将棋

2017年10月11日 (水)

今日は王座戦第4局

 久しぶりに将棋のことでも書きましょうか。
 あの藤井聡太四段はどうなっているかというと,29連勝のころの勢いはないものの,現時点で35勝6敗という立派な成績です。連勝が止まったあとも,16勝6敗と好成績です(現在6連勝中)。一昨日は,叡王戦四段戦で2連勝し,本戦トーナメント進出を決めました。佐々木大地四段には1回負けていましたが見事に雪辱しました。
 まだ前半少し過ぎたところで35勝というのは立派な成績です。歴代最高勝率は十分に狙える位置にいます。いくつかの棋戦で敗退してしまったので,対局数はそれほど増えていかないでしょうが,NHK杯など目立つ棋戦は残っていて,今後が楽しみです。
  王座戦は,NHKの番組で進行役をしている中村太地六段が2連勝して,羽生善治王座を角番に追い込んでいます。先日は羽生王座が勝って初勝利。ここからが大切です。ここで勝てるかどうかが,中村六段が,佐藤天彦名人のように羽ばたけるかどうかの分岐点となるでしょう。星が並んでの最終局となると,どうしても経験豊富の羽生王座が有利となります。今年は菅井達也王位があっさり初挑戦で羽生の牙城を崩して若きタイトルホルダーになっていますが,中村六段は,すでに羽生王座とはタイトル戦を何度かやっていて手の内を読まれているところもあります。今日の対局が大勝負でしょうね。
 順位戦のA級は,前期の挑戦者の稲葉陽八段が,豊島将之八段に敗れて3敗目で残念ながら挑戦者争いから脱落です。豊島八段は快調に4連勝です。羽生二冠にすでに勝っているのが大きいですね。その他は団子レースで,むしろ3人降級となる今期は,誰が降級となるかも注目です。
 B級1組は,ただ一人50代で頑張る谷川浩司九段が,山崎隆之八段に勝って3勝1敗。良いスタートになりました。とはいえ,B級1組は,A級とほぼ同じくらいの実力者が並んでいて強敵が残っているので油断はできません。ぜひ昇級してもらいたいですが。今期は降級が1名で,現在,木村一基八段が4連敗で苦しい状況になっています。
 秋は竜王戦です。昨年は三浦騒動で大もめでしたが,今年は静かで,渡辺明竜王対羽生二冠という黄金カードとなります。熱戦を期待しましょう。
 久保利明王将への挑戦権を争う王将戦リーグは,今期は天彦名人,渡辺竜王,豊島八段,糸谷哲郎八段に,郷田真隆前王将,深浦康市九段,斉藤慎太郎七段といった豪華メンバーで,目が離せません。王将戦リーグはいつも実力者がそろういます。今期は羽生二冠がいないのは寂しいですが,それだけにみんなにチャンスがある大混戦です。絶好調の豊島八段は王将,そして名人というタイトルを虎視眈々と狙っています。叡王戦の八段戦,棋王戦トーナメントも順調に勝ち残っています。藤井四段と並んで,ここ数年足踏み状態だった豊島八段が一気にブレイクするかも大注目です。 

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2017年8月31日 (木)

菅井王位誕生

菅井竜也七段が王位戦で4勝1敗で羽生善治三冠からタイトルを奪取しました。菅井七段が勝った対局はほぼ完勝で最終局も強かったです。消費時間にも差がある対局が多く、さすがの羽生三冠も苦しんだようです。平成生まれの初のタイトルホルダーで、藤井ブームが実力派若手に火をつけたのかもしれません。その藤井四段も菅井新王位には先日負けましたし、もう一人名人奪取を狙っている若手最強豪の豊島将之八段にも棋王戦決勝トーナメントで完敗でした。豊島八段はA級順位戦でも3連勝です。
羽生は二冠になりましたが、竜王挑戦の可能性は残っています。松尾歩八段と1勝1敗のタイで決戦は8日です。

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2017年8月23日 (水)

藤井聡太四段28勝目(通算38勝目)

 藤井聡太四段は,朝日杯将棋オープン戦で,大石直嗣六段と竹内雄悟五段に連勝して,ついに28勝3敗となりました。勝率も再び9割越えです。大石六段との対局は長引きましたが,藤井四段が攻め倒したという感じです。接戦という感じではなかったですね。竹内五段は,振り飛車穴熊に固めて攻め,藤井四段の玉はかなり危ない形になりましたが,プロ的にみると余裕があったようで,最後は穴熊攻略で,竹内五段は必死に抵抗しましたが,藤井四段が勝ち切りました。このクラスの相手にはしっかり勝てますね。明日は,棋王戦の挑戦者決定トーナメントで豊島将之八段との対局です。最強豪の一人と重要な棋戦での対局となります。普通に考えれば豊島八段の勝ちですが,藤井四段の真価が問われるところです。もちろん豊島八段も,今期はA級に上がっていきなりの名人挑戦も現実味が出てきているところなので,ここで負けているようではいけません。
 羽生善治三冠と菅井達也七段の王位戦は,菅井七段が攻め倒して,タイトル奪取に王手をかけました。菅井七段の中飛車に,羽生王位も飛車を振る展開でしたが,一日目の最後のほうで,すでに菅井優勢で,二日目も昼食休憩後の早い段階で羽生投了となりました。菅井七段は持ち時間を4時間以上も残していました。圧勝といってよいでしょう。まあ羽生王位は,こういう負け方をしても,まったくへこたれないのですが,菅井戦は相性が悪いのか,負け方が極端ですね。さて菅井七段は残り3局のうち1つ勝てばタイトル奪取です。これまでの戦いをみるとかなり有望ですが,かつて七冠を奪われた三浦弘行九段以外は,自分よりも若い世代では,おそらく渡辺明二冠と佐藤天彦名人にしかタイトルをとられていないはずです(上の世代の谷川浩司九段や同世代の森内俊之九段,佐藤康光九段,郷田真隆九段,深浦康市九段,丸山忠久九段,藤井猛九段には取られたことはあります)。タイトルをとれば将棋界の歴史に名を残す棋士になれるのですが,菅井七段が快挙を達成するか,注目の第5局は29日・30日です。

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2017年8月18日 (金)

藤井聡太四段26勝目(通算36勝目)

 藤井ブームに乗っかって,加藤一二三九段もタレントになってテレビに出まくっています。米長邦雄が生きていたら,どう言っていたでしょうね。将棋界は,三浦問題ですっかりイメージが悪くなったこともあり,藤井四段の爽やかさと加藤九段のキワモノ的な商品価値で,人気向上につながればよいということかもしれませんが,加藤九段のほうはもうあまりみたくありません。
 それはさておき,藤井聡太四段が,王位戦の予選に登場しました。相手は,小林健二(コバケン)九段です。かつて四間飛車で一世を風靡したベテランです。もう還暦で,さすがに最近は勝てなくなっていますが,こういう実力のあるベテランが,ときどき若手を転がすこともあるのです。小林九段は和服で登場したそうで,この対局に賭けるものを感じさせました。小林九段が先手でしたが,振り飛車ではありませんでした。早々に藤井四段の桂馬が6五に飛んできて,それを避けるように小林九段が玉を右に移動させるといった変わった進行になりましたが,藤井四段が快調に攻めて完勝でした。3敗はしたものの,このあたりの相手であれば負けないですね。これで26勝3敗です。あと1勝で9割に戻りますね。ところで,藤井四段は,NHK杯の次の相手は森内俊之九段(第18代永世名人の有資格者)で,なんと生放送となるそうです。NHKも異例の対応です。藤井人気に乗っかっていますね。
 その他の棋戦では,羽生善治三冠が重要な対局で勝っています。今期は勝ち星は伸びていませんが,松尾歩八段との竜王戦の挑戦者決定戦の初戦は,大熱戦でしたが,羽生先勝です。久しぶりの渡辺明竜王・羽生戦をみたいところですが,ここは松尾八段にも頑張ってもらいたいですね。さらに昨日は,A級順位戦で,羽生三冠は久保利明王将と対戦し,こちらは後手の羽生三冠の快勝でした。久保王将はどうも羽生三冠との相性が悪いですね。さばきのアーティストの久保王将が,押さえ込まれてしまいました。これで,羽生,久保ともに2勝1敗です。順位戦はまだまだ先が長いです。

 

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2017年8月11日 (金)

藤井聡太四段 順位戦3連勝

 順位戦C級2組で,藤井聡太四段が,高見泰地五段に勝ち,3連勝となりました。今回はすきっと勝ちましたね。寄せも早くて見事でした。
 新人の藤井四段の順位は最下位に近い45位で,このクラスは3人しか昇級できません。1つでも負ければ今期の昇級は難しくなります。全勝(10勝)しても昇級できない可能性さえあります。ただ,3戦終わったところで,全勝の藤井四段は7位に浮上しました。藤井四段より上位で3戦全勝が6人しかいないということです。順位戦の対戦相手はすべてあらかじめ決まっていますが,そのなかには現在上位の6人は含まれていないので,直接対決で引きずりおろすことはできません。ただ,この前に負けた三枚堂達也四段(2勝1敗)との対局が最終戦に入っています。そこまで全勝で行けるでしょうか。今期の通算成績は25勝3敗となりました(勝率は0.893)。
   羽生善治三冠に菅井達也七段が挑戦している王位戦は,羽生三冠が勝って1勝2敗となりました。羽生三冠は,棋王戦挑戦者決定トーナメントで,まさかの及川拓馬六段に完敗という番狂わせがあったのですが,こういうのを引きずらないのが羽生三冠の強さですね。王位戦は,これから菅井七段がどこまで羽生王位を追い込めることができるかが楽しみです。
 A級順位戦は一斉対局ではないので,ぽつぽつと3回戦に入っています。稲葉陽八段は深浦康市九段に勝って2勝1敗。2期連続の挑戦に向かって前進です。深浦九段は1勝1敗です。広瀬章人八段は佐藤康光九段に敗れて,ともに1勝2敗です。A級昇級以降,安定した成績を残している広瀬八段ですが,序盤での2敗は痛いですね。次の久保利明王将(2勝)と羽生三冠(1勝1敗)との対局が前半の山場でしょうか。

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2017年8月 4日 (金)

藤井聡太四段3敗目

 7月27日に,銀河戦で,すでに勝ったことのある平藤眞吾七段に勝ち24勝2敗となっていた藤井聡太四段は,今日,王将戦の一次予選の決勝で,強敵の菅井竜也七段との対戦となりました。ここまで順調に勝ち上がってきましたが,さすがに決勝では強敵とあたってしまいました。これまで公式戦で対戦したなかで一番強い相手でしょう。なぜ強いかというと,菅井七段は通算勝率7割を超える若手強豪であるというだけでなく,現在,王位戦で羽生善治三冠とタイトル戦を戦っている旬の棋士で,しかも羽生三冠相手に2連勝しているのです。ということで,菅井七段もここで藤井四段に負けているようでは,タイトル奪取への勢いがつきません。
 この対局は先手の菅井七段が得意の中飛車で,玉を穴熊に囲うなか,藤井四段がやや無理気味に攻めさせられるという流れになりました。独特の鋭い攻めの感覚をもつ菅井七段は,先日の羽生戦でも攻め倒して快勝していました。藤井四段との本局でも,快勝といってよいでしょう。さすがに藤井四段も,このクラスが相手となると,まだ苦しいということでしょうか。これで24勝3敗で,勝率は9割を下回り,8割9分となりましたが,まだ高い勝率であることに変わりはありません。次は,来週順位戦C級2組で高見泰地五段との対局です。
 進行中の王位戦は,上述のように,菅井七段が2連勝して面白くなっています。来週第3局があります。
 王座戦は,羽生王座への挑戦者は,中村太地六段と決まりました。中村六段は王座戦には相性がよく,4年前にも羽生王座に挑戦し,2勝1敗で羽生王座を追い込んだこともありました(その後2連敗で奪取失敗)。その前年にも中村は挑戦者決定戦にまで進出しており,そこで羽生に敗れたという因縁もありました。その年は,棋聖戦の挑戦者にもなり,羽生棋聖に3連敗で敗れていました。4年前のあと一歩ということがあって以来,少し低迷していた印象のある太地六段ですが,再び大舞台に登場して,羽生と戦うことになります。順位戦ではなかなかスムーズに昇級できずB級2組にとどまっており,関西の若手との出世争いでは一歩遅れを取っているところもありますが,羽生相手にビッグタイトルをとれば一気に追いつけます。
 羽生三冠は,王位戦では菅井七段,王座戦では中村六段と,実力若手の相次ぐ挑戦を受けています。そろそろ50歳に近くなってきている羽生三冠がどこまで持ちこたえることができるでしょうか。
 もう一つ大きな棋戦の竜王戦は,結局,挑戦者決定戦に進出したのは,藤井聡太四段に勝った佐々木勇気六段ではなく,また佐々木六段(7月11日に六段に昇段)に勝った久保利明王将でもなく,松尾歩八段でした。松尾八段は,1組で優勝しており,この棋戦に白星を集めています。そして,その対戦相手は,稲葉陽八段に勝った羽生三冠です。渡辺明竜王に挑戦するのは,松尾八段と羽生三冠の三番勝負の勝者となります。ランキング戦の1組決勝でも両者は対戦し,松尾八段が勝っていますが,さて挑戦者決定という大一番でどうなるでしょうか。松尾が挑戦権を得れば,はじめてのタイトル戦登場となります。将来の名人候補と言われ,もう若手とはいえない年齢(37歳)になった松尾八段ですが,ここで大きな花を咲かすことができるでしょうか。
 それにしても,こうみると,藤井が強いとかなんだかんだ言っても,やっぱり棋界は,羽生三冠を軸に回っている感じですね。

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2017年7月24日 (月)

藤井聡太四段(1日で)2勝

 B級1組の2回戦で,谷川浩司九段が斉藤慎太郎七段に勝って2連勝となりました。斉藤七段は1勝1敗です。関西の後輩若手に貫禄の勝利です。全盛期を思わせるような豪快な将棋で76手で若手強豪の斉藤七段を投了に追い込みました。やはり順位戦となると,持ち時間が長いので,実力を発揮できますね。2連勝は阿久津主税八段と谷川浩司九段だけです。初戦が空けだった糸谷哲郎八段は1勝です。2連敗は木村一基九段と丸山忠久九段。今年のB級1組は,A級以上の激戦と言われています。誰もが昇級も降級もあるという感じです。谷川九段はまずは残留をめざしてほしいですが,今期の降級は1人とはいえ,やはり5勝はしなければ安心できないでしょう。 
 藤井聡太四段は,棋聖戦の一次予選で2局対局しました。初戦は,西川慶二七段との対局は,かなり危ない勝ちだったように思えましたが,二局目の阪口悟五段には,前回は大逆転での辛勝の相手でしたが,今回は完勝でした。これで今期23勝2敗となりました(通算で33勝2敗)。もっとも,今回の相手は二人とも棋界では最弱の部類の相手ですので(失礼かもしれませんが),勝って当然でしょう。若手四段の間は棋戦の一番下からやるので,最初はこういう相手が多く,勝ち数も稼げます。問われるのは,勝ち数ではなく,内容です。もう少し歯ごたえのある相手との対局が来ればいいのですが。
  明日からは,王位戦です。羽生善治王位と菅井達也七段の対局です(2日制)。菅井七段1勝を受けての第2局です。

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2017年7月22日 (土)

藤井四段の33戦目

 藤井聡太四段の勝敗は,まだNHKのニュースになっていましたね。上州Yamadaチャレンジ杯という若手だけが登場して,持ち時間20分という早指しで,すでに3勝して勝ち上がっていた藤井聡太四段でしたが,三枚堂達也四段に敗れました。200手を超える激戦で,最後は30秒将棋で何が何だかわからない感じでしたが,最後は後手の藤井四段の無念の投了となりました。これで今期は21勝2敗です。棋戦初優勝の期待がかかっていましたが,そんなに甘いものではなかったですね。
 竜王戦決勝トーナメントでは,その初戦で藤井四段を破ってその連勝をとめた佐々木勇気四段が,次の阿久津主税八段にも勝ち,強さをみせましたが,その次の相手であった久保利之王将には歯が立たなかったです。藤井四段に完勝した佐々木四段も,やはりA級棋士でタイトルホルダーの久保王将が出てくると,ダメでしたね。若手棋士は相手がまだ軽い間には力を発揮できても,一流棋士が出てくると力が出せないことが多く,そこがトップ棋士の貫禄と技なのでしょう。竜王戦はベスト4が決まり,次は松尾歩八段対久保王将,羽生善治三冠対稲葉陽八段になります。それで最終的な勝者が,渡辺明竜王に挑戦します。
 順位戦では,A級は2回戦が終わりました。本命だった羽生三冠に豊島将之八段が勝ちました。3年連続で新八段がそのまま挑戦ということになるでしょうか。2回戦が終わって,2連勝は,久保王将と豊島八段だけ(初戦が空きだった,深浦康市九段は1勝)。2連敗は行方尚史八段,佐藤康光九段だけです(2回戦が空きだった,屋敷伸之九段は1敗)あとは1勝1敗という状況です。もう一人の本命だった渡辺竜王は,深浦九段に痛い敗戦を喫しました。今期のA級は,佐藤天彦名人への挑戦争いも注目ですが,降級が3人という例外的な事態なので,厳しい降級争いにも注目です。現在2連敗の2人は降級候補でもありますが,どこまで巻き返せるでしょうか。

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2017年7月12日 (水)

藤井四段31勝目(デビュー以来)

 藤井聡太四段が,加古川青流戦トーナメントで,都成竜馬四段と対戦しました。すでに2勝している相手で,早くも3戦目です。藤井四段は後手で,先手の都成四段がゴキゲン中飛車戦法を採用しました。藤井四段は途中押し込まれた感じで,玉を上部に引っ張り出され危ない感じにみえましたが,後手玉を1筋から攻めて,最後は見事に勝ちきりました。完勝したという感じではありませんでしたが,なかなか相手に決め手を与えず,相手が隙をみせたところで一気に襲いかかるという,まさに勝負師の将棋をみせてくれました。これで31勝目です。今期の成績でいえば,21勝1敗です。もちろん断トツの好成績です。
 棋聖戦は,羽生善治三冠が,挑戦者の斉藤慎太郎七段に勝って,3勝1敗で防衛です。最終局は,あまり見せ場がなく,羽生棋聖の完勝だったのではないでしょうか。先日のNHK杯では,松尾歩八段相手に,電撃的な逆転勝利をあげた斉藤七段でしたが,羽生相手には,力が発揮できなかったですね。一連の若手の挑戦のなかでは,斉藤七段が羽生三冠にいちばん歯が立たなかった印象を受けました。
 わが谷川浩司九段は,新しくタイトル戦に昇格した叡王戦の段位別予選の九段戦に登場し,南芳一九段と対局しました。かつては何度もタイトルを争った黄金カードである谷川・南戦も,最近では,ほとんど話題にならなくなりました。この将棋は,飛車を振った後手の谷川九段が穴熊にするという展開です。じっくりと相手の攻撃を待ったうえで,一気に逆襲して,久しぶりに谷川九段らしい切れ味のある快勝譜でした。やっぱり谷川九段には,こういう将棋を指してもらいたいです。

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2017年7月 7日 (金)

新たな1勝

  藤井聡太四段が,順位戦C級2組で,中田功七段と対局しました。どんなに他の棋戦で勝っても順位戦で取りこぼすと,昇級が遅れます。名人への道でもあります。だから棋士にとって順位戦はきわめて重要な棋戦です。
 中田七段は,コーヤン流三間飛車という名前も付いているくらいの三間飛車のスペシャリストです。藤井四段との初手合いでも,後手の中田七段は三間飛車で臨みました。藤井四段は居飛車穴熊にし,中田七段の攻撃をしのいで,最後は見事に中田玉を詰ませました。藤井四段に力強さというものはとくに感じませんでしたが,ここ一発の若手キラーの得意戦法を撃破し勝ちきったことで,再出発のための大きな1勝となったことでしょう。これで順位戦は2連勝です。また今期20勝1敗となりました。もちろん現時点で対局数,勝ち数,勝率の3冠王です。
 もう一つ,王位戦が始まりました。羽生善治三冠に,菅井竜也七段が挑戦です。菅井七段は,谷川浩司九段の弟弟子の井上慶太九段門下です。羽生三冠は,棋聖戦では,同じ関西勢の斎藤慎太郎七段と対局しています。名人戦でも,関西の稲葉陽八段(菅井七段の兄弟子)が登場しました。稲葉八段は佐藤天彦名人に惜しくも敗れたものの,檜舞台に次々と関西の精鋭達が登場しているのは嬉しいことです。
 そこで王位戦の第1局ですが,菅井七段の快勝でした。先手の羽生王位の居飛車穴熊,後手の菅井七段は,得意の振り飛車で,途中で穴熊に構えました。とくに終盤の攻防は見応えがありました。飛角両取りがかかり窮地に陥ったようにみえた菅井七段でしたが,両取り逃げるべからずの格言どおり,これを放置して果敢に攻めていきました。羽生王位が苦しんで持ち時間にも大差がつくなど,菅井七段の充実ぶりがうかがえました。
 王位戦は2日制の七番勝負で長丁場ですが,菅井七段にとって,まずは幸先よいスタートとなりました。

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