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2016年10月 4日 (火)

和田竜『村上海賊の娘』

 和田竜『村上海賊の娘(1)~(4)』(新潮文庫)を読みました。村上水軍というのは,戦国物,とりわけ瀬戸内海の毛利や黒田などの話が好きな私にとって,とても関心が高いものでした。単行本で話題になっていたときから買いたいと思っていましたが,ぐっと我慢して文庫本化を待って購入しました。
 主人公は景(きょう)という架空の女性です。悍婦にして醜女というさんざんな言われ方です(なぜか泉州ではモテまくります)。私は,この女性はバタ臭い顔(イメージとしては,道端アンジェリカ)だったと勝手に想像しています。だから南蛮からの渡来人も多かったであろう泉州ではモテたという想像です。
 それはともかく,村上海賊の頭領の武吉の娘の景が,信長の兵糧攻めで窮地に陥った本願寺からの救援申請に逡巡する毛利家(とくに小早川隆景)と村上武吉を横目に,敢然と救援に立ち向かい,そこで泉州の海賊の真鍋家の七五三兵衛(しめのひょうえ)と出会います。彼と景との出会い,訣別,戦い,友情などが,本書の基本にある筋ですが,最後に大決闘となり劇的な幕切れとなります。
 第一次木津川口の合戦がテーマで,信長,雑賀衆,真鍋海賊,毛利一族や家臣たち,そして村上海賊が入り乱れる一大エンターテイメントです。最初はちょっと退屈だったのですが,景が泉州にわたってからの話はとても面白かったです。とくに景がいったんは男の戦いの世界に軽々しく入ったことを反省して故郷に戻り女らしい生活に戻りながら,しかしやはり彼女をまつ本願寺の門徒たちのことを思い,ふたたび戦いの場に戻ったときからは圧巻です。女性が戦場に出たことにより「鬼手」が出たのです。詳しくは,本を読んで楽しんでください。
 この著者の作品は,  『忍びの国』も,『のぼうの城』も面白かったです。次の作品も楽しみです。  ★★★★(他の歴史ものにはない独特の味わいです)

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