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2017年2月 1日 (水)

弘文堂スクエアでの連載終了

 半年以上,止まっていましたが,久しぶりに弘文堂スクエアで連載中であった「絶望と希望の労働革命」を更新しました。今回で最終回です。すでに前回の第8回を書いたときに,第9回の構想は定まっていたのですが,本の執筆のほうにエネルギーを注入していたので,こちらの更新には手が回りませんでした。ようやく本も刊行されたので(すでに1カ月以上前に私の手からは離れていましたが),連載を完結させることにしました。もう少し書き続けてみたいという欲求もあったのですが,限られたエネルギーを分散すべきではないと思い,今回で終わりにしました。
 飲み会の席でよく言っているイギリス嫌いをついにネット媒体で書いてしまったのですが,もちろん反発もあるでしょうね。植民地支配への嫌悪をいうと,日本の朝鮮半島,台湾はどうか,満州国はどうかという批判もあるでしょう。いまごろ大東亜共栄圏なんて言葉を持ち出すのはどうか,という批判もあるでしょう。それについては,私なりの考えもありますが,今回の原稿はあくまで西洋的正義の胡散臭さを批判するということがメインなので,それを中心に書いています。Trump新大統領への警戒感ということも背景にあります。歴史からみて,アングロサクソンを信用するな(たとえば,タスマニアの歴史を知ろう),その身勝手さに振り回されたくないというのが主題です。    
   二項対立の克服ということも,もう一つのテーマです。こちらのほうが,今回のエッセイのメインでもあります。Hegelにせよ,Marxにせよ,観念論,唯物論の違いはあるものの,弁証法的思考をとっています。そのダイナミズムにはひかれるものの,根源的な二項対立論に問題はないか,というような問題意識を,労使関係や人工知能vs人類というものにあてはめてみたのですが,成功しているかどうかは,読者のみなさんのご判断にゆだねることにしましょう。
 歴史という点では,定番の山川出版の日本史と世界史の教科書を横に置きながら,少し変わった本も参照しました。とくにイタリア研究仲間(大先輩)であった堺憲一さんの本『あなたが歴史と出会うとき』は,とても良い本だと思いますので,みなさんに推薦します。専門の歴史家ではなくても,歴史を自分なりに再構成していくというアプローチに引かれています。
 大学院に入り,留学も経験し,ずっと欧州かぶれであった私も,年齢を重ね,ずいぶんと前から欧州コンプレックスはなくなり,いまではむしろ日本のほうが社会システムとしてうまくいっているのではないかという意識をもっています(もちろん日本に問題がないと言っているわけではありません)。別に欧州が嫌いというわけではなく,いまでも機会があれば行きたい大好きな地域ですが,ときに盲目的に,あるいは意識的に欧州礼賛をする(後者の多くは,日本では自分の活躍の機会がないなどの満たされないもののある半エリートたちが,腹いせの日本批判のために欧州礼賛をしている)人をみると,ちょっと違うんじゃないかと言いたくなるのです。
 とはいえ,そんな国とでも,うまくやっていかなければなりません。それに欧米よりも,やはり近隣のアジアの国々とうまくやっていくことがとても大切です。日本的なreconciliation こそが,世界を変える原動力となってくれればと願わずにはいられません。
 最後に,弘文堂スクエアに,こういう乱暴なエッセイを書く機会を与えてくださった「さくらんぼ」さんと,素敵なレイアウトでネット作業を担当してくださった方に感謝です。また短い間ですが,御愛読くださった方にも感謝申し上げます。
 弘文堂関係では,いよいよ『雇用社会の25の疑問』の改訂作業が始まりますので,頑張っていきたいと思います。

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