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2016年12月28日 (水)

副業がこれほど話題になるとは?

 12月26日の日経新聞の朝刊の第1面で,「正社員の副業後押し」という見出しの記事が大きく出ていましたね。いま中小企業庁で兼業・副業に関する研究会をやっていて,私もそれに参加しているのですが,たぶんもう研究会の検討結果がどうなろうと,結論は決まっているという感じで,それだったら私がいる意味がないのでは,という気にもなってきました。最近は,やる気がなくなると,とたんに堪え性がなくなるので,自分が心配です。
 ちょうど26日の午後に,この兼業・副業に関する研究会の会合があったので,WEBで参加しました。そこで何か新聞記事について説明があるかなと思ったのですが何もなく,1時間の会議で時間が限られており,WEBだと空気が読めないこともあったので,その点について質問をするのはやめました。
 新聞記事によると,副業の後押しは3段階でやるそうです。第1段階は,就業規則レベルで副業の原則解禁,第2段階は,社会保険料負担のあり方などを示した政府指針(ガイドライン)を来年度以降につくる方向ということで,第3段階は,人材育成のあり方を改革,となっていました。
 原則解禁というのは記者が使った言葉でしょうが,解禁といっても,別に法律で禁止されているわけではないので,「解禁」という言い方は少しおかしいですね。また第3段階となると,副業とあまり関係ない気がします。
 副業と人材育成との関係は,相当に説明しなければ結びついてこないので,中小企業庁のどなたかが新聞記者に話しているのでしょうが,あまり軽々しく言わないほうがいいと思います。記者に書かせるのならしっかり書かせる,半端に書かせるのなら黙っておけ,という気がします。役所が余計なことを言って,政策の方向性がねじれていくことは困るのです。それにしても日経新聞は経産省と仲良しのようですね。
 その日の午後は,ちょうど神戸労働法研究会があり,河野尚子さんに,兼業・副業をめぐる法的問題について報告をしてもらいました。これまで労働法学からみて,副業の問題というのは,あまり面白い論点はなかったと思いますが,パラレルキャリア論とか,自営的就労とか,日本型雇用システムの変容とか,そういう広い視点でみていくと面白いですよね。私もWedgeやWorksからの取材では,そういう視点で話しましたし,『勤勉は美徳か』(光文社新書)でも,同様の視点でパラレルキャリアのことを扱っています。
 比較法的観点もふまえた,法的なしっかりした議論は河野さんの論文にゆだねることとしますが,とにかく来年は副業は今年以上にホットイシューになるかもしれません。
 研究会終了後は,恒例の忘年会でした。今年は六甲一(おそらく神戸でも有数)の中華の名店「アムアムホウ」でやりました(以前に高校時代の同窓生とも行って,このブログ[中断前のもの]でも紹介しています)。私はよく行っている店ですが,いつもと同様パーフェクトな味でした。予約はなかなかできませんが,六甲に来られたら,ぜひ足を運んでみてください。

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