私の著作

2017年12月 4日 (月)

税務弘報に執筆

 今年は,いままで書いたことのない雑誌に書く機会がよくありました。自然総研の「Toyro-Business」や第一法規の「会社法務A2Z」のように,それまで存在も知らなかった雑誌に執筆する機会がありました。日本弁護士連合会の「自由と正義」は,もちろんその存在は知っていましたが,初めての執筆でした。
 そして,今回,中央経済社の「税務弘報」1月号に,「AI時代における士業の未来-税理士のキャリア戦略」を執筆しました。この雑誌も,専門外ということもあり,聞いたこともないものでした。内容的には,弁護士に関して「自由と正義」に執筆したものの姉妹編という感じで,最近,よく言われてきている士業の危機がなぜ起こるのか,とくに税理士の方は,そこをどう乗り越えていくべきなのか,ということを,思いつくままに書いてみました。「自由と正義」のほうは,少し堅い感じで書いたつもりですが,今回は,少し軽めのタッチで,読みやすさを意識して書きましたが,いかがでしょうか。
 税理士の業務が,ちまたで言われているようにほんとうになくなるかどうかは,なんとも言えません。ただコンサルティング業務は機械に出来ないであろうというようなところで思考停止していては危険でしょう。必要なのはビジネスモデルの再構築です。AI時代というのは,AIそのものがどうかということもありますが,実はそこから危機感をもつことが大切なのではないかと思っています。業務独占は,その業務がある限りは,安泰ですが,もしその業務がなくなればどうなるか,です。自分の専門的な能力を新時代の基準に照らして再評価しながら,独占業務に安住せず,どう創造的に自分の業務を展開していくかが大切ではなかろうかというメッセージを込めて書いてみました。といっても,この雑誌の読者は,そんなことは百も承知で,私に言われるまでもなく十分にわかっておられるだろうし,またこの号では専門家も交えたしっかりした座談会も掲載されているので,私の論考などなくてもよかったのかもしれないのですが……。 
   ところで,現時点ですでに脱稿して掲載待ちの雑誌原稿が,あと二つあります。どちらもいままで掲載したことのない(というか名前も知らなかった)雑誌なので,楽しみにしています。それにしても,最近は外から依頼のくる仕事のほとんどが,これからの労働や雇用ということに関係しています。労働法屋の業務も,士業の人たちと同様,大きくモデルチェンジしていかなければならないのかもしれませんね。

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2017年11月19日 (日)

障害者雇用について-長谷川珠子先生からのコメントとリプライ-

 福島大学の長谷川珠子さんから,拙著『雇用社会の25の疑問-労働法再入門-(第3版)』(弘文堂)についてコメントをいただきました。第2版のときにも,全体にわたりコメントをいただいていましたし,前に有斐閣から刊行した『労働の正義を考えよう-労働判例からみえるもの』は,事前に目を通してもらいコメントをいただいていました(同書の「はしがき」を参照)。
 今回は,新たに障害者をテーマにした章を設けたので(「第16話 障害者の雇用促進は,どのようにすれば実現できるか」),さっそくの専門家の長谷川さんに目を通してもらいました(本当は刊行前に読んでもらうほうがよかったのですが,多忙な若手研究者に迷惑を掛けるのは悪いと思い,事後的なコメントをいただくのにとどめました)。

 まず,「こういうふうに書けば読者にわかりやすく伝わるのか,と感動しています。」という気を遣ったコメントのあとに,「細かい点なのですが、気になったところをいくつか。」ときて,次の3点を指摘してくださいました。とくに②はきわめて重要な指摘です。

 ① 「209頁9~10行目にかけて「障害者からの申し出を受けて」とありますが,障害者の申し出が必要なのは,募集・採用時のみで,採用後は,使用者の側から障害による職場での支障を確認することが求められます。次の段落が採用後の合理的配慮について書かれているので,その上の部分は募集・採用時のこととして書いていらっしゃるのかなとも思いましたが,少し気になりました。」

 私からのリプライは,次のようなものです。おっしゃるように,該当箇所の記述は,36条の2の募集・採用時のことだけを書いたもので,「労働者からの申出」に言及しているのは,この条文の文言からとったものです。したがって,採用後の話ではありません。
 ただ,採用後においても,労使で話し合いをして,労働者の希望を考慮して合理的配慮の内容を特定していく必要はあるので,本書で書いた質的アプローチの議論それ自体は,採用後にも及びうると考えています。
 つまり,私が意識していたのは,義務の成立要件という観点からのものではなく,義務の内容である合理的配慮とは,「障害の特性に配慮した必要な措置」のことなので,障害者側の意見や希望をふまえたものでなければならず,その点で,通常の使用者の配慮義務とはやや違うということを,多少強調したかったということです。
 でも,長谷川さんの指摘の根底にある問題意識は,おそらく,使用者の採用後の合理的配慮義務(36条の3)は,障害者である労働者が何も言わなければ,何もしなくてもよいというような受動的な義務ではないことを強調すべきということであり,それはとても重要なポイントだと思います。

 ② 「210頁「真のノーマライゼーション」の4行目差別解消法によって,「重ねて」規定されているとありますが,促進法が雇用分野についての規定で,差別解消法はそれ以外の分野についての規定なので,重なっているわけではないのでは,と感じました。また 障害者への配慮は,老人や妊婦に席をゆずるということと果たして同じなのか,議論の余地があるように思います。」

   ここの箇所は,真のノーマライゼーションとは,障害者を特別視せず,まず人々の道徳意識に訴えかけるほうがよく,法的介入で,あれをせよ,これをするな,とやっていくことでは,いつまでも障害者は特別な存在で,ノーマルな存在にならない,という問題意識で書いています。かなり強烈な主張で,法的な介入によって障害者の差別是正を図ろうと考えている人にとっては受け入れがたいものかもしれません。私は,障害者が隣りにいることが普通である社会にするためには,差別禁止法をあまり使わないほうがよいのでは,と考えていますが,このあたりは長谷川さんのコメントにあるように,十分に「議論の余地がある」と思います。
  それはともかく,障害者差別禁止法(拙著では,略称を「障害差別解消法」としましたが,政府のHPをみたら「障害者差別解消法」が公式の(?)略称のようです)の8条で禁止されているのは,「事業者」(拙著では,「事業主」となっており,訂正します)の行う差別であり,そこで対象として想定されているのは,従業員ではなく,消費者などのサービスの提供先であるようです。そして13条では,「行政機関等及び事業者が事業主としての立場で労働者に対して行う障害を理由とする差別を解消するための措置については,障害者の雇用の促進等に関する法律(昭和三十五年法律第百二十三号)の定めるところによる。」となっています。したがって,理論的には,事業者の8条による義務は従業員も含まれえますが,従業員との関係では,特別法である障害者雇用促進法が適用されるのだと思います。そうすると「重ねて規制があることに少し違和感をおぼえる」という私の指摘はおかしいのではないかという,長谷川さんの指摘はまさにそのとおりといえるでしょう。
 ただ,いずれにせよ,障害者差別解消法は,雇用という従属労働論が適用される場面以外の通常の私人間の取引にも,差別禁止法が適用されるということであり,これはやはり道徳規範と法規範との線引きという観点から気になるところが残ります(私は,もちろん,道徳的な観点からは,障害者差別は到底許しがたい行為だと考えています)。事業者は妊婦を差別するな,老人を差別するな,といった法的介入はしなくてもよいのか,というのが私の問題提起です。障害はこれとは違う特別なものであるというならば,なぜ特別なのかを,理論的に詰めていく作業は,残っているような気がしています。

 ③「中川先生のお名前は,中川純ですね。」  

 214頁の一番下の行で,中川さんのお名前を間違えてしまいました。たいへん失礼いたしました。お詫びと同時に,訂正をお願いいたします。

 ④「除外率の廃止の部分,引用してくださってありがとうございます(214頁)!細かいところも読んでくださっているんだなとうれしくなりました。」

   障害者雇用促進法そのものは,これまでも学部ゼミでよく扱っていたので,多少の勉強をしていましたが,改正法はまったく不勉強だったので,永野仁美・長谷川珠子・富永晃一『詳説 障害者雇用促進法―新たな平等社会の実現に向けて』(弘文堂)で,勉強させてもらいました。

 さて拙著では,技術革新によって,障害という概念も変わっていくのではないか,という問題提起もしています。障害とは本来,相対的,可変的な概念だと思っています。そのため,定義が非常に難しく,それゆえ強い法的介入になじまないのではないかと考えてきました。保護的な法的介入をするためには,保護対象者の定義が必要ですが,定義から外れた者と定義に含まれた者とのギャップが,法的介入の程度が強いほど,大きなものになるので,かえって不公平を助長しないかという懸念もあります。  
 一方,現実の障害者を雇用の場面で保護するという観点からは,誰もがいつでも障害者となる可能性があるという想像力をもって「共感」の輪を広げることこそが大切だと考えています。法律が,事業主や事業者に対して障害者に対する責任を増やしていくことは,たしかに人権意識を高め社会意識を変えるきっかけとなるかもしれませんが,他方で,かえって,障害者を規制との関係でのみとらえて,特別なカテゴリーとする発想を高めることにならないか,という懸念を拭い去れないのです。
 障害者を雇用したり,障害者と取引したりするのを,困ったな,面倒だな,でも人間として障害者に対して平等な態度で臨むのは当然だよな,それにいつ俺も障害者になるかわからないしな,という気持ちをもった国民を増やすにはどういうアプローチがあるかを,私なりに今後も考えていきたいです。
 長谷川さんには貴重なコメントを,心より感謝しています。

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2017年11月 6日 (月)

雇用社会の25の疑問(第3版)

 本日,弘文堂から,『雇用社会の25の疑問-労働法再入門-(第3版)』が届きました。今年2冊目です。著者による本書の簡単な紹介は,私のHPに載せています(http://www2.kobe-u.ac.jp/~souchi/book.html#book2017)。  当初は,第3版とせずに,『新・雇用社会の25の疑問』のような新たな書名にして,完全リニューアルをしようかとも思っていました。そうしたほうが,書評などでも取り上げてもらえる可能性が高まりますし,本屋でも新作扱いになりますし,営業的にはよいことが多そうです。ただ,著者側の立場としては,『新・雇用社会の25の疑問』としてリニューアルすると,ただでさえ執筆速度が鈍ってきている私ですから,いつ完成するかわからないということもあり,プチ修正の第3版にしようということになりました。これなら5月くらいには作業を終えて,秋前に刊行といったスケジュールになるのではと予想されたのですが,全くそうはなりませんでした。作業を始め,もう一度,自分の本を読み直してみると,まったく違っていました。7年も間があいてしまうと,改訂といっても簡単ではなかったのです。結局,章のテーマだけでも3分の1は新規であり,またテーマが同じでも,ほとんどの章でかなりの手を入れました。それと,少し気分を変えたかったこともあり,文体も「新聞調」に変え,「データから雇用社会」という新コーナーも作りました。判例索引では,掲載誌を載せるのをやめて,ネットでの検索に必要な事件番号だけを載せることにしました。  おかげで新しい気持ちで新しい本を書いたという気分になれました。  第4版は,もうないでしょう。やはり本には本の型というものがあり,初版の10年前と同じ型を維持しながら本を改訂していくことは,辛くもありました。作業中も,もっと違うスタイルの本を書ければという気持ちが高まってもいました。もっとも,実際にそれをやれるだけの気力を維持できるか,より根本的には,能力があるか,という問題はありますが……。  最近は,できるだけ神戸に引きこもり,マイペースで研究や執筆をやっていますが,本書は私の生の声がそのまま出ているような本ですので,私の話を聞きたいと思ってくれる方がもしいらっしゃれば,まずは本書を読んでみていただければと思います。帯のピンクも,私のことをよく知っている人であれば,私っぽいと言ってくれるでしょうね(今回,この色を選んだのは,私ではなく,サクランボさんですが)。

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2017年11月 1日 (水)

11月ですね

 ハロウィーンなんて,つい最近までなかったものに,みんな踊らされていますね。やはり小さいときに経験していないものには,なかなかなじめません。10月末に特別な思いはありません。
 むしろ今年の10月末は,いろんなものの締切日という意味しかありませんでした。新規原稿が3本(1本は非公刊),頭出し的に出していた原稿のリバイズの締切が2本です。かなり多忙で,なかなかBlogの更新にまで手が回りませんでした。ほんとうは今月はもう少し落ち着いているはずで,長く滞ってい仕事を進めるはずだったのですが,これは今月からとします。今月は,いまのところ業界用の新聞の新連載の準備くらいで,執筆関係のものは先月よりは時間がとれそうです。
 それと,ずっと作業が滞っていた解雇の金銭解決本も,いよいよ原稿が出そろい,ゲラが出てくる段階になっています。2月刊行予定ですので,楽しみにしてください。この最後の仕上げ作業も,頑張らなければなりません。先日は厚生労働省から「透明かつ公正な・・・<長いので中略>・・・検討会」の担当者の方が意見交換をするということで神戸に来られたので,その際に,私たちの研究成果のエッセンスを伝えておきました。要するに,あの検討会の報告書はゼロから見直したほうがよいということなのですが,そもそも労働契約法16条には触らない,労働者申立てしか検討しない,というのでは話になりません。あのような検討会に巻き込まれなくてよかったです。書籍が刊行されれば,目先の利害にしか目が向かない労使の団体は置いておいて,改革魂のある官僚の若手有志を集めて意見交換会をやってみてもよいと思っています。
 そうそう私の『雇用社会の25の疑問』の第3版も,もうすぐ弘文堂から出ます。Amazonにも出ていますね。今年の夏前から,9月くらいまで,ずっとこの作業を中心にしており大変でした。本の宣伝は,また後日します。

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2017年10月13日 (金)

ビジネスガイド最新号

 中村太地六段(七段に昇段)は,見事に羽生善治王座を破って王座のタイトルを獲得しました。最後は,AbemaTVで観ていたのですが,肝心の投了シーンは食事をしていて見逃してしまいました(残念)。昼過ぎに早々に中村挑戦者が羽生玉に詰めろをかけて,そこから必死の羽生王座の抵抗があったのですが,評判が悪かった受けの7一歩が実は好手で,最後は着実に寄せきりました。見事な王座獲得です。タイトルを獲得できる棋士は一握りです。まずは心よりおめでとうと言いたいです。ただ,中村新王座は順位戦はB級2組です。早くA級に駆け上がらなければなりません。これは菅井竜也王位も同じです。羽生さんはこれでタイトルは棋聖だけとなりました。でもまたすぐに挽回しそうな気もします。

 さて,話は変わりますが,ビジネスガイドの最新号では,いつもの連載の「キーワードからみた労働法」は,派遣のことを扱っています。無期雇用派遣と有期雇用派遣というテーマで,2015年改正後の派遣法のことを取り上げました。派遣については,最近,ちょっと話をしたり,書いたりする機会があったこともあり,このテーマを採択しました。
 この号では,もう一つ,「限定正社員」特集ということで,依頼を受けて「限定正社員とどう向き合うべきか―労働法の観点からの考察―」を執筆しました。無期転換と関係した論点と同時に,正社員像の多様化のもつ将来的な意義なども論じています。
 この特集では,経済学者の方も書かれるということだったので誰かなと思っていたら,八代尚宏先生でした。まさかの大物登場ですね。ビジネスガイドの雑誌の性格も徐々に変わっているのかもしれませんね。
  

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2017年9月28日 (木)

日本労働研究雑誌に書評を書きました

 日本労働研究雑誌687号に,野村直之著 『人工知能が変える仕事の未来』(日本経済新聞出版社)の書評を書きました。経営やHRM系の人ではなく,私に依頼がきたのは,ちょっと意外でした。結局,書評の内容も,あまり労働法的なものではなかったような気がします。内容は,みなさんが読んでご判断ください。
 執筆依頼があるのは,相変わらず人工知能関係のもののほうが多いです。「働き方改革」関係のほうが本業のような気がしますが,こちらのほうは,あまり依頼がこないのは,言論界やマスメディアの目はもっと先のほうを向いているからかもしれませんね。それに「働き方改革」なんて言っていても,まあ改革はあるでしょうが,それが小池政権が誕生するのと,安倍政権が続くのとでは,ずいぶん違ったものとなる可能性もあります。
 日本のリセットはともかく,労働・雇用政策は改革が半端な方向に進み始めていたので,ここはリセットしたほうがいいと考えています。たとえば人工知能などの先端技術の活用を,(2035年と言わずに)もっと直接的に現在の政策に取り込んでいくことが必要です。これは日経の経済教室にも書いたことですが,広い意味での経済・産業政策という観点をもって,雇用・労働政策を進めていく必要があります。それができる可能性があるのは,ひょっとしたら小池政権なのかなという気もしますが,どうでしょうか。

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2017年9月23日 (土)

Wedge登場

 休暇後,原稿を書く仕事が集中的にあり,Blogを書くエネルギーが残っていませんでした。最近,更新してほしいという熱い声援(?)をいただきましたので,久しぶりに更新します。いただいた声援は,実は,労働法関係ではなく,グルメとか,読書ノートとか,そういうものの情報がほしいという声が多かったのですが。
 今回,Wedgeに,約1年ぶりに,私の「フリーランス活躍に向けた法整備は時代の要請」という原稿が掲載されました。フリーランス(自営的就労者,独立自営業者,インディペンデント・コントラクター)をめぐる私見に関心をもってくださったWedgeの編集者から声をかけていただきました。フリーランス協会の方と一緒に,フリーランスをめぐる法制についてマスコミ向けにブリーフィングをした直後ということもあり,それに加えてWedgeという目立つ媒体でフリーランスのことが取り上げられて,世間の関心が高まってくれればよいなと思っています。
 それにしてもWedgeの影響力は大きいです。早速,同僚から,「出てましたね」と声をかけられました。新幹線のグリーン車にのっているような人は,それなりのステイタスの人が多いでしょうから,そういう人にピンポイントで届いているこの雑誌に書くのは,責任もありますし,やりがいもあります。Wedgeへの登場は,2015年が初めてで,これで5回目です。労働時間,副業,解雇の金銭解決など,旬のテーマで書かせてもらっており,そして今回のフリーランスです。
 フリーランスは,自助が基本であるという大原則は堅持しながらも,政府による「保護」ではなく,「サポート(公助)」が必要だということに理論的根拠を提示するということ,そしてフリーランス協会などの共助の活動の展開を見守ること,というのが,私の仕事ではないかと思っています。霞ヶ関のほうでも動きがあるようですが,私の考える構想はもう少し大きいものです。労働法の解体的再編にもつながるこの研究テーマに,AIと並ぶ,私のメインテーマであり,今後も積極的に取り組んでいきたいと思います。残念ながら科研費をとれそうなテーマではありませんが。

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2017年9月 9日 (土)

自由と正義に登場

 休暇に入って何もしない癖がついてしまい,ブログの更新も面倒になり,1週間ほど休んでいましたが,ちょうど今日,「自由と正義」68巻9号が届き,そこに拙稿が掲載されていますので,ご紹介します。これをきっかけに再開しましょうかね。
 論文タイトルは,「AI時代における知的職業-弁護士業務の行方」です。いつものAI話ですが,弁護士業務はどうなるかという観点からの執筆依頼です。弁護士の皆さん,これから弁護士になろうとしている皆さん,私の話をどう捉えるかはご判断に任せますが,まじめに考えておいたほうがよいかもしれませんよ。
 AI時代においてどのような仕事が残り,どのような仕事がなくなっていくのか。また先端技術をどううまく使って働くのか。これが大切だというのは,労働者一般にあてはあまることですが,弁護士も例外ではありません。とくに知的職業とされているものほど,実は機械により代替されやすい面もあるので,より一層の注意が必要という警告でもあります。詳細は,拙著『AI時代の働き方と法』(弘文堂)もご覧になってください。
 ところで,調べてみると,「自由と正義」には初登場でした。この雑誌の名前は知っていましたが,読んだ記憶がなかったので,もしかしてと思って確認したら,執筆依頼が来たことがなかったのですね。今年はAI関係のおかげで,初登場する雑誌が多いような気がします。10月締切の原稿も初登場の雑誌があります。これもAI関係です。別に専門領域を広げたつもりはないのですが,あまり他人がやっていないようなことをやると,世界が広がるということですかね。
 

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2017年8月29日 (火)

経済教室

今朝の日経新聞の経済教室に私の原稿が掲載されました。昨年の5月以来で単著としてはおそらく4本目(記憶違いで5本目)でしょう。内容的には異論やツッコミどころはいっぱいあるでしょうが,将来を展望した成長戦略について労働市場政策という観点から執筆してほしいという依頼をいただきましたので,最近の私の政策論的立場をできるだけ盛り込んだものを思い存分に書いてみました。今後の労働政策論議の少しでも参考になれば幸いです。

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2017年8月12日 (土)

ビジネスガイドの「キーワードからみた労働法」の訂正

 ビジネスガイドの「キーワードからみた労働法」の最新号は,「試用目的の有期労働契約」というテーマで,福原学園事件の最高裁判決が登場したことを受けて,神戸弘陵学園事件・最高裁判決との比較という視点でとりあげました。
 ところで,その原稿から最後からの2つ目の段落で,文章に誤りがありました。校了後に気づいたのですが,間に合いませんでした。ビジネスガイドのHPに掲載されているので(http://www.horei.co.jp/bg/owabi.html),ご確認ください。読者のみなさんには,たいへんご迷惑をかけました。深くお詫び申し上げます。
 実は,この原稿は,ゲラが出たあと,字数を大幅にカットするために,最後のほうの部分に大きく手を入れていました。手を入れる前の原稿では,最後から二つ目の段落は,次のようになっていました。
 「ただ,無期労働契約への転換への合理的期待がある場合には,労働契約の期間が試用期間になるという解釈はあり得ます。もし,この解釈が可能であるとすると,神戸弘陵学園事件・最高裁判決のいう『期間の満了により右雇用契約が当然に終了する旨の明確な合意が当事者間に成立しているなどの特段の事情が認められる場合』以外は試用期間になるという解釈準則に,新たな解釈準則が追加されることになります。」
 この内容が適切かどうかは議論があるところでしょうが,「特段の事情」の意味は間違っていませんでした。ところが,この原稿を手直しする途中で,「特段の事情」をどういうわけか逆に解釈してしまい,その結果,間違った表現になってしまいました。
 ちょうどこの原稿の校了後数日経った7月29日に,神戸労働法研究会が行われて,JILPTの山本陽大君が,この福原学園事件・最高裁判決の報告をしてくれました。その議論をしているときに,ふと原稿を直し間違えていたのではないか,ということに気づきました。しかし,もう間に合いませんでした。
 今後は,このようなことがないよう注意をいたします。

 またこの事件の位置づけ自体,研究会の議論をふまえて,もう少し追加したいところも出てきました。これは,またそのうちに書きます。

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