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2016年12月23日 (金)

谷川光速の寄せ炸裂

 順位戦B級1組で,谷川浩司九段は郷田真隆王将,糸谷哲郎八段に勝ったとはいえ,まだ安心できない3勝5敗という星勘定のなか,昨日は,強敵の豊島将之七段との対戦でした。過去の対戦成績は1勝7敗で勝負になっていません。順位戦でも昨年敗れています。今年も豊島七段は好調で,JT杯(日本シリーズ)では,渡辺明竜王や佐藤天彦名人に勝って優勝しています。ということで豊島勝ちと誰もが予想していたでしょうが,なんと谷川九段の快勝でした。私も指すような序盤の展開後,豊島七段が角を打って馬をつくり,谷川陣の飛車を追いますが,タダでとれる6三銀打ちあたりから谷川九段の猛攻が始まり,最後は1一に華麗に龍を捨てて豊島七段を投了に追い込みました。これで4勝5敗となり,残留の可能性が見えてきました。まだ3戦ありますので,油断はできませんが。
 豊島七段は敗れて5勝4敗となり,A級昇級候補1番手だったのですが,残念ながらほぼ脱落ですね。どうも豊島七段は,ここというときに勝てないですね。
 トップを走っていた久保利明九段は,糸谷八段との壮絶な戦いの末に敗れて,6勝3敗。糸谷八段は5勝4敗。トップを併走していた山崎隆之八段は松尾歩八段に勝って7勝2敗で単独トップに。松尾八段は5勝5敗。阿久津主税八段は飯島栄治七段に勝って6勝3敗。飯島七段は3勝6敗。木村一基八段は畠山鎮七段に勝って7勝3敗。畠山七段は3勝7敗。
今回ハッシーは休み。竜王戦を戦っている丸山忠久九段と郷田王将の対局は後日です。丸山八段と郷田王将は現在最下位を争っていて,負けると降級の可能性が広がる重要な一戦となっています。
 それにしても今期のB級1組は,永世名人の谷川九段,元名人で竜王戦挑戦者にもなった丸山九段,現役の王将の郷田九段,その王将戦の挑戦者である久保九段,王位戦の挑戦者だった木村八段,王座戦の挑戦者だった糸谷八段,それに初代叡王の山崎八段,JT杯優勝者の豊島七段と,タイトルホルダーやタイトル挑戦者がそろっていて,これに天彦名人,渡辺竜王,羽生善治三冠を入れると,今年の最強リーグとなりそうなメンバーです。まさにA級以上がそろっていています。谷川九段も著書で,A級とB級1組とでは実力的には変わらないという趣旨のことを言っておられたと思います。
 昇級候補は,山崎八段,久保九段,木村八段,それに阿久津八段にも可能性が出てきました。山崎八段は念願のA級昇級となりますでしょうか。残りの3人はA級復帰がかかっています。
 ところで丸山九段が戦っていた竜王戦も昨日終わり,渡辺竜王の防衛となりました。最終局までもつれこんで丸山九段にとって大チャンスが到来したのですが,渡辺竜王が最後は貫禄をみせました。後手の丸山九段は棒銀で9筋を突破し,龍も馬もできて渡辺玉に迫っていきましたが,渡辺竜王の頑強な受けの前に次第に形勢は逆転し,最後は渡辺竜王が攻め勝ちました。終わってみれば渡辺竜王の圧勝でしたね。
 三浦問題でケチがついてしまった竜王戦ですが,結果としてかなり盛り上がったのではないでしょうか。
 その竜王戦は第29期が終わり,すでに第30期のトーナメントが始まっています。その6組に明日,最年少でプロになった藤井聡太新四段が,それまでの最年少記録をもっていた加藤一二三九段と対戦します(そのように対戦を仕組んだかのような偶然ですね)。14歳の中学生プロは,加藤九段以外に,谷川九段,羽生三冠,渡辺竜王しかこれまでいません。藤井四段にも輝かしい未来が約束されているようですが,まずは初戦,どんな勝負となりましょうか。普通は若いほうが勝つのですが,加藤九段のベテランの意地が出るでしょうか。

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