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2017年7月 4日 (火)

フリーランス

 昨日の日本経済新聞の夕刊に少しだけ登場しました。フリーランスに関する政策についてのメールインタビューです。フリーランス協会の方が,昨年,私が経済産業省の「雇われない働き方」に関する研究会で行ったプレゼンを聞いておられ,拙著『AI時代の働き方と法』(弘文堂)も読まれたようで,その後,私にコンタクトしてこられました。先月には,東京に行ったついでに,意見交換もしました。そうしたことから,今回も協会から日経の記者に私が紹介され,今回の取材となりました。
 今回のインタビューで私が気をつけてほしいと注文をつけたのは,フリーランスにも労働法上の保護を,ということではいけない,ということです(以前に別のインタビュー記事で,私の発言のなかに「保護」という言葉を勝手に使われたので,このブログで釈明したことがありました)。労働法上の保護を及ぼすべきようなフリーランスもいます(その多くは偽装自営業者)が,それとフリーランス協会がおそらく想定しているであろうフリーランスとは違います。
 もちろん,自営であっても特定の取引先との経済的依存関係がある場合(準従属労働者のケース)もあって,そうした者に対する法政策を考えていくことも,もちろん必要です。しかし,より理論的にも難しく,かつ重要なのは,従属性がない自営業者に対する政策です。従属性がない以上,労働法と同じような形の保護はおかしいし,そこで保護を認めようとすると,自由と保護のいいとこ取りだという批判が当然出てきます。自営業者に必要なのは,従属労働者としての保護ではなく,経済的自立のためのサポートなのであり,そのサポートの内容は,労働者への保護とは違うものでなければなりません(詳細は,上記の拙著の第7章を参照してください)。たかが言葉の問題かもしれませんが,保護という言葉をフリーランスに使うと,フリーランスに対する政策への反発が強まり,うまくいかなくなるおそれがあります。政策を進めるためには,表現にも注意を払って,十分な戦略をもって進める必要があると考えています。経済産業省が担当役所でしょうが,くれぐれも功を焦らないようにお願いしたいものです。

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