政治

2017年10月25日 (水)

自民党は強かった

 小選挙区の選挙というのは,その選挙区で勝っただけで,他の選挙区の人はその当選議員を信任したわけではありません。国会議員は全国民の代表(憲法43条1項)なので,そのことを忘れてもらっては困ります。議員が当選をして万歳をして,自分に投票をしてくれた人に真っ先に感謝の言葉を述べるのには違和感があります。自分たちの選挙区から,日本のために働いてくれる人を選ぶということにしなければならないのに,当選させてあげたのだから,地元に恩返しをして,と強要する選挙民がいるようなところから出た国会議員が大半というのが日本の現状でしょう。
 それにしても,希望の党の当選者は,ほとんど元民進党ですね。東京での落下傘候補は,ことごとく惨敗です。
 ところで,希望の党の九州の比例代表ブロックは,順位が1位の中山成彬氏だけが当選です。この人は小選挙区には出ていません。奥さんは有名な中山恭子氏です。夫の選挙のためでしょうか,「日本のこころ」の党首だったのに離党して希望の党の結党メンバーになり,ちゃっかり夫は順位1位を得て当選です。中山恭子氏は拉致問題でも有名で功績がある方ですが,どうも好きになれません。この「日本のこころ」は中野某という人がテレビで出まくっていて自民党別働隊のような発言をしまくっていました(選挙後,自民党に吸収されることはわかっていたことです)。政党を平等に扱うということからでしょうが,中山夫婦の行動も含め,いやなものを見た気分でした。
 もちろん一番醜悪であったのは,民進党議員です。福田某のような自民党から出て行って大敗した人もいました。小池都知事に頼って勝とうとしたのに,自分が負けたときは小池さんのミスにするという男たちもたくさんいましたが,ちょっと人間としてどうでしょうか。まったく他人頼みだったのでしょうか。小池さんの政治理念に賛同して結党メンバーになったのなら,最後まで小池さんを立てるべきでしょう(⇒松原某)。当初から小池さんの腰巾着だった若狭某に至っては,落選を小池発言のせいにするなど,最悪です。政界から消えてもらいましょう。負けたときは自分の責任,勝ったときは小池知事のおかげ,と言えるくらいにならなければ,腰巾着としても失格でしょう。
 ところで,政党の政策や理念というのは,選挙になると,きわめてシンプルな話になってしまいます。自民党の示した政権の安定性,北朝鮮への強硬姿勢,消費税値上げを全世代型社会保障に使う,といった主張は,具体的ではないけれど,抽象的にすぎるわけでもない適度なメッセージ性があって,どこに投票しようかというときに考慮しやすいものだったと思われます。立憲民主党は,党のネーミングが平凡ですが,これが良かったようです。護憲と民主主義というのは,あまりにもベタですが,具体的ではないとはいえ,わかりやすいものでした。希望の党は,そこがクリアに打ち出せなかったのでしょう。「希望」というファジーなイメージは,風には乗りやすいけれど,現実との政治との関係で抽象的すぎたのでしょうね。
 次の選挙の顔は,小泉進次郎でしょう。次の次という声もありますが,外国では続々と若い政治リーダーが誕生しています。小泉進次郎が若すぎるというわけではありません。今回,彼のおかげで当選した人も多いはずです。それが何年か後の彼の応援団になるのでしょう。小池さんの野望実現は難しくなりましたね。

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2017年10月19日 (木)

希望の党の失速の原因?-事業譲渡のアナロジーでみる

 選挙の結果がどうなるかわかりませんが,小池都知事の「排除」という言葉によって,風向きが変わったようです。政党が政策の合わない政治家の入党を拒否するのは当然ですが,今回は,入党しうるとされていたのに,そこから排除されたということで,単なる入党拒否と違う意味合いになってしまいました。
 これはあたかも,民進という会社が中核的な事業を希望という会社に譲渡することになり,民進の社長が,民進の社員は希望すればすべて会社希望に承継(転籍)される(譲渡先で雇用は継続する)と発表しておきながら,会社希望の社長が採用の自由を行使して,選別をして,その結果,承継から排除される者が出てきたというのと同じような感じです(実際には,民進党は「全部譲渡」ではなく,参議院議員は残っているのですが)。現実の労働事件でも,会社の事業の全部譲渡が決定され,労働契約が承継されることになっていたのに,一部の者が排除されたとなると,紛争が起こりがちです(単なる採用拒否ではなく,解雇と実質的に変わらなくなってしまうからです)。
 もっとも,希望の党から排除された人は立憲民主党に入るなどして,かえって存在感が高まったので,結果としては排除されてよかったというところでしょうが,国民は人を選別して排除する行為それ自体を,自分がそういう目にあわされる場合とついつい置き換えて考えてしまい,激しく反発するのでしょう。仲間はずれはイヤということです。
 私は,主義が合わない人に合わせるのがいやなので,そういう人たちの集団から排除されることは,むしろ自分から望んでいくタイプですが,日本人の多くはそうではなく,自分を殺してでも集団に合わせようとするので,その集団から排除されるというのは,耐えがたいことなのでしょう。
 もちろん,前原代表が,民進党員は希望すれば全員,希望の党に行けるというような,「包括承継」を言わなければ,排除ということにもならなかったのです。小池さんにとっては,そこが誤算だったのでしょうか。でも,前原さんがそう言わなければ,民進党の解散は無理だったのでしょう。民進党員のままでは選挙に通りそうになかったので。結局,小池さんは,あたかも民進党の一部の「雇用」を奪うようなことをした,ブラック企業のワンマン社長のようなイメージを与えてしまいました。
 ところが,大有望企業と思われていた希望会社の経営が急に傾き,承継されなかった社員で作った新会社立憲民主がかなり躍進して,希望会社の顧客を奪っていきそうな勢いなので,まさに一寸先は闇です。大きな風を受けて浮上したのは,希望のはずだったのが,実は立憲民主だったというのは,あまりにも劇的すぎます。しかし,最後のどんでん返しがあるかもしれません。ほんとうの台風が来て,投票率が落ちて,結局,選挙には風が吹かず,組織票のある公明党に支えられた自民党が大勝するというシナリオです。そうなると,安倍さんの強運は恐るべきものとなりますが(でも国の政治は運の強い人に任せたほうがよいという考え方もあります)。

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2017年10月17日 (火)

選挙のICT化について考える

 衆議院選挙が近づいていますが,台風が来ればどうなるのか心配です。昨日の日経新聞朝刊で,地方では投票所が減っているなどの問題があるとされ,識者からICTの検討の提言もなされていました。
 選挙運動も投票も,まだまだアナログです。名前を連呼するだけの無意味な選挙カー。街角で政策を訴えるといっても,そこで立ち止まることができるようなスペースがないことも多く,通り過ぎるときに部分的に耳に入ってくるだけです。候補者のことは,HPで調べることができ,そこで本人の政策やこれまでの経歴などがわかります(私も兵庫1区の立候補者のことは調べました)。私にとっては,これで十分に判断材料を得たつもりです。直接会ったときに感じる人間性などは,選挙活動中でピリピリしている人と少し会ったくらいでわかるものではありません。
 それにしても,ドブ板型で,プライドも何もかなぐり捨て,髪の毛を振り乱して当選に邁進している人をみていると,とても,自分の政策を実現したいためにやっているとは思えません。山尾なんとかとか,豊田なんとかとかは,よほど議員になりたいんだなと思ってしまいますね。やっぱり議員になると,良いことが多いのでしょうか。広島の中川なんとかは断念したそうですが,それでも出馬しようと考えていたこと自体,驚きです。
 日本維新の党の,議員の収入を削減するという提案には賛成です。志しのある人が,お金がないというだけで議員になれないのは困りますが,高すぎるのも問題があります。2000万円を超えると言われる国会議員の年収は,適切な水準とは思えません。国会議員の報酬も成果型にして,当選当初はどうせたいしたことができないので低い額におさえ,しっかり活動したかどうかを第三者機関に判定してもらい,その評価に応じて報酬を上げていくということにでもしたらどうでしょうかね。
 それと投票方法です。期日前投票が増えているそうですが,ICTの活用はできないでしょうか。自宅からネットで投票するというのはいろいろリスクもあるのですが,それは乗り越えられないことではないでしょう。現在も本人確認は紙を持参していればそれでおしまいです。むしろネット投票は,投票所が近くにない人や移動が大変な人にとって助かりますし,当日,ネットがつながるところにいれば,期日前投票をしなくてもすみます。台風のことを心配しなくていいです。組織票が強いということもなくなります。なんと言っても,投票所にいる人たちの人件費(ボランティアでしょうか?),開票作業の人件費(ボランティアでしょうか?),投票所の設営の費用など,選挙のたびにかかっている費用を節約することができるはずです。
 いきなりネット投票だけとすると,高齢者などに反発が出てくるかもしれません。しかし,まさに高齢者の選挙権行使のためにも,高齢者が多い地方などでこそ,まず積極的にネット投票ができる環境を整えるべきでしょう。それに若者が投票所に行かないことを批判するより,スマホ世代の若者が投票所に行けるような環境整備をすべきでしょう。どうやったら投票数を増やすかということを考えているAKBの総選挙の手法から学ぶこともあるのではないでしょうか?
 もっともスマホで投票できるようになったりすると,政治はがらっと変わるでしょう。そこに現れるのは本当の民主主義なのか,それとも衆愚政治なのか。政治リテラシーの教育も重要となるでしょう。 

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