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2017年2月 2日 (木)

A級順位戦第9局

 Google の最高裁判決は,AIの問題とも関係してくるので,また後日コメントをしてみようと思っていますが,個人的により大きな関心は将棋です(平和ですね)。少し前のこのブログで,「次の第9局で佐藤九段が深浦九段に勝ち,森内九段が屋敷九段に勝てば,最終局は血みどろの戦いになる可能性がありますね。このとき,もし第9局で,稲葉八段が渡辺竜王に負けて,広瀬八段が行方八段に勝っていれば,最終局は,降級にかかわる3人が,全員,挑戦にかかわる3人と対局することになり,近年まれにみるドラマティックな「将棋界のいちばん長い日」になる可能性があります。」と書いていたのですが,ほんとうにそういうことになりました。驚きです。稲葉陽八段は,渡辺明竜王と激戦でしたが,右玉戦法を採用した渡辺竜王が稲葉八段の猛攻を耐え抜き160手で勝利。負けると降級の可能性が高まる佐藤康光九段は,途中,捨て身の銀捨てなどをするなど鬼手を放ち,それでも必敗の情勢でしたが,大逆転で深浦康市九段に勝ち,最終戦に期待を残しました。こちらは179手です。27手目に指していた1五歩が最後に佐藤玉の逃げ場を作り勝ちをもたらしました。やはり端歩は受けよ,ですね。森内俊之九段は,佐藤九段の結果次第ではまだ降級の可能性があるなか,なんとゴキゲン中飛車を採用しました。私はこの単純な戦法はよく理解できていないのですが,どうも森内九段が終始有利な展開だったようで快勝し,最終戦に残留の可能性を残しました。
  広瀬章人八段は,先日のNHK杯で,永瀬拓也六段に敗れていて心配していましたが,この勝負は行方尚史八段に勝って,三浦弘行九段戦に不戦勝であった羽生善治三冠とともに,プレーオフ進出の可能性を残しました。
 稲葉八段は,最終戦で森内九段に勝てば,挑戦確定。負けると,羽生三冠と広瀬八段がともに負けないかぎりプレーオフ。逆に羽生三冠と広瀬八段は,それぞれ勝って,稲葉八段が負ければプレーオフということです。最大3人のプレーオフの可能性があります。3人のプレーオフになると順位が上の羽生三冠が有利になります。
 それで気になる相手ですが,羽生三冠は屋敷九段,広瀬八段は佐藤康光九段なのです。最終局は渡辺・行方戦以外は,すべて挑戦か降級にかかわる対局となります。屋敷九段は羽生三冠を大の苦手にしていて,たしか17連敗くらいしていたと思います(プロの世界でこれだけの連敗は普通考えられないことです)。名人経験者の森内九段と佐藤九段は,挑戦権をかける若手を相手に底力を出す可能性もあり,現時点では実は屋敷九段が降級候補の筆頭かもしれません。終わってみれば,羽生が挑戦で,森内,佐藤が残留という羽生世代の強さが目立ったということになる可能性もありそうです。最終局(将棋界のいちばん長い日)は2月25日です。
 将棋界はAIの問題などで騒がれていますが,この星取り表と激戦の人間ドラマをみているだけで,ファンは十分に楽しむことができます。

 

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