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2017年4月13日 (木)

菅野・荒木編『解雇ルールと紛争解決』

 菅野和夫・荒木尚志編『解雇ルールと紛争解決-10カ国の国際比較』(労働政策研究・研修機構)をいただきました。どうもありがとうございます。解雇法制について,日本,イギリス,ドイツ,フランス,イタリア,スペイン,デンマーク,韓国,オーストラリア,アメリカを対象国として行ったものです。JILPTで出されていた調査をまとめたもののようです。資料的価値が高いので,多くの人が参照するでしょうし,そうすべきでしょう。しかしながら……
 実は私たちも経済学者と一緒に解雇法制(金銭解決が中心)に関する共同研究を,長い時間をかけて進めてきました(このブログでも何度も書いています)が,これがようやく大詰めにさしかかっています。おそらく,この研究は既存の同種の研究にはないものを含んでおり,私自身も背筋がぞくっとするような驚くべき内容になりつつあります。その内容に自信がもてなくて,まずは法学系の意見を聞くために,3月の神戸労働法研究会で中間報告をしてみました。そこでの議論から,いろいろ改善点がみつかったので,その後も精度を高めるための作業を進めています。
 解雇法制について,次の国会で検討されるかもしれないので,それに間に合わせたいと思っています(といっても私たちの提案がそのまま受け入れられるとは考えられないのですが,議論をするうえでの新たな視点は十分に提供できるでしょう)。私たちが考えていることは,解雇規制を紛争解決という視点だけからみていてはダメということです。経済学者が標準的に考えている解雇規制に,法学側が真剣に向き合って,ほんとうの意味のコラボをすればどうなるか,ということを提示しようとしています。キーワードは,「許されない解雇」と「許されうる解雇」の区別です。「許されうる解雇」をどのように規制(コントロール)するか,これを日本の労働市場実態や比較法的知見もふまえて,具体的な政策提案に落とし込む作業をいまやっています。
 予告編はこの程度にしておきましょう。

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