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2017年3月11日 (土)

Work Model 2030

  リクルートワークス研究所「Work Model 2030」という報告書が出されました(http://www.works-i.com/tech/)。この報告書へのコメントを求められ,それに答えたものが,インタビュー集としてまとめられて冊子で届きました。一般の人がみることができるものかどうかわかりませんが,私を含む9名の人がインタビューに答えています。東大の柳川範之さんや松尾豊さんといった常連(?)も含まれています。
 この報告書は,「テクノロジーが日本の『働く』を変革する」ということで,実は私の問題意識とほぼ重なっています。私はAIなどの先端技術の革新は今後もとどまるところを知らないし,それをとどめるべきでもないという立場から,技術のもつ可能性を吟味していくことが必要だと考えています。拙著『AI時代の働き方と法-2035年の労働法を考える』(弘文堂)も,そういう問題意識によって書かれたものです(先週木曜日は,中沢孝夫先生に,日本経済新聞の夕刊で採りあげていただきました。また今日は,同新聞の読書欄でも紹介されていました)。
 私自身,デジタル人間ではないですが,それでも役所や大企業などの大きな組織の人と仕事をする機会があるときに感じるのは,デジタライゼーションを論じるとかいう次元と懸け離れたところで,新しい技術に何の関心も示さず旧態依然とした仕事のやり方に満足している人が多いなということです。
 ほんのちょっとの効率化さえ嫌がる人たち。やっぱりアナログだと言って,それに同調している仲間同士で納得し合っている人たち。こうした人たちが日本の中心にいるかぎり,日本の未来は暗いです(「暗い」というのは経済的な面からです。アナログの世界で,のんびりと生活するという人生それ自体は魅力的です)。
 ところで,リクルートワークス研究所の今回の報告書にも出てくるように「フリーランス」「起業」は,これからの社会のキーワードです。AIなどの技術の波に飲み込まれるのではなく,個人として,いかにAIを活用し,生き延びていくかという戦略も必要です(この点については,拙著の『君の働き方に未来はあるか-労働法の限界と,これからの雇用社会』(光文社新書)をぜひ読んでもらいたいです)。
 昨日は,リクルートワークス研究所がこの報告書に関して開催したシンポジウムに出て,私の名前を知ったという日経新聞の記者が,神戸まで取材に来てくださいました。もっとマスメディアが,時代の変革の流れを伝えて,技術に背をむけたがる人たちに警鐘を鳴らしてくださいと頼んでおきました。もちろん,これからは,ジャーナリスト自身が,そうした時代の波をとらえていかなければ,それこそAIに取ってかわられてしまうでしょう。

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