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2017年4月11日 (火)

AIと雇用

 日本経済新聞が,「AIと世界」というタイトルで連載を始めたようです。その初回の今日は「今そこにある未来(1)仕事が消える日 変化に適応可能か」です。そこで扱われているテーマは,まさにAIが雇用に及ぼすインパクトです。最初にインドのIT企業のコールセンター業務で8,000人分以上の仕事が消えたという話が出てきます。コールセンター業務はAIのインパクトを受けやすいものの代表として,私も『AI時代の働き方と法-2035年の労働法を考える』(2017年,弘文堂)で例に挙げていました(25頁)。これがAIのもつ雇用の代替効果です。
 次に出てきたのが,雇用の創出効果に関する記事です。AIによって仕事を奪われたトレーダーが,新たに誕生しているフィンテック企業への転職を目指しているという記事です。技術革新は,雇用の代替と創出をうむのであって,うまく転換することができれば悲惨なことにならないし,むしろ大きな成功のチャンスを掴むことになります。
 ここまではほぼ教科書どおりの内容です。最後に出てきたのが「AIは万能ではない」として,富国生命保険で,AIに入力情報の確認をさせると,約1割のミスがありそれを人間がチェックしなければならないということでした。記者が,この情報に,どのようなニュアンスを込めているのかは,はっきりしていませんが,一見すると,これも教科書的な内容です。
 ただ読者は,AIは万能ではないから,人間にやれる仕事があると思って安心してはなりません。人間は,AIがおかすかもしれないミスの尻拭いをするだけであるという言い方もできるからです。人間が,機械が郵便番号の読み取りができない汚い字やはみ出し文字だけチェックするというのと同じで,まさに人間にやらされているのは単純労働なのです。当然,低賃金となるでしょう(上記の生命保険の確認業務が単純労働かどうかは知りませんが)。
 AIが万能ではないというのは,そのとおりです。しかし残された人間の仕事の内容がどのようなものであるのかも考えておかなければなりません。フィンテック企業への再就職を目指すようなものばかりではないでしょう。
 ところで,私が使っているクレジットカード会社で,私が以前にカードを利用したホテルから個人データが盗まれた疑いがあるという連絡がありました。この会社のクレジットカードの不正使用が発覚したのでしょう。私には実害はなかったですが,念のためということで,そのホテルでクレジットカードを利用した顧客全員に,カードの切り替えの連絡がありました。カードの不正使用の発覚は,おそらくAIによってなされたものでしょう。この分野でのAIの功績には大きなものがあります。
 もう一つ。テレビ東京(私のところではテレビ大阪)の「Newsモーニングサテライト」では,AIによる株価の動きの先読みをしています。株への投資をしていない私ですが,面白半分に予想をみています。そのうちお金が貯まったら,AIに頼りながら,投資でもしてみようかという気になりました。AIが着実に深く生活に浸透しています。

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