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2017年6月 5日 (月)

高田屋嘉兵衛

 高田屋嘉兵衛のことを,以前このブログで取り上げたことがありました。今朝の日本経済新聞で,高田屋嘉兵衛のことが紹介されていて驚きました。私の地元に近い淡路島出身の高田屋嘉兵衛は,私の手元にある山川出版の日本史の教科書には,ゴローウニン事件のあおりで,ロシアに抑留された商人ということが注で小さく出てくる存在にすぎないのですが,彼のことを教科書に書くとすれば,北前船での成功を通して広げていったネットワークでしょう。あの窮屈な江戸時代に,努力と独創性で必死にもがき,はばたき,そして成功をおさめた彼の人生は,浪漫にあふれたものであり,司馬遼太郎の『菜の花の沖』における思い入れたっぷりの描写には,心をゆさぶられるものがあります(ただ彼の私生活は,それほど幸福ではなかったような感じもうかがえますが)。
 この司馬遼太郎の本は,たんなる高田屋嘉兵衛の伝記ではなく,内容が豊富です。ブログで紹介しようにも,あまりにも書きたいことがありすぎて,書く機会を逸してしまいました。個人的には,嘉兵衛が受けた「いじめ」というものが,東アジア独特のものであるという司馬遼太郎の説明や,第5巻くらいだったと思いますが,当時のロシアの皇帝のことや地政学上の位置づけなどが詳しく書かれていて,ロシアから日本史をみるという視点を与えてくれたことなど,学ぶことが多かった本です(あまりよくわかりませんでしたが,船舶や航海の説明も詳しかったですね)。
 日経新聞の記事のタイトルは,「いでよ高田屋嘉兵衛 荒波越える開拓精神を」です。高田屋嘉兵衛のような人物は,そう簡単には出てこないでしょうが,この商人のもつスケールの大きさは,もっと知られていいでしょうね。そして,彼が日本の近代史に与えた大きな影響こそ,日本史の授業で教えてもらいたいです。そのなかから,一人でも彼のような人物が出てきてくれればと思います。『菜の花の沖』は,日本人にとって必読の本でしょう。  ★★★★(二度目ですね)

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