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2017年8月 1日 (火)

労働政策審議会労働政策基本部会に望むこと

 労働政策審議会労働政策基本部会というものができて,その第1回の会議が昨日東京であったようです。私も会議がされていた時間,偶然ですが,別の用務で,かなり近いところにいたことになりますね。
 事前にこういう基本部会が立ち上がるというメールを厚労省からいただいていましたが,誰が委員になるのかは知らされていませんでした。ドタバタで選ばれたのでしょうか。
 この部会は,私も参加した「働き方に関する政策決定プロセス有識者会議」の報告書のなかの次の部分を受けて設置されたものです。
 「働き方やそれに伴う課題が多様化する中,旧来の労使の枠組に当てはまらないような課題や就業構造に関する課題などの基本的課題については、必ずしも公労使同数の三者構成にとらわれない体制で議論を行った方がよいと考えられる。これを踏まえ,基本的な課題については新たな部会(「労働政策基本部会(仮称)」(以下「基本部会」という。))を本審の下に設置し議論することとする。基本部会は,公労使同数の三者構成ではなく有識者委員により構成するものとし,課題に応じて高い識見を有する者を選任する。この中には,企業や労働者の実情を熟知した者も含めるものとする。委員は有識者として個人の識見に基づき自由闊達な議論を行うものとし,また,そのような者を選任する。基本部会においては,委員からの課題の提起を受けて議論を始めることもあり得る。」
 この部会にどのようなことを期待するかは,人それぞれでしょう。私個人は,公労使がダメというよりも,労使は組織から離れて発言できなければならない,ということを強調していました。重要なのは個人の識見です。
 いずれにせよ,基本部会の委員は,就任にあたって,どのような考え方で部会に臨むかということを表明してもらいたいです。HPでみたかぎりでは,1年かけて「技術革新とこれからの働き方に適応した基本的な政策の方針について」というテーマで検討して報告書をまとめるということのようです。こうしたテーマについて,各委員がどのような意見をもっているかを,国民に知らせるべきではないかと思います。それが個人の識見に基づき自由闊達な議論を行うことを期待されている部会の委員の責務だと思います。こういうことからやっていかなければ,ほんとうの意味での労働政策プロセスの改革はできないのです。
 たんに新たな部会が出来て,ちょっと新しそうなテーマで,数回集まって,事務局主導で報告書がまとめられるというようなことは,もちろんあるはずがないですし,絶対にあってはなりません。
  個人的には,基本部会で取り上げられる予定のテーマは,昨日,私が東大で話した内容と同じようなことであり,すでに拙著『AI時代の働き方と法』(弘文堂)でも書いているような関心の高いテーマですから,1年後の報告書がどんなものになるかほんとうに楽しみです。

 

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