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2017年10月19日 (木)

希望の党の失速の原因?-事業譲渡のアナロジーでみる

 選挙の結果がどうなるかわかりませんが,小池都知事の「排除」という言葉によって,風向きが変わったようです。政党が政策の合わない政治家の入党を拒否するのは当然ですが,今回は,入党しうるとされていたのに,そこから排除されたということで,単なる入党拒否と違う意味合いになってしまいました。
 これはあたかも,民進という会社が中核的な事業を希望という会社に譲渡することになり,民進の社長が,民進の社員は希望すればすべて会社希望に承継(転籍)される(譲渡先で雇用は継続する)と発表しておきながら,会社希望の社長が採用の自由を行使して,選別をして,その結果,承継から排除される者が出てきたというのと同じような感じです(実際には,民進党は「全部譲渡」ではなく,参議院議員は残っているのですが)。現実の労働事件でも,会社の事業の全部譲渡が決定され,労働契約が承継されることになっていたのに,一部の者が排除されたとなると,紛争が起こりがちです(単なる採用拒否ではなく,解雇と実質的に変わらなくなってしまうからです)。
 もっとも,希望の党から排除された人は立憲民主党に入るなどして,かえって存在感が高まったので,結果としては排除されてよかったというところでしょうが,国民は人を選別して排除する行為それ自体を,自分がそういう目にあわされる場合とついつい置き換えて考えてしまい,激しく反発するのでしょう。仲間はずれはイヤということです。
 私は,主義が合わない人に合わせるのがいやなので,そういう人たちの集団から排除されることは,むしろ自分から望んでいくタイプですが,日本人の多くはそうではなく,自分を殺してでも集団に合わせようとするので,その集団から排除されるというのは,耐えがたいことなのでしょう。
 もちろん,前原代表が,民進党員は希望すれば全員,希望の党に行けるというような,「包括承継」を言わなければ,排除ということにもならなかったのです。小池さんにとっては,そこが誤算だったのでしょうか。でも,前原さんがそう言わなければ,民進党の解散は無理だったのでしょう。民進党員のままでは選挙に通りそうになかったので。結局,小池さんは,あたかも民進党の一部の「雇用」を奪うようなことをした,ブラック企業のワンマン社長のようなイメージを与えてしまいました。
 ところが,大有望企業と思われていた希望会社の経営が急に傾き,承継されなかった社員で作った新会社立憲民主がかなり躍進して,希望会社の顧客を奪っていきそうな勢いなので,まさに一寸先は闇です。大きな風を受けて浮上したのは,希望のはずだったのが,実は立憲民主だったというのは,あまりにも劇的すぎます。しかし,最後のどんでん返しがあるかもしれません。ほんとうの台風が来て,投票率が落ちて,結局,選挙には風が吹かず,組織票のある公明党に支えられた自民党が大勝するというシナリオです。そうなると,安倍さんの強運は恐るべきものとなりますが(でも国の政治は運の強い人に任せたほうがよいという考え方もあります)。

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