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2018年5月14日 (月)

アメフトのラフプレイ

 日大と関学のアメフトの試合におけるラフプレイが大きな問題となっていますね。レイトタックルというレベルの話ではなく,単なるラフプレイだったようです。私はアメフトに詳しいわけではありませんが,多くの人と同様,この映像をみて戦慄を感じました。
 日頃,下りの坂道を猛スピードの自転車が私の側を走り抜けていくことをよく経験しており,ちょっとでも接触したら,どう責任をとってくれるんだと思うことがよくあるのですが,あんな露骨なタックルを背後からくらうと,猛スピードの自転車どころではないでしょう。脊髄損傷といったことにもなりかねない話です。
 日大の監督が選手に命じたという話もあり,真相はよくわかりません。選手の将来性を考えて,監督に詰め腹を切らせるということになるのか,それとも本当に命じていたのか。もし監督が命じて,選手が「犯行」におよんだのであれば,日大のアメフト部は解散となるべきでしょう。
 これは犯罪なのです。そもそもタックルは本来的には刑法の暴行罪の構成要件に該当しますし,ケガをさせれば傷害罪の構成要件にも該当するものです。スポーツで行う場合には,正当業務行為となり違法性が阻却されるだけです(刑法35条)。しかし今回は,ルールの範囲を逸脱しているもので,違法性は阻却されません。もちろん,犯罪のもう一つの成立要件の故意も認められるでしょう。
 スポーツだから,多少のことは許されると思っていないでしょうか。プロ野球でも,故意にデッドボールをあてるような行為は,やはり犯罪に該当すると思います。デッドボールをあてた投手に殴りかかる行為は,もちろん犯罪です。プロ野球の解説でそれを推奨するようなことをいう人もいますが,それは規範意識がどこかおかしいです。あれはみていて愉快なものではありません(私は殴り合いが嫌いというわけではなく,ボクシングや格闘技は好きですが,それはそういうルールでやるものだからです)。
 暴行罪や傷害罪は親告罪ではありません。検察も動くかもしれません。スポーツ上の逸脱行為のすべてを犯罪として処罰することが妥当とは思えませんが,その一方で,大学生だからといって甘くみるのは問題でしょう。
 今回のケースは事実関係がまだよくわからないところもあるので,これ以上はコメントできません。今後の推移を見守りたいですが,一般に,こういう肉体が接触するスポーツは,そもそも危険な行為をしているので,信頼関係が何よりも大切だと思います。お互いがルールを守っている範囲では,暴行や傷害があっても許し合おうというところで,こういうスポーツは成り立っているのです。ルールを大幅に逸脱すれば,それが市民社会で行われているものである以上,犯罪として処罰されるのは仕方ないことです。スポーツだからといって大目にみるのは,ほんとうのスポーツマンに対して失礼なことではないかと思います。  

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