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2018年6月 5日 (火)

フリーランスの地位向上のために必要なこと

 

小酒部さやかさんのYahooニュースの記事のなかに,登場しました。フリーランスと母性保護というテーマですが,私自身は,フリーランスに対する法整備といういつもの観点を中心にインタビューに答えました。もちろん,個人事業者と母性保護は興味深いテーマであり,それにもふれています。この議論で参照すべきものとしては自営業者の男女平等待遇に関するEU指令2010/41があり,EUではより広く「social protection」という観点から疾病の場合の補償などと合わせて,この問題に取り組まれています。
 今回のインタビューでは,理論的なことと同時に,実践的なことも述べています。たんに雇用労働者との格差是正を求めて運動するだけでは支持が広がないということです。フランスの著名な労働法学者であるAlan Supiotの議論(早稲田大学の島田陽一先生らが紹介されています)にもあったように,今後は国民すべてのリスクに対応した保障,働く人すべて(自営,雇用を問わない)に共通するリスクに対応した保障,雇用労働者に固有のリスクに対応した保障などに分けて議論をしていく必要があります。個人事業者と雇用労働者との格差を問題とするのなら,働く人すべてに共通するリスクであるにもかかわらず,雇用労働者にしか保障がされていないのはおかしいという論法をとるほうがよく,そうなると説得力が高まると思います。母性保護問題が,たんなる女性問題というようにみられてしまえば,それは女性運動という点からは重要なことかもしれませんが,フリーランス全般の地位向上という視点からみると逆効果になりかねません。だから,きちんとした理論武装が必要なのです。
 いずれにせよ,研究者の立場からは,どのリスクが,働く人すべてに共通するリスクかをしっかり分析・検討していくことが,大切な作業だと考えています。
 9月初めに東京で弁護士会主催のシンポジウムで講演をする予定ですので,この問題についてさらに勉強して理論的な強化をしたうえで,政策提言をできればと考えています。
 

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