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2017年6月21日 (水)

独禁法と労働組合(おわびと修正あり)

 先日,私がこのブログで,独禁法と労働組合の関係で,間違った条文を参照していました。申し訳ありませんでした。素人がうっかり手を出すと危ないということですね。独禁法の適用除外規定のうち23条5項は,「この法律の規定は,公正取引委員会の指定する商品であつて,その品質が一様であることを容易に識別することができるものを生産し,又は販売する事業者が,当該商品の販売の相手方たる事業者とその商品の再販売価格(その相手方たる事業者又はその相手方たる事業者の販売する当該商品を買い受けて販売する事業者がその商品を販売する価格をいう。以下同じ。)を決定し,これを維持するためにする正当な行為については,これを適用しない」という規定で,その販売の相手方たる事業者との関係で,消費者や勤労者の互助を目的とする消費生活協同組合や労働組合等の団体に対して販売する場合には適用除外の対象とならないという趣旨のものであり,独禁法そのものの適用除外とは無関係の規定でした。おわびし,訂正します。ブログのなかの該当部分は削除しました。

 中小企業協同組合に独禁法が適用されないのは,独禁法22条1項で適用除外される組合との関係で,中小企業等協同組合法7条の規定があるからです(労働金庫法にも同様の規定があります[9条])。中小事業主の結成した「労働組合」についても,こうした適用除外規定の趣旨に照らして,独禁法上どのような議論が可能かが重要となるのでしょう。この適用除外は,公正かつ自由な競争を促進するものだから認められるという説明がされているようであり,交渉力のない中小企業の保護というロジックは使われていません。ただ,この二つのロジックはコインの裏表のようなところもあり,実質的に内容が異ならないとすると,労働組合も,実は公正かつ自由な競争を促進する(そしてそれが労働者保護の機能もはたす)から独禁法の適用除外となるというロジックも原理的に立ちうるかもしれません。こうした議論が可能かどうか,引き続き勉強していきたいと思います(労働者が事業者ではないとすれば,そこでおしまいの話ではありますが,そこで思考を停止すると,前に書いたように労働者と自営的就労者の中間的な人の扱いをどうするかが難しくなり,強引に二分法を貫徹するという無理をしなければならなくなります)。

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