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2017年8月20日 (日)

無駄な業務の点検はまず役所から

 今日の日本経済新聞で,「違法残業『かとく』がにらみ 厚労省の過重労働特別対策班-電通事件で注目,大手本社に照準-」という記事が出ていました。行政監督機関としての厚労省が乗り出すのは,ある程度まではよいことですが,このマンパワーの投入が,どれだけ長時間労働是正につながるかというと何ともいえないでしょう。違法残業という記事の言葉が,何を意味しているのか,よくわかりませんが,違法残業にもいろいろなタイプのものがあります。三六協定の締結なし,届出なし,三六協定の定める範囲を超える時間外労働,三六協定そのものが限度時間を超えているなど多様で,悪質性もまた多様です。また労働時間は何かというのは,実際には難しいので,そのチェックもたいへんです。監督官が過労にならないことを祈ります。行政がにらみをきかすことによる抑止効果はあるかもしれませんが,経営者たちが本気で意識改革し,過度の顧客重視の見直しなどをとおして,健康経営に向けた業務体制の見直しを促進することが一番効果的でしょう。
 その意味で,記事の最後に,「企業は不要な業務がないか点検し,労働生産性の向上で労働時間の短縮を図るなどの対策を考えなければならない」とあるのは,正鵠を射たものです。
 先日,ある公的機関に報告書を書いて出したときに,番号の振り方について(3)とするところを,(2)と間違っていたとして,その1か所だけのために書き直しを求められることがありました。馬鹿馬鹿しいですね。こういうことをチェックする作業が無駄ですし,それを私に指示してくる業務も無駄で,これに巻き込まれた私の書き直し作業も無駄です(たいした時間はかからなかったのですが)。私の無駄はともかく,こういう業務にかける時間を,もっと他の有益な業務に使ってくれたら国民のためになるのにな,と思いました。内容に問題があるという指摘なら意味のあることですが,形式面に過度にこだわる潔癖主義は困ったものです。どの役所にも,こうした傾向がないでしょうか。手続や要式はできるだけ簡素にして,必要な審査やチェックはより実質的なものに限定するということにしてほしいものです。これは役所の人の時短につながり,ひいては国民の時短にもつながるのです。
 記事に戻ると,先ほどの文章の前に,「日本の正社員は欧米に比べ職務内容が不明確で,それが長時間労働の温床ともいわれる」と書かれていました。これはよく言われていることなのですが,ただ業務が明確であっても,早く帰ると言えないような場合には,ズルズルと残業になります。したがって,上記の説明は因果関係が逆で,業務限定型で働いている人はプロ的人材で,ワークライフバランスにも敏感なので,仕事が終わればとっとと帰るため長時間労働にならないということではないでしょうか。たんに業務を明確化しただけで,労働時間が短くなるものではないでしょう。

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