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2016年9月18日 (日)

蓮見重彦『伯爵夫人』

   蓮実重彦『伯爵夫人』(新潮社)を読みました。放送禁止用語が飛び交うことに驚くこの東大元総長の本(三島由紀夫賞受賞。本の中に出てくる平岡は三島のことでしょうか)に,的確なコメントをする自信はありませんが,とにかく本書は,太平洋戦争前夜,東京帝大の法科受験を目前に控える映画好きの青年の二郎と,伯爵夫人と呼ばれている「高級娼婦(?)」とが登場する話です。  映画のシーンが次々と流れていくような本ですが,個人的には,戦時中の高級娼婦がさまざまな「大物」たちと繰り広げたセックスという名の戦争に興味を惹かれました。  戦争といえば男たちの戦記の歴史しか残りませんが,女性たちも戦争をしていたのです。二郎の母であろう伯爵婦人の壮絶な人生,人間の性をここまで赤裸々にとらえ(露骨な男性器と女性器の描写が本書の特徴です),戦争という殺し合いの世界と対比させて描く本書は,味わいが深いところです。古き昭和の時代の香りがするのもいいです。  蓮見氏がなぜ本書を書いたのかよくわかりませんが,ただ個人的には蓮見氏がモデルであるような二郎の「魔羅」がどのようなものであるかに関心をもってしまいました。

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