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2018年5月20日 (日)

労働法の教科書

 労働法の教科書を相次いでいただきました。どうもありがとうございました。1冊目は,野川忍『労働法』(日本評論社)です。労働法の教科書は次々出るので,もう十分ではないかと思っていましたが,いただいたこの本をパラパラとみていくと,まさに帯にもありましたように「労働法の到達点」だということを実感でき,これだったら刊行する価値があると思いました(比較法がしっかり含まれているところも,本書の特徴です)。分量も多いですが,これだけの内容のものであれば,分量が増えるのも仕方ありません。むしろ,みごとに整理して書かれていて,労働法はこれ1冊で十分というものです。おそらく現時点でどの労働法の教科書かを1冊選べと言われれば,私はこの本を推薦すると思います。
 もう1冊は道幸哲也『労働組合の基礎と活用-労働組合のワークルール-』(日本評論社)です。帯にもありますように「法的知識を身につけ,自然体で組合を作るための基礎を伝授する」ということですが,何か実践的な知恵というよりは,労働組合法の入門編です(それよりややレベルは上のもの)。随所に道幸先生の得意な「問題の整理」が箇条書きでなされていて,頭がクリアになります。何かもっと考えてみたいという人にはやや物足りないでしょうが,それはこの本の狙いではないのでしょう。
 それにしても,日本評論社は,次々と重鎮の本の単著を刊行して精力的ですね。労働法の本の市場がどれくらいのものかわかりませんが,怪しげなマニュアル本のようなものも多い中で,きちんとした研究者の本が続々と刊行されるのは,労働法の正しい発展のためにもよいことだと思います。

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