スポーツ

2018年5月26日 (土)

スポーツと暴力と正当行為

 アメリカンフットボールのようなフルコンタクトのスポーツはケガがつきものです。そういうスポーツをする環境で育った人たちは,少し乱暴で粗野であっても大目にみられてきたのかもしれません。大人しい性格であれば,気合い負けしてしまうのでしょう。ラグビーのニュージーランドチームの「ハカ」などをみてもわかるように,自分たちを鼓舞し相手を威嚇するくらいのデモンストレーションが必要なものでしょう。相撲の仕切りにおいて顔が紅潮してくる様子も,フルコンタクトのスポーツには気合いが大切だということを示しているのだと思います。
 しかし,これが暴力を許容することにつながってしまっては,元も子もありません。傷害事件を起こした元横綱の日馬富士が廃業に追い込まれたのも当然です。兄弟子が「無理偏に拳骨」と言われていたような時代では,もはやないのです。貴乃花親方はいろいろ言われていますが,暴力に対して厳しい態度をとり,自分の息子ともいえる弟子を守ったのは立派なことだと思っています(彼の別の弟子が暴力行為をしていたのは残念でしたが)。
 現在の日大のアメフト部の問題も,いろんな取り扱われ方をしていますが,基本的には,自分の子を攻撃対象にされた親の怒りがベースにあるのでしょう。大学のスポーツで,相手をケガさせよと命じたことが事実であれば,これは部の存続は認められるべきものではないでしょう。反社会的集団と変わりがないからです。
 スポーツのなかでも,相手とのコンタクトのあるスポーツは,行き過ぎがないように注意をしなければなりません。教育者はそこから教えていくべきでしょう。実際,どれだけの教育者が,自分たちのスポーツは,犯罪の構成要件に該当しているけれど,刑法35条の正当行為であるから,特別に違法性が阻却され,刑事免責がなされているにすぎないという意識をもっているでしょうか。刑法38条3項本文は,「法律を知らなかったとしても,そのことによって,罪を犯す意思がなかったとすることはできない」となっていることも想起すべきでしょう。知らなかったでは通らないのです(違法性の意識をめぐっては,刑法上も議論があるので,詳細はそちらの議論にゆだねます)。
 ところで,労働組合の活動は,労働法ができる前の時代は,違法行為のオンパレードでした。そもそもストライキは,労働契約上約束している義務をはたさないことなので,債務不履行ですし,使用者の業務に支障を与えるので,業務妨害罪になります。仕事以外の理由で,会社施設に乗り込んで,団体交渉を求めば,それは建造物侵入罪となるかもしれません。ビラを貼ることは器物損壊罪になるかもしれません。労働協約の締結に応じなければストライキをすると威嚇することは強要罪にあたるかもしれません。でも,こういうことを言っていれば,労働組合は争議行為その他の組合活動ができなくなります。
 だから労働組合法は,労働組合の正当な行為には刑法35条が適用されて,違法性が阻却されるとしてきたのです(1条2項)。刑法35条の典型事例は,前にも書いたようにスポーツの場合で,ボクシングは刑法35条があるから犯罪行為にならないのです(昨日の井上尚弥は強すぎましたが,彼は歴史を作るチャンピオンになるでしょう)。労働組合の活動も,それが正当なものであれば,たとえ刑法の犯罪の構成要件に該当するようなものでも,違法とはされません(いわゆる刑事免責)。
 ところで,労働組合法のこの条文には,但し書きがついています。「但し,いかなる場合においても,暴力の行使は,労働組合の正当な行為と解釈されてはならない」。当然のこととはいえ,暴力をふるってしまうと,いっさい言い訳ができないということです。
 労働組合の活動とスポーツとはもちろん違います。労働組合の活動は,肉体のフルコンタクトが前提とはなっていないので(かつては激しいピケストなどで,そういうこともありましたが),暴力は論外と言いやすいかもしれません。
 ただ,フルコンタクトのスポーツであればこそ,節度が必要だともいえます。スポーツとして認知されていれば,誰もその犯罪的性格は意識しなくなるかもしれませんが,競技者自体は忘れてはいけないことだと思います。今回の日大の加害学生の勇気ある謝罪関係それ自体は賞賛に値しますが,やったことが悪質であることに変わりはありません。スポーツ教育を根本から見直さなければなりません。
 繰り返しますが,肉体的なコンタクトのあるスポーツは,ルールに基づいているかぎりにおいて,正当な行為となるにすぎません。そこから逸脱した瞬間,たんなる野蛮行為になりさがることに注意すべきでしょう(もちろん過失だけでは刑事責任は問われないので,あまりびくびくしすぎる必要はありません)。「つぶしてこい」は,「ハカ」のような選手を鼓舞する発破のつもりかもしれませんが,スポーツ教育の場では,そもそも適切な言葉ではないでしょう。
 結局,ありきたりのことですが,ルールをよく知り,それを守ってこそのスポーツです。そういうことを教育の場で徹底的にたたき込んでもらいたいです。もちろん,ルールそのものも常に見直していく必要があるでしょう(柔道で蟹挟みを禁止したのは適切です。大相撲の張り手はみていて気持ちが良いものではないので禁止してもいいのでは)。

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2018年5月22日 (火)

鳥谷の扱い

 阪神タイガースが苦戦しています。とにかく打線がダメです。新外国人選手ロサリオも期待はずれですし,昨年活躍した中谷は2軍くらしですし,2年前の新人王の高山も打てません。梅野は肩はいいけれど打てなくて,捕手も固定できません。一度は捕手失格にしたはずの原口をまた捕手として使うという一貫性のなさも問題です。なかでも困ったものなのが鳥谷です。とにかく連続出場がかかっているので,必ず試合に出させなければなりません。代打だと調子がでないだろうということで先発させることもありますが,今期は不調で打率は1割台の前半で低迷しています。野手でこの打率ではいけません。とはいえ今期の主軸に据えるはずの大山も2割を切る打率で低迷し,絶好調であった上本がケガをするなど,鳥谷に頼りたくなる気持ちもわかるのですが,現時点のチームと本人の成績(守備力も低下しています)を考えると,鳥谷は2軍に落として,もっと若手にチャンスを与えるべきでしょう。鳥谷のこれまでの功績はわかりますが,プロ野球は実力の世界です。記録への配慮もプロ野球の楽しみの一つですが,成績をともなっていなければ意味がありません。
 アメリカでは,純粋に投げて,打って,力を出している大谷翔平選手が大活躍です。二刀流という無理なことを,実力で認めさせているところが凄いです。プロ野球は,実力で出場を勝ち取るべきところで,金本監督は決断をしなければなりません。打撃コーチに任せるという次元の話ではありません。ファンがあってのプロ野球という原点に立ち戻ってほしいです。金本監督の現役時代の末期にも,同じような不満があって,しつこくこのブログでも批判をしていました。まさか自分がそうであったから,鳥谷も同じようにしてやらないと可愛そうということではないと思いますが……。

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2018年4月 8日 (日)

立ち直れ藤浪晋太郎

 今シーズンこそと期待されていた藤浪晋太郎ですが,早くもピンチです。何人も優秀な選手を引退に追い込んできたイップスにかかっているのではないかという噂もあります。
 昨シーズンあたりも,デッドボールをあててしまうと,目線が突然不安定となり,明らかに表情がおかしくなり,コントロールを乱すということがありました。
 先日の中日戦もそうでした。5回に突然崩れました。今回はデッドボールがきっかけではなかったので,余計に深刻です。球速は150キロをほとんど超えており,角度のある速球は力のある外国人選手のバッドもへし折るほどの威力であり,普通に投げていれば,ときたま打たれることはあっても,大崩れすることなどありえない内容です。いくらでも勝てそうな実力をもっています。
 体調に問題はなく,技術的な面も改善し,あとは精神的なものしかないようです。ただ,ここで本人の頑張りに期待するといった精神論で臨んでしまうと,いつまで経っても改善はしないでしょう。もしイップスなら,専門家の治療を受ける必要があるはずです。プロ野球選手ですので,自助努力ということもあるのでしょうが,球団のほうも彼を戦力とするためには,きちんとサポートする必要があるでしょう。それがファンへの責務です。
 球団もきちんと対処しているとは思いますが,あまりにも同じことの繰り返しなのでファンとしても,何か言いたいという気分になっています。金本監督も藤波への期待と裏切りという言葉を繰り返しているだけのようなので,きちんとした治療や対策をしないで,マウンドに送り出しているのではないかという疑問も浮かんできます。
 これだけの素材をこのままにしておくのは,阪神だけでなく,日本球界のためにももったいないです。折しも,大谷翔平のメジャーリーグでの大活躍が伝えられていますが,藤波だって投手としての素材だけみると,大谷と遜色ないものがあるはずです。
 藤波の復活を心より祈ると同時に,阪神球団の彼に対するいっそうのサポートをお願いしたいと思います。 

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2018年3月31日 (土)

プロ野球が始まる

 憂鬱な時期となりました。阪神タイガースのことを気にしないで毎日を送ることができればいいのですが,やはり試合がある日は気になります。開幕の巨人戦は1勝1敗でスタートです。
 今シーズンは,野手の先発は,福留,糸井は固定ですし,大山のサードは決まっていましたし,期待の高い新外国人ロサリオは当面は先発起用でしょう。残るはセカンド,ショートと外野の一角だけです。とくに外野は大変で,昨年活躍した中谷以外にも,高山,俊介,江越,緒方,伊藤隼太,板山ら使ってみたい選手がたくさんいますし,内野手は大和がトレードで抜けても,セカンドにコンバートされた鳥谷をはじめ,上本,西岡,北條,陽川らがいます。捕手も,梅野と坂本のライバル以外に,昨年はダメだった原口がいます。原口はファーストが空いていないので,捕手か代打要員となるのでしょう。
 福留は休養日が必要ですし,鳥谷も慣れないポジションでフル出場は無理かもしれません。その隙をついて,若手がチャンスをつかめるかですね。
 投手は,昨年勝ちに恵まれなかった小野が飛躍の年でしょう。メッセンジャー,秋山の両エースに加えて,能見,そしてもう後がない藤波です。岩貞,岩田,青柳にも期待したいです。それに小野以外にも,才木やドラフト2位の髙橋(遥)も高評価です。髙橋(遥)は左投手なので,右投手主体の阪神のなかで,活躍が期待されます。抑えのドリス,マテオは好調のようで,中継ぎの桑原,藤川もそこそこやるでしょう。
 こうみていくと,結構やれるかなという気もしますが,中日以外は,どのチームも戦力アップしているので,今年のセリーグは激戦が予想されますね。

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2018年2月25日 (日)

カーリングを知りたい

 カーリングだけは,ずっとルールがわからないまま,なんとなく見ていましたが,さすがに昨日は,なぜイギリスに勝ったのか,いまひとつよくわからなかったので,あとからネットでルールを調べてみました。最後に黄色(日本)の石が真ん中に残って点を取ったのだということはわかりましたが,なぜ先攻が不利なのか,ファーストストーン,セカンドストーンとは何なのか,などはわからないままでした。
 それで調べてみてまずわかったことは,カーリングはそれぞれのエンド(両チーム8投ずつ)で一番真ん中に近い石(これがファーストストーン)を置いたチームが点を取れるということ(ハウスと呼ばれる円内にどの石もなければともに0点),点を取ったチームは次のエンドは先攻になること,です。
 昨日のイギリス戦の第10エンドで日本が点をとって勝てたのは,黄色が一番真ん中にありファーストストーンを取ったからです。
 第9エンドまで日本は1点(4対3)差で勝っていましたが,その時点でとくに優勢とはいえなかったのは,第9エンドで日本が点をとって,第10エンドはイギリスが後攻だったからです。ここで後攻が有利となるのは,最後のショットは後攻がするからです。自力で点数をとる可能性が後攻にはあり,レベルが高くなれば,そうしたほうが有利ということなのでしょう。少なくとも一番真ん中に石を置ければ1点はとれる計算ができます。
 それで昨日の第10エンドですが,日本の藤澤の最終ショット(全体の15投目)はできれば一番真ん中に置いてファーストストーンをとっておきたかったのでしょう。本人がミスショットと言ったのは,イギリスがファーストストーンをキープしたままだったからでしょう。イギリスの最終ショットの直前で,円心からみると,石は,イギリス,日本,日本,イギリスという順番でした。このままの順で終わると,イギリスは1点だけです。ただそうなると延長になり,今度は日本が後攻になるので日本が有利となります。ここにカーリングのもう一つのルールが関係してきます。ファーストストーンをとったほうは,相手の最も内側にある石よりも円心に近い石の点数を加点できるというものです(ハウスの中に石を置いているだけでは意味がありません)。そのためイギリスは,最終ショットで,ファーストストーンをとり,さらに日本の一番内側の石よりも内側の石がもう一つあれば(セカンドストーン),2点とることができます。そこで,イギリスは,日本の石二つをはじきだすことにしました(ダブルテイクアウト)。それにより,投じた石か,すでにあったハウス内の石が残っているかのどちらかであれば逆転勝利となっていたのです(だと思います)。
 第10エンドが始まる時点で,日本としては,よくても延長,下手すれば,2点取られてゲームエンドとなる可能性が高い状況でした(双方ハウス内に石がなく0点で日本勝利となるというシナリオは,後攻のイギリスがハウス内に置けない最終ショットをするような凡ミスをするとは考えられないので,まずありえない状況でした)。
 ところが相手の最終ショット(第16投目)が,日本の手前の石にあたるところまでは予想どおりでしたが,あたったときの角度が(イギリスにとって)悪く,日本の手前の石ははじきだされるどころか,よろよろと中心に移動したのです。これで日本がファーストストーンをとり1点をとって(円心に2番目に近い石はイギリスのものでしたが,前述のように,それは点数と関係ありません),勝利をおさめました。
 ということだと,とりえあず理解したので,次にカーリングのゲームをみるときには,もう少し(知的に)楽しめるような気がしてきました。相手の次の一手を考えながら石を配置するなどの戦術の重要性,それを実現するためのショットの技術,リンクにおける石の滑りのラインなどを読む力,ショットのスピードや角度に影響するスイープという力仕事など,いろんな要素がからまった奥が深い競技であることがわかりました。
 そうそう,言い忘れていましたが,銅メダルおめでとうございます。これからの選手の皆さんのいっそうの活躍を楽しみにしています。

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2018年1月 8日 (月)

1973年のペナントレース

 昨年の終わりの,日本経済新聞での,江夏豊の「私の履歴書」は,毎日,最初に読んでいました。江夏は田淵幸一と並んで,阪神ファンの私の原点として,幼少期の大スターででした。その江夏が何が語るのだろうか,ということで楽しみにしていたのです。
 巨人のV9の最後の年である1973年。阪神は,残り2試合で1つ勝てば優勝というところまで巨人を追い込んでいました(マジック1)。残りは中日戦と巨人戦です。
 中日戦は,その年,20勝5敗と絶好調で,中日戦にも8勝1敗と相性がよかった上田二郎が先発するかと思われていました。ところが先発したのは江夏。江夏はもちろん阪神のエースで,この年,24勝(13敗)していました(最多勝)。シーズン途中では,中日戦でノーヒット・ノーランをしながら,延長戦で自分のホームランでサヨナラ勝ちするという,歴史に残る離れ業をした年でもありました。
 もっとも,残り2戦で1つ勝てばいいというとき,先に江夏を出すのか,相手との関係で,上田を出すのかは,難しいところでした。ただ巨人戦の前に,中日戦で,エースの江夏を出して優勝を決めたいという戦略はわからないではありませんでした。
 結果はご存じのとおり,江夏は打たれて勝てず,最終戦は上田対巨人の高橋一三で,阪神は完敗して優勝を逃しました。この最終戦は私もテレビで見ていた記憶があり,がっかりした覚えがあります。   ところで,この試合について,江夏は,「私の履歴書」で,次のように語っています(2017年12月11日日本経済新聞)。
 「シーズン大詰めの10月20日。混戦から,頭1つ抜け出した阪神はマジック1として中日戦を迎えた。残り試合は2つ。この試合と甲子園での巨人戦のどちらかに勝てばいい。阪神入団7年目,優勝をつかみとれるところまで来た。  中日戦の先発には,この年,自分とともに20勝を挙げ,対戦成績がいい上田を立てる手もあった。だが,おれがエースなんだからおれが行くべきだし,優勝を決めるのは自分しかいないと思った。そんな思いで先発したものの,木俣達彦選手に本塁打を打たれるなど,6回9安打3失点。負け投手となった。優勝を意識して硬くなったのではない。力が入ったのには別の理由があった。
 試合前日,球団幹部に呼び出された。優勝のご褒美の話かと思ったら『これは金田監督も了解していることだが,名古屋で勝ってくれるな』ときた。一瞬,意味がわからなかったが,選手の年俸アップを心配してか,優勝すると金がかかるとか,ぶつぶつ言っている。テーブルをひっくり返して席を立った。こうなったら絶対勝ってやる――。その気持ちが裏目に出た。  シーズン最後の130試合目,甲子園での巨人戦は勝った方が優勝という決戦になった。中日戦から連戦となるはずの試合が,雨で一日延びた。投げる気満々だったが,先発は上田。早々にKOされ,巨人に優勝をさらわれた。」
 阪神球団が優勝を望んでいなかったかどうかは,よくわかりません。江夏が,打たれた責任を球団に転嫁しているように聞こえなくもありません。ただ,江夏が述べたようなことを,これまでも何度か噂として耳にしたことはありました。とはいえ,江夏から直接こういう証言が出てきたことは,個人的には驚きでした。
 ところで,最終前の名古屋の試合の中日戦の先発は星野仙一でした。アンチ巨人の星野は,阪神を優勝させてやりたいと思って,ほとんどど真ん中のストレートばかり投げてきたというのは有名な話です。それをことごとく阪神打者は打ち損じたというのです。これも真実なのかわかりませんが,星野仙一なら,それくらいのことをしたかもしれません。
 その星野仙一が亡くなりました。私には中日のエースというイメージが強いです(でも,それほどすごいピッチャーという印象はないです)が,もちろん阪神を優勝させてくれた点では,ファンとしては大恩人でもあります。前述の1973年の話も,真実であれば,星野には恩があります。もっとも,その翌年,巨人のV10を止めるという栄誉に浴したのは中日だったので,星野にとっては,結果としては良かったのでしょう。
 江夏は,1975年のシーズンオフに阪神を追われて南海に移籍します。その1975年に王貞治の連続ホームラン王を止めた田淵幸一は,1978年のシーズンオフに西武に移籍します。阪神の二人のスーパースターは,ファンには何とも不可解な理由で,惜しまれながら,阪神を出て行きます。今回の「私の履歴書」では,江夏側からみたトレードのことが書かれています。これを読んでみると,江夏個人にとっては,トレードされて,野村監督に会えてよかったのでしょうね。
 その江夏も田淵も阪神の監督としては戻ることができず,ライバル星野仙一が,阪神の監督になって,低迷していた阪神に,2003年,18年ぶりの優勝をもたらしたことは,運命の皮肉でしょうか。
 星野仙一監督のご冥福を心よりお祈りします。

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2018年1月 4日 (木)

青学は強かった

 

箱根駅伝は,やっぱり面白かったです。青山学院大学,4連覇おめでとうございます。強かったです。往路は東洋大が1年生の活躍もあり,トップに立ちましたが,往路5区の山登りで僅差に詰まったことが青山学院の復路のメンバーに安心感を与えたのではないでしょうか。
 箱根駅伝は初日の夜の過ごし方が難しいのではないかと思いました。東洋大は,往路トップになったが,青学が至近距離にいたことから,必要以上に復路のメンバーに緊張感を与えたのかもしれませんね。
 優勝候補の神奈川大学は全日本優勝の立役者であった鈴木健吾が爆走できず,さらに5区の山登りの大失速で,シード落ちとなりました。もう一つの優勝候補の東海大学も上位を走っていましたが,優勝争いにからむことができず5位でした。かつての王者の駒澤大学も,7区のエースで挽回というシナリオが崩れて,シード落ちとなりました。順天堂大は,往路でオリンピアンの塩尻の不振が尾を引いてシード落ちでした。早稲田大は粘って3位で,優勝争いはできませんでしたが,駅伝的にはとても良い走りだったのではないでしょうか。
 一人20キロ以上走るレースは過酷です。特に山登りや山下りは気象の影響も受けやすく,また特殊技能を要するので,大きく差がつくことがあります(「山の神」というのが誕生するのも,そのためです)。そうしたなか,青学の毎年安定した強さを発揮しての4連覇は,たいしたものです。とくに復路の強さは驚きでした。7区で3大駅伝で初めて走るという3年生の選手が区間新をたたきだしたあたりの選手層の厚さと起用法の妙はすごいものです。たしかに6区と8区に絶対の自信があったとはいえ,7区でもし失敗すると,9区以下は東洋大も強かったので,混戦になっていたかもしれません。7区の選手がMVPをとったのもうなづけます。
 箱根では,それほど兵庫県の高校卒業の選手(西脇工業,須磨学園が中心)が活躍できませんが,ぜひ頑張ってほしいです。

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2017年11月29日 (水)

日馬富士の引退は当然

 日馬富士の引退が,北朝鮮のミサイル並の取扱いになっています。たしかに大きなニュースではありますが,横綱の傷害事件など論外で,引退は当然です。ワイドショーネタにしないほうがいいです。森友・加計問題や北朝鮮問題にもっと時間をかけましょう。
 日馬富士は,引退により起訴は免れるかもしれませんが,もしそうなら甘い気もします。世間では日馬富士に同情的な声もあるようで,貴乃花親方の態度に問題があると議論をすり替える人さえいます。しかし,はたしてそうでしょうか。
 横綱は理事ではありませんが,興行団体としては最大のスターです。スターは,相撲協会にとって,理事なみ,あるいはそれ以上の権力がある可能性があります。民間会社の例でいえば,役員と同様の地位といえるかもしれません。今回の事件は,そんな役員が,ある部長が大事に育成していた部下に対して傷害を与えたようなものです。このとき,その部長は,どういう態度をとるべきでしょうか。部下を差し出せば,会社ぐるみで説得されて,真相がうやむやにされる可能性があります。傷害はもちろん犯罪で,本来,社内のルールで対処されるべきものではありません。法治国家である以上,法律に従って裁かれる必要があります。しかも,その部長は,会社の主流派に属さない少数派でした。そして,主流派は暴力にやや甘く,その部長は暴力に厳しい姿勢で臨んでいました。
 というように置き換えた場合,貴乃花親方が相撲協会からの協力を拒否したのは,組織の上下関係に屈して部長が部下を会社に差し出すというような行為はしなかったとみることもできます。これがベストであったかどうかはともかく,理解できないものではありません。
 むしろ,もしあっさり貴乃花親方が,相撲協会の理事であるので,協会の指示に従うのは当然として,あっさり貴ノ岩を差し出していて,それで事件がうやむやになっていたら,世間は貴乃花親方を批判していなかったでしょうか。
 日本人は組織人が多いので,組織に従えという人が多いのですが,組織のやろうとしていることが正義に反する疑いがあると考えた場合,敢然と組織に反旗を翻して,市民としての正義を貫く(ここでは司直にまかせる)というのは,むしろ賞賛されるべきだと思います。
 ところで,日馬富士の今日の会見で,気になったことがあります。彼は,礼儀がなっていない弟弟子に対する教育的な意味での行為であったという趣旨の言い訳をしていました。私は,これに少し驚いたのです。日馬富士と貴ノ岩は所属部屋が違います。だから弟弟子ではありません。モンゴル人どうしだから兄弟弟子関係にあるということでしょうか。
 噂によると,貴乃花親方は,こういう力士間の交流を禁止していたといいます。本場所での相撲がなれ合いになる危険性があるからでしょう。部屋によっては出稽古すら禁止するところもあるようです(貴乃花部屋がそうであったかはわかりません)。同部屋の力士同士が本場所(優勝決定戦を除く)で対戦しないのも,八百長やなれ合いを防ぐ趣旨があるはずです。部屋をまたがっていて本場所での対戦もあるのに,暴力もありというような「兄弟」関係があることは,本来あってはならないことなのです。そもそもモンゴル人どうしが飲み会をしているというのも,どうかと思います。横綱三人がいっしょに二次会で飲んでいるというのは,非常に違和感があります。
 横綱になると,絶大なる権力が手に入ります。しかし,それだけ普通ではない責任がかぶってきます。その責任がいやなら横綱推挙を断ればいいのです。引き受けた以上,社会の目が著しく厳しくなるのは当然のことです。
 おそらく現役当時,横綱の責任というものを最も自覚していた横綱の一人である貴乃花親方の毅然とした態度が,日馬富士を引退に追い込んだのであれば,貴乃花親方の行動はこの点でも賞賛されるべきものでしょう(双羽黒の引退のときよりも,行為は悪質でしょう)。
 もちろん日馬富士はなぜ俺だけが,という気持ちがあるかもしれません。これをきっかけに相撲がもっと面白く楽しめるようになってくれればと思います。そうなれば,日馬富士の不名誉も,少しは回復されるのではないか,と思いますが,どうでしょうか。  

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2017年11月15日 (水)

泣くなazzurri

   衝撃的でした。昨日のLa Repubblica の一面は,「Italia-Svezia, gli azzurri fuori dai Mondiali del 2018: le lacrime dei giocatori(イタリア対スエーデン。2018年のワールドカップ出場を逃したアッズーリ。選手の目に涙)」。アッズーリ(青)は,イタリアのサッカーチームのユニフォームの色から付いた愛称です。
 今回の予選はスペインと同じ組に入ってしまい,勝ち点が同じで迎えた9月2日にスペインに0-3で完敗して2位となりプレーオフに回りました。前年にあった初戦は引き分けでした。予選では,結局スペインに負けただけでした(スペインは9勝1分け,イタリアは7勝1敗2分け)。ただスペイン戦後,10月6日のマケドニア戦で引き分けて,9日のアルバニア戦も1-0での勝利で,攻撃力不足が言われ,暗雲が垂れ込めていました。それでもプレーオフで勝ち抜けるだろうと思っていたら,初戦はアウエーで0-1で敗れ,ホームでスコアレスドローで敗退です。
 そもそも欧州予選でスペインと同じ組に入ってしまったことが,つまづきの始まりでした。2015年7月時点のFIFAランキングで第1シードが決まったようです。欧州予選はA組からI組までの9組で,上位9国は予選では対戦しません。イタリアは,この当時の上位9国に入れなかったということですね。ちなみに最新の10月時点ではFIFAランキング15位で,欧州では10位でした。実力の低下が影響しましたね。
 最近はセリアAの動きもフォローしていませんでした(長友はいますが,もうかつてのような輝きはありませんし,本田もいなくなりました)が,ワールドカップとなると別です。毎回楽しみにしていて,イタリアの戦いぶりにいつもハラハラしていました。ワールドカップが来るたびに,より鮮明な画像のテレビに買い換えたい気持ちにもなっていました。
 イタリア人はさぞかし意気消沈していることでしょう。日本くらいのレベル(FIFAランキング44位)でワールドカップに出ることができて,イタリアが出れないというのは,おかしい気もしますが,仕方ないことですね。ワールドカップは,スペインと日本を応援することにしましょう。 

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2017年11月 5日 (日)

神大おめでとう

 といってもこれは神戸大学のことではありません。全日本大学駅伝で優勝した神奈川大学の神大(じんだい)です。東京にいると,神大というのは,紙で書くと神奈川大学のことになってしまいますね。神戸大学は「しんだい」と読むので発音すると区別できます。
 出雲では東海大学が優勝して,王者の青山学院大学に土をつけたので,二強時代と言われていましたが,全日本では,神奈川大学が強かったです。青学は,第1区で出遅れたのが大きくて,その後もなかなか追いつけず,絶対エースがいないことがチームを不安定化させたのかもしれません。神奈川大学は,最終の第8区に絶対エースがいたことで,無理のないレースが出来ました。第7区で必死に神奈川大学と差をつけようと東海大学の選手が頑張りましたが,ここを神奈川大学のランナーが17秒差で辛抱したことが勝負の分かれ目でしたね。1分くらい差が付いていると,いくら絶対エースでも焦るでしょうが,17秒差であれば力の差がそのまま出てしまうので,波乱は起こりませんでした。箱根は,二強にこの神奈川大学を加えた争いになるのでしょう。
 駒澤大学は順位は4位ですが,前のほうで善戦できたのが2区までということで,箱根に向けて不安を残しました(5区の区間賞の快走がなければどうなっていたか)。むしろ最後は失速しましたが,序盤を引っ張った東洋大学のほうに可能性を感じました。
 高校駅伝のほうは,男子は須磨学園が勝ちました。かつての西脇工業と報徳との戦いから,現在では須磨学園と西脇工業の二強時代に変わりつつあります。報徳が下降してきて,三強ではなくなっています。報徳ファンの私としては,残念です。全国大会では,かつて駅伝王国であった兵庫県勢も,外国人選手がいる高校(世羅や仙台育英など)に勝てなくなっています(福岡は,大牟田が,外国人選手を使った東海大福岡に負けましたね)。昨年の西脇工業の6位は善戦でしょう。ただ,一昨年は兵庫代表で須磨学園,記念大会の近畿代表枠で西脇工業の二校が出ましたが,ともに入賞できませんでした。須磨学園には,まずは入賞を目指してもらいたいです。
 兵庫の女子は西脇工業が代表となりまいた。兵庫の女子といえば,かつては須磨学園でしたが,最近は逆転して,西脇工業が連続出場しています。昨年は2位でしたので,久しぶりの兵庫県勢優勝を期待しています。

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