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2018年3月15日 (木)

藤井聡太六段15連勝

 順位戦C級2組で,すでに来期の昇級を決めている藤井聡太六段が,三枚堂達也六段をやぶって10勝負けなしで今期の順位戦を終えました。今年に入ってますます強くなっている感じで,もはや敵なしです。デビューからの29連勝もすごいですが,いったん連勝がとぎれたあと,再び15連勝をしている現在のほうが,数段強い感じがします。15連勝のなかには,佐藤天彦名人,羽生善治竜王などのトップ棋士に勝った星も入っていて,それだけ価値が高いです。今期は,連勝記録は当然のことながら,勝数(60勝),勝率(0.845),対局数(71局)のすべて1位です。マスコミは,デビューしたばかりの中学生棋士がやったからすごいという褒め方をしていますが,私は中学生かどうかということは,もう関係ないと思っています。とにかく異次元に強い棋士がいて,しかもまだ急速な成長過程にあるということが大切です。終盤の攻めの鋭さは見事ですし,ややもつれたときの相手を誤らせる勝負術ももっている藤井六段。来期は,どんな活躍をしてくれるでしょうか。
 王将戦は,久保利明王将が4勝2敗で防衛です。名人挑戦を逃して悔しかったでしょうが,王将のタイトルは守りました。負けた豊島将之八段は,超過密日程が気の毒でした。A級順位戦の最終戦で自分が負けてプレーオフになってしまったことが原因なので仕方ないのですが,プレーオフでは,久保王将,佐藤康光九段に連勝し,さらにA級順位戦の最終戦で負けた相手の広瀬章人八段にも雪辱して勝ち残っています。次は羽生竜王です。若いのできつい日程でも体力は十分でしょう。豊島八段はここが棋士人生の勝負どころです。
 棋王戦は,渡辺明棋王が永瀬拓矢七段に勝って2勝1敗です。永瀬七段は不調の渡辺棋王が相手なので,大チャンスなのですが,どうも相性がよくない感じです。ただ永瀬七段は順位戦のC級1組は最終局に勝ってB級2組への昇級を決めました。もう一人は,すでに昇級を決めていた千田翔太六段です。
 順位戦のB級1組は,最終局,ハッシーは負けて,阿久津主税八段が勝ったので,阿久津八段のA級復帰が決まりました。ハッシーは残念な結果に終わりました。来期のB級1組は,上から渡辺棋王が落ちてきて,さらに菅井竜也王位もいるなど,豪華なメンバーです。谷川浩司九段は今期は指し分けでしたが,来期はA級復帰を目指してがんばってほしいです。それに竜王戦も4組では困ります。先日は菅井王位との対局で,みごとに攻め勝っています。今期は現時点で16勝13敗と久しぶりの勝ち越しですし,勢いのある若手にも勝ち,光速の寄せが徐々に戻ってきてもいます。年齢的には下降線にあるのは否めないのですが,55歳(4月で56歳)でのこの頑張りは,同世代の私たちを大いに勇気づけてくれます。

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