFTXトレーディングを率いたサム・バンクマン・フリード(Sam Bankman-Fried)のことが紹介されていました。経済学者が「51%の確率で地球を2つ手に入れるが,49%の確率で全て失う」という賭けの話を提案したとき,普通の人は怖くて乗れたものではないのに,彼は「すごい価値がありそう(な賭け)だ」と答えたというのです。
 もちろん彼がトキソプラズマの影響を受けているかは,よくわかりません。ただ一般論として,世の中には過度のリスクをとろうとする人がいて,それが大成功をもたらすこともあれば,周りの者におそろしい危険をまきちらすこともあります。ひょっとすると,それが寄生虫の仕業であるかもしれないとすると……。恐ろしい話ですが,人間と寄生虫との共生の奥深さを感じさせる話でもあります。いずれにせよ,リスクをおそれない性格が遺伝的なものではなく,実はその地域の特性(寄生虫がいるかどうか)に左右されていることであるとすれば,移民などで住むところが変われば子孫も性格が変わることになりそうですね。

2022年12月 7日 (水)

労災保険給付の支給処分の取消訴訟の原告適格

 総生会事件で,東京地裁判決を維持した2017921日の東京高裁判決は,労働保険の保険料についてメリット制の適用を受ける特定事業主が,労災保険給付支給決定の違法性を争うことができるかという,行政法上の「違法性の承継」と呼ばれる問題について,これを否定的に判断した際に,その理由の一つに,事業主は,労災保険給付支給決定の取消訴訟を提起する原告適格(行政事件訴訟法9条)があることに言及していました。それなら,実際に取消訴訟を提起すればどうなるかということで,やってみた事業主がいたのですが,原告適格は認められないとした東京地裁の判断が2022415日に登場しました(あんしん財団事件)。ところで,その控訴審が先日(1129日)出されて,地裁判断はひっくり返され,一転して,事業主の原告適格は肯定されました(差戻し)。おそらく上告されると思いますが,実は,この間に,厚生労働省で,「労働保険徴収法第12条第3項の適用事業主の不服の取扱いに関する検討会」も開催されていて,①保険料認定処分の不服申立等において労災支給処分の支給要件非該当性を主張することはできるが,②これが認められても労災支給処分自体は取り消されず,また,③労災支給処分に関する特定事業主の不服申立適格も認めないという線で,取りまとめをしようとしているようです。
 これは,労災保険給付の支給決定により保険料の増額処分を受ける特定事業主の不服に配慮しながら,被災労働者や遺族の法的地位の安定性にも配慮するということなので,その気持ちは理解できます。ただ,先日の大学院の授業で,厚労省の上記検討会で提出されていた論点資料(今回の報告書案のベース)に基づき議論をしたときには,労働保険料の認定決定において,労災保険給付の支給要件非該当性が認められたとすると,たとえ支給決定は取り消されないとしても,不支給という判断がほんとうは正しかったという理解がなされかねず,民事損害賠償請求の判断に影響するかもしれない,という意見が出てきました。労災保険制度のなかでの法的安定性はあっても,もう少し広くみて民訴まで視野にいれれば,現行より労働者に事実上不利になる面があるということです。
 ところで,あんしん財団事件の控訴審が,事業主に取消訴訟の原告適格を認める判断をだしたことから,厚労省の原案は,少なくとも③については裁判例とバッティングすることになりました。もともとは総生会事件の東京高裁の判断とあんしん財団事件の東京地裁の判断が正反対であったので,厚労省はあんしん財団事件(地裁)の線でいこうとしたのでしょうが,東京高裁レベルでは総生会事件とも判断が一致してしまったので,このままでは行政対司法の対立ということになってしまいます。労災保険給付の不支給決定における取消訴訟において,事業主に補助参加を認める最高裁判決(レンゴー事件・2001222日)があるのですが,報告書案は,「補助参加の要件である法律上の利害関係と,不服申立適格等に関する要件である法律上保護された利益は異なるものである」として,同判決の先例性を否定しています。ただ,これはやや苦しい説明であるような気もします。
 労災保険制度において,事業主に支給決定についての取消訴訟の原告適格を認めるのは,(レンゴー事件・最高裁判決からロジカルに考えると予測できないものではなかったものの)労働法実務のこれまでの常識からすると,天地がひっくり返るほどのショッキングな判断です。その点で,厚生労働省の報告案③のスタンスは理解できるところです。ただし,最高裁であんしん財団事件の控訴審判決が支持されてしまう可能性は十分にあり,そうなった場合にそなえてプランBも考えておく必要があるでしょう。事業主の原告適格を認めることの問題点がどこにあるのかを理論的に精査したうえで,その問題点にできるだけ対応でき,被災労働者や遺族の救済という労災保険の機能が損なわれないようにするためには,どうすればよいかについて,知恵を絞ることが必要です。いずれにせよ,報告書案で,何が何でも突っ走るという玉砕戦法は危険でしょうし,立法してしまえばよいという乱暴なことは考えないほうがよいでしょうね(もちろん①についても,ほんとうにこれでよいのか,という点も,議論の余地があるでしょう)。

2022年12月 6日 (火)

PK対策も重要?

 昨日は,試合開始の0時まで起きていることができずに,力尽きて23時半くらいに寝てしまいましたが,2時ぐらいに目が覚めてスマホで確認したら,同点で延長戦に入っていることがわかったので,完全に目が覚めてしまい,そこからテレビで観戦していました。延長の後半ぐらいしかきちんと見ていませんでしたが,良い試合であったように思います。クロアチアもよく攻めていましたが, 日本も隙があれば襲い掛かろうとする姿勢は十分にあって,互角に戦っていたのではないかと思います。勇気づけられた人が多いというのも,よくわかります。日本選手は胸をはって帰ってきてほしいです。
 ただ,PK戦は残念でした。PK戦は運であり,これで負けても仕方がないという言い方がよくされますが,ほんとうにそうなのでしょうか。PKが上手な選手というのもいるわけで,やはりスキルの差がでてくるのではないかと思います(元ガンバの遠藤保仁のコロコロやRomaTottiの”cucchiaio”などは名人芸です)。加えてゴールキーパー(GK)のスキルも重要でしょう。私の誤解かもしれませんが,PK戦が始まるまでの間,GKの権田に,何か策が与えられたという感じはありませんでした。試合前から十分に準備していたのかもしれませんが(誰が蹴ってくるか分からないとはいえ,代表選手の過去のPKを分析することはできたでしょう)。また日本チームのキッカーは立候補制だったそうですが,これも事前に準備しておくべきなのではないでしょうかね。PKに堂安が残っていれば違っていたかもと考えると,交替させずに残しておく手もあったかもしれません。ただこれは結果論でしょうね。
 現在のサッカーは情報戦なので,GKなら,相手選手の得意なコースなどの情報を得ていると,かなり守りやすいはずです。1990年のワールドカップの準決勝で,イタリアとアルゼンチンの試合はPK戦になりましたが,当時NapoliでプレーしていたMaradonaが,イタリア選手の特徴をよく知っていたので,GKに教えていたという話を聞いたことがあります(真偽は不明です)。もしそうなら,これも情報戦の一つですよね。
 同点に終わって満足するのではなく,その先のPK戦まで見越して,作戦を練っておくことも必要でしょう。そういえば,同じイタリアが,アメリカ大会の決勝で,ブラジル相手にやはりPK戦になって,Baresiがいきなり外し,Roberto Baggioまで外して,優勝を逃したことがありました。PKは,あれだけの超一流選手にもプレッシャーがかかるものなのでしょう。だからこそ,そこをうまく克服できれば,日本にもチャンスが出てくるかもしれません。そのイタリアが2006年に優勝したときの決勝戦も,フランスとのPK戦でした。あのZidane Materazziへの頭突きによるレッドカードという後味の悪い試合でも有名ですが,当時すでに世界的なGKであったBuffonがしっかり守っていました。
 森保監督も,今回の敗戦後に,PKの精度の向上を課題にあげたそうですが,チームとして戦略的に,PK技術の向上と相手方選手のPKの分析をすることも,ベスト8以上に進出するうえで必要かもしれません。ここではデジタル技術の出番です。AIに予想をさせて,GKの動きの癖やキッカーの癖を,それぞれキッカーやGKに伝えることは,ルール違反ではないですよね(将来的にはわかりませんが)。
 決勝トーナメントでは実力が拮抗するなか120分で決着が付けられないことも多いので,PKに強くなることは上に行くために必要だなと思いました。PKは運だ,というだけでは進歩しないような気がしますが,これは素人考えでしょうか。

2022年12月 5日 (月)

「人事の地図」に登場

 産労総合研究所から刊行されている雑誌「人事実務」が10月号から「人事の地図」にリニューアルされました。産労総合研究所では,10年以上前に「労務事情」という雑誌に15回連載をしたことがありますし,「労働判例」には,20年以上前に,海外判例研究というコーナーで,イタリアの判例の紹介を2回ほど書いたことがありますが,最近では,ほとんど付き合いがない会社でした。今回は,労働時間の特集をするということで依頼を受けました。担当の方が,私の本を読んでおられたようです。『労働時間制度改革』(中央経済社)でしょうかね。
 タイトルは,「労働時間規制の未来を考える」です。内容は,私が最近よく書いているような内容ですが,字数は短くコンパクトになっています。また各頁に図表が入っています。図表が雑誌の「売り」のようです。確かに,堅いテーマであっても,図表を入れたら読みやすくなるでしょうね。
 労働時間については,ビジネスガイドで連載中の「キーワードからみた労働法」でも,現在出ている号で「裁量労働制」というテーマを採り上げています。厚生労働省で7月に出された「これからの労働時間制度に関する検討会報告書」を読んで,労働時間制の見直し,とくに裁量労働制の見直しの動きがありそうだと思ったからです。ただ,裁量労働制は,これまで採り上げたことがなかったので,今回は,ベーシックなことを中心に書いています。
 報告書は,厚生労働省関係のものについては珍しく,私の考えと合致する未来志向の発想がみられるところがあり,少し驚きました。労働時間制度は,抜本的な改革が必要であり,この点については,昨年の日本労働法学会の報告でも一石を投じたつもりです。もちろん私は数歩先のことを想定した議論をしているので,そこにたどり着くまでの間は,厚生労働省が漸進的に制度の見直しを進めていくということにも意味があると思っています。ただ大切なのは,近未来のデジタル社会において,どのような規制ニーズがあるかをしっかりイメージしておくことです。

2022年12月 4日 (日)

韓国の物流ストに思う

 11月29日の日本経済新聞の電子版で,韓国の物流ストに対して,韓国政府が,運送業者に業務開始命令を出したという記事が出ていました。それによると,貨物事業者の法令をもとにストライキをしている者に現場復帰を求め,もしストを継続すれば免許停止や罰金を科す構えのようです。運送業者は個人事業者のようです。個人事業者のストライキが,韓国の法制上,どのように考えられているのかわかりません。
 日本では,労働者の場合には,争議行為に対して,労働関係調整法上の公益事業(8条)についての一定の制限があることに加え,緊急調整の決定にともなう50日間の争議禁止という(すごい)規定があります(38条)。このほか,電気事業及び石炭鉱業における争議行為の方法の規制に関する法律(スト規制法)というものもあります。「公衆の日常生活に欠くことのできない」エッセンシャル・サービスは,憲法28条で保障されている団体行動権の中核にある争議権ですらも,一定の制限を受けざるを得ないということです。日本の場合,運輸事業は公益事業に含まれているので(労働関係調整法811号),もし同じような物流ストを労働者が行えば,労働委員会が職権で調停をすることができますし,さらに政府が乗り出すとすれば,上記の緊急調整がありえることになります。ただ緊急調整は,「内閣総理大臣は,事件が公益事業に関するものであるため,又はその規模が大きいため若しくは特別の性質の事業に関するものであるために,争議行為により当該業務が停止されるときは国民経済の運行を著しく阻害し,又は国民の日常生活を著しく危くする虞があると認める事件について,その虞が現実に存するときに限り,緊急調整の決定をすることができる。」(35条の21項)と定められていて,かなり要件は厳格です。争議調整は,中央労働委員会で行われます(35条の3)。緊急調整がなされている間は,労務に従事しなければ(争議行為を継続すれば)罰則が適用されます(401項)。つまり,国民経済の運行を著しく阻害したり,国民の日常生活を著しく危くしたりするような場合であれば,この緊急調整・争議行為の50日間の禁止という規定の発動の問題となるのです。
 緊急調整の決定は,195212月に一度,発動されています。当時は,賃上げを求める電産スト,炭労ストが国民生活に脅威を与えていました。その後,1953年に上記のスト規制法が制定され,当初は3年の時限立法でしたが,その後,恒久法になっています。2014年の電力自由化の際に,スト規制法が再び話題となり,厚生労働省の部会で検討されました。労働組合側はスト規制法の廃止を要求しましたが,通りませんでした。たしかに労働関係調整法上も公益事業に関する規制があり,電気事業は公益事業と明記されているので,同法の規制で十分という組合側の考えもわからないではありません。スト規制法は,憲法28条との緊張関係があることも考慮されるべきでしょう。
 ところで,日本ではあまり想像できませんが,たとえばコロナ禍で,エッセンシャル・ワークにおいて,待遇改善を求めてストライキをするような組合が出てくればどうなるでしょうか。エッセンシャルだからこそ待遇を改善してよいということにもなりそうです。ところが,彼ら・彼女らはギグワーカーで労働者ではないから,労働組合が結成できないとなればどうでしょうか。こうなると,この前の都労委のUber Japan1社事件の命令の話にもつながってきます。労働者性を肯定すると,ギグワーカーもストライキができることになります。ところがエッセンシャルな業務ということを重視すると,理論的には,前述のように,内閣総理大臣が,労働関係調整法82項に基づき公益事業としての指定をし,緊急調整を決定して,争議行為を禁止するということもありえないわけではありません。フリーランス新法がどうなるかわかりませんが,新法では扱わないであろう団体法の領域に入ってくると,難しい問題がいっぱい出てきます。
 なお,イタリアでは,エッセンシャルな公共サービス(servizi pubblici essenziali)な部門でのストライキについての規制がなされており(イタリアは憲法により明文でストライキ権が保障されていますが,他の憲法上の権利との調整から一定程度の制限はありうると解されています),そのなかで,憲法上の人格権に対する重大かつ切迫した損害が発生する(根拠ある)危険性があるときには,専門の委員会が,徴用(precettazione)を命じることができるとしています(イタリア法における徴用については,拙著『イタリアの労働と法―伝統と改革のハーモニー』(2003年,日本労働研究機構)220頁以下)で概要を紹介していますので,関心のあるかたは参照してください)。この命令の対象には,独立労働者(自営業者)のストライキも含まれています。独立労働者のストライキが憲法上保障されているかどうかは議論がありますが,少なくともスト規制法での徴用の対象を考えるうえでは,エッセンシャルな公共サービスの提供が従属労働か独立労働(自営)のどちらであるかは関係なく,サービスが停止すること自体が問題だとされているのです。
 ここには労務の集団的放棄をめぐるきわめて難解な理論問題が横たわっており,研究を深めるのに足りる重要テーマ(まさに労働法の香りが強いテーマ)だと思います。若手研究者の取組みに期待したいです。

2022年12月 3日 (土)

最新重要判例200労働法の電子版

 拙著『最新重要判例200労働法(第7版)』(弘文堂)の電子版 が出ることになりました。私も早速,Kindleに取り込みました。刊行から約1年弱のところでの電子書籍版です。もし第8版が出るのなら,最初から紙と電子版の両方を出してみて,どちらの利用者が多いか試してもらいたい気もします。
 電子版があれば,PC,タブレット,スマホで本書を読むことができるようになるので,本を持ち歩く必要はなくなります。もちろん,紙媒体ならではの使い勝手の良さもあると思いますので,著者としては二冊ご購入いただいて,時と場合に応じて使い分けてもらえればと思います。
 ところで,法令については,紙の六法を使って検索することは,ほとんどなくなりました。原稿を書くときも,横にタブレットをおいて法令のサイトを出して参照するということがほとんどです。判例についても,ネット上のデータベースの利用です。その他の資料も,多くはネット上にあるので,それにアクセスすることになります。大学の教育の場面で考えると,紙の書籍はいつまで残るでしょうかね。出版社の次の戦略は,デジタル書籍の付加価値をいかにして高めるかでしょう。たとえば私の本でいえば,『人事労働法』と『最新重要判例』のどちらも購入している人には,相互に行き来できるようにリンクを張ることができればよいですね。本から判例に飛べたり,判例から本の該当箇所に飛べたりするということですが,そうなると,それは両者が合体した一つの本ということになるのかもしれません。 

2022年12月 2日 (金)

2大会連続の16強

 さすがに4時には起きれなかったのですが,5時くらいにトイレで覚めたときにスマホをみて同点となっていたので,思い切って起きようと決意してテレビをつけたら,すでに逆転していました。そこからずっと観ていましたが,感動しましたね。三苫がよく機能していたように思えました。堂安のゴールは,リアルタイムでは観ていませんが,きれいなゴールでした。田中の2点目は,人間の眼だと三苫のキックのときにゴールラインから出ていたようにみえますが,VARのおかげで救われたという感じですね。
 ドイツ・コスタリカ(Costa Rica)戦との同時進行もハラハラでした。日本は勝てばグループステージ突破ですが,1点差での引き分けとなると,ドイツ・コスタリカ戦の結果に左右されてしまいます。途中でコスタリカがリードしたときは驚きました。このままいけば,スペインとドイツが予選敗退ということになりそうでしたが,そこからドイツが猛烈に巻き返して勝ち,しかし結局,日本も勝ってしまったために,ドイツは得失点差や総得点差のリードをいかせないことになりました。ドイツとしては悔しいグループステージ敗退ですが,スペインがコスタリカから大量得点をとらず,たとえば10くらいであれば,結果は変わっていたかもしれません。点は取れるときに取っておかなければならないということですね。
 日本は,前のロシア大会では,コロンビアに勝って,セネガルに引き分けて,最終戦はポーランド戦でした。試合途中で01で負けていましたが,ほぼ同時進行であったセネガルが1点差で負けていることを知って,最後の10分は勝負を逃げて球を回すだけにして,ファールをもらわず,得点も奪われないようにするという超消極戦術をとり,セネガルが点を入れて引き分けたらおしまいだったのですが,そうならないことに賭けました。結果は,セネガルとの警告数(フェアプレイポイント)の差で決勝トーナメントに進出しましたが,点を取りに行かない戦術は批判も受けてしまいました。それでもベスト16でのベルギー戦は,相手をあと一歩のところまで追い詰めましたが,最後は逆転され,世界の壁を感じさせられました。
 今回は,W杯優勝経験国2国をやぶっての堂々のベスト16です。16強は同じでも,明らかに前回よりも内容がよいです。次は,ベスト8を目指して,前回準優勝のクロアチア戦です。クロアチアというと,一度も行ったことがない国で,ドブロヴニクには是非行きたいと思っています。カズもかつてザグレブに所属していました。決して裕福な国ではありませんが,サッカーは強いです。モドリッチのようにバロンドール(Ballon d'Or)をとったことのあるすごい選手もいます。今度は夜中の60時が試合開始なので,なんとか観戦することができそうです。個人的には,久保と鎌田にもっと活躍してほしいと思っています。

 

2022年12月 1日 (木)

寒波と第8波に備える

 寒波がやってくるということで,Uniqloのフリースとヒートテックを初めて購入しました。暖かいですね。夏の冷房回避に続いて,冬もまたできるだけ暖房器具を使わないのは,なかなか厳しいものがありますが,Uniqlo様に頼ることにしました。
 このほかにも,自宅にいることが多いので,できるだけラジオ体操をすることを心がけています。体操をしっかりやると身体は温まるので,暖房がなくても大丈夫[誤植訂正]です。
 今年はこれまで11月といってもかなり暖かく,ジャケットを着て外出することもまれでしたが,寒波が来るということで,身構えています。急激な気温の変化への対応は,加齢にともない難しくなってきているので,気をつけようと思っています。
 このように用心はしているものの,数日前から喉が少しいがらっぽくなってきて,起床時に若干咳き込むことも起きて,いやな予感がしていたのですが,熱はまったくなく,特に日中は大丈夫なので,おそらくコロナではないでしょう。一昨日は,NHKの「視点・論点」の収録がありましたが,とくに咳き込むこともなく,普通に喋ることができて,無事テイク1で終わりました(オンエアは12月の終わりのほうです)。
 インフルエンザの予防注射も終わり,明日はコロナワクチン4回目の(職場)接種です。これに安心せず,食事と休息で免疫力を高め,なるべく人混みのなかにはでないということで(といっても限界はありますが),感染の波を乗り切りたいと思います。

2022年11月30日 (水)

黙食について

 小学校の「黙食」(昔からあった言葉でしょうか)の要請がなくなるようです。文部科学省の通知で,「飲食はなるべく少人数で黙食を基本」とされていたのが,削除されて,「座席配置の工夫や適切な換気の確保などの措置を講じた上で,給食の時間において,児童生徒などの間で会話を行うことも可能」ということに変わったそうです。文科省は,もともと黙食を義務づけてはいないという趣旨のことを言っているようですが,なるべく黙食を基本とする,と言われたら,現場は,おしゃべり禁止令と捉えるでしょう。
 ただ,古い世代からすると,食事中はしゃべってよいというように,政府から言われると,ちょっと違和感もあります。もちろん,私もいまは,食事中おしゃべりします(たくさんします)が,子どものときは,食事中はしゃべるなと言われていました。食べるというのは,非常に大切なことであることに加え,口のなかのものが飛ぶかもしれないというマナーや衛生上の観点もあったのかもしれません(それと,寿司屋の大将が,新鮮なネタの寿司を出しても,隣の人とおしゃべりばかりして,食べてもらえずに残っているのは,あまり良い気分がしないと言っていたことを思い出しましたが,作った人の気持ちも考えるべきですね)。いずれにせよ,私の感覚では,食事中のおしゃべりは,基本的には行儀が悪いのであり,もちろん大人になると,その感覚はなくなっていきましたが,今回は小学生相手の通知ということで,ちょっと違和感をおぼえたのです。
 昔の日本では,特別な日を除き,食事は決して楽しい場ではなかったと思います。食事を家族団らんでとるというのは,それほど古いことではないはずです。西洋風の外食が一般的になり,それが家庭内の食事のとり方にも影響したのでしょう。小学校での給食の黙食は可哀想という意見が出てきたのも,こういう食事風景の変化と関係しているのだと思います。それに,しゃべりながらも行儀良く食べることができれば,それそれこそ,(グローバルスタンダードの観点からも)よい躾けになるでしょう。
 ただ,そう思う反面,たしかに黙食はいきすぎでしょうが,小学生は,給食の時間は,あまりおしゃべりはせず,出されたものをしっかり噛んで味わって食べて,昼休み時間を十分にとって食べたものを消化してから,午後の勉強に臨んでもらえればな,と思ったりもしてしまいます。

2022年11月29日 (火)

『鎌倉殿の13人』も,いよいよ大詰め

 日本史では,公暁は「くぎょう」と習いました,大河ドラマでは「こうぎょう」と呼ばれていました。実朝を暗殺した公暁は,三浦義村に殺され,ついに北条義時の天下となりました。最後の難敵は京の朝廷です。後鳥羽上皇との決戦である承久の乱が,今回の大河ドラマのフィナーレとなるのでしょうかね。
 日本史の授業では,なぜ公暁が実朝を暗殺したのか,詳しく習いませんが。そのあと,あっさり公暁も殺されており,印象としては,公暁はたんなる向こう見ずな行動をとった男ということになっています。大河ドラマでは,三浦義村が背中を押したということのようです(最後には裏切ります)。実朝の太刀持ちとして行列に参加していたはずの義時は同行せず,代わりに太刀持ちの地位を義時から奪った源仲章が公暁に殺されてしまったのですが,義時が同行せずに難を免れたことから,公暁の犯行の背後には義時がいたという説もあるようですが,三谷さんはその説はとらなかったようですね。義時が暗殺対象となっていたことを,義村は知っていたものの,それを止めはせず,しかし義時が生きていたことを知って,義時側に寝返ったというシナリオです。義村がすれすれの「ゲーム」をしているというストーリーですね。
 実朝の後継者は,朝廷から受け入れるという話がどうなるかも問題で,歴史の教科書では,朝廷からではなく,摂関家から受け入れることで妥協して藤原将軍が誕生することになったということは知られていますが,なぜそうなったのかということは教わっていません。大河ドラマでは,後鳥羽上皇の親王を鎌倉殿の後継者にするという実朝と後鳥羽上皇との約束を,実朝死去後も,鎌倉側からは断らずに,朝廷から断るように仕向けようという義時の策略が示されたところで,前回の番組は終わりました。上皇も親王を危険な鎌倉に送りたくないと思っているでしょうし,鎌倉側も朝廷の支配を受けたくないわけで,ただ言い出したほうが負けというなかで,義時は朝廷をたたく口実をみつけていこうとする大胆な発想をもっていたのでしょう。武士が朝廷と一戦をかまえるという発想は,田舎サムライだからもてたものかもしれませんが,これが歴史に残る承久の乱につながったのです。私たちは結果を知っています。鎌倉が朝廷を破り,上皇は島流しになり,これにより北条家の支配が確立し,のちに有名な北条時宗などがでてくることになるのですが,日本史のよくわからない部分に光をあてて,ドラマであるとはいえ,楽しませてくれています。残りの回が楽しみです。

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