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2017年8月 4日 (金)

藤井聡太四段3敗目

 7月27日に,銀河戦で,すでに勝ったことのある平藤眞吾七段に勝ち24勝2敗となっていた藤井聡太四段は,今日,王将戦の一次予選の決勝で,強敵の菅井竜也七段との対戦となりました。ここまで順調に勝ち上がってきましたが,さすがに決勝では強敵とあたってしまいました。これまで公式戦で対戦したなかで一番強い相手でしょう。なぜ強いかというと,菅井七段は通算勝率7割を超える若手強豪であるというだけでなく,現在,王位戦で羽生善治三冠とタイトル戦を戦っている旬の棋士で,しかも羽生三冠相手に2連勝しているのです。ということで,菅井七段もここで藤井四段に負けているようでは,タイトル奪取への勢いがつきません。
 この対局は先手の菅井七段が得意の中飛車で,玉を穴熊に囲うなか,藤井四段がやや無理気味に攻めさせられるという流れになりました。独特の鋭い攻めの感覚をもつ菅井七段は,先日の羽生戦でも攻め倒して快勝していました。藤井四段との本局でも,快勝といってよいでしょう。さすがに藤井四段も,このクラスが相手となると,まだ苦しいということでしょうか。これで24勝3敗で,勝率は9割を下回り,8割9分となりましたが,まだ高い勝率であることに変わりはありません。次は,来週順位戦C級2組で高見泰地五段との対局です。
 進行中の王位戦は,上述のように,菅井七段が2連勝して面白くなっています。来週第3局があります。
 王座戦は,羽生王座への挑戦者は,中村太地六段と決まりました。中村六段は王座戦には相性がよく,4年前にも羽生王座に挑戦し,2勝1敗で羽生王座を追い込んだこともありました(その後2連敗で奪取失敗)。その前年にも中村は挑戦者決定戦にまで進出しており,そこで羽生に敗れたという因縁もありました。その年は,棋聖戦の挑戦者にもなり,羽生棋聖に3連敗で敗れていました。4年前のあと一歩ということがあって以来,少し低迷していた印象のある太地六段ですが,再び大舞台に登場して,羽生と戦うことになります。順位戦ではなかなかスムーズに昇級できずB級2組にとどまっており,関西の若手との出世争いでは一歩遅れを取っているところもありますが,羽生相手にビッグタイトルをとれば一気に追いつけます。
 羽生三冠は,王位戦では菅井七段,王座戦では中村六段と,実力若手の相次ぐ挑戦を受けています。そろそろ50歳に近くなってきている羽生三冠がどこまで持ちこたえることができるでしょうか。
 もう一つ大きな棋戦の竜王戦は,結局,挑戦者決定戦に進出したのは,藤井聡太四段に勝った佐々木勇気六段ではなく,また佐々木六段(7月11日に六段に昇段)に勝った久保利明王将でもなく,松尾歩八段でした。松尾八段は,1組で優勝しており,この棋戦に白星を集めています。そして,その対戦相手は,稲葉陽八段に勝った羽生三冠です。渡辺明竜王に挑戦するのは,松尾八段と羽生三冠の三番勝負の勝者となります。ランキング戦の1組決勝でも両者は対戦し,松尾八段が勝っていますが,さて挑戦者決定という大一番でどうなるでしょうか。松尾が挑戦権を得れば,はじめてのタイトル戦登場となります。将来の名人候補と言われ,もう若手とはいえない年齢(37歳)になった松尾八段ですが,ここで大きな花を咲かすことができるでしょうか。
 それにしても,こうみると,藤井が強いとかなんだかんだ言っても,やっぱり棋界は,羽生三冠を軸に回っている感じですね。

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