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2016年7月23日 (土)

ジャーナリストの資質

 鳥越俊太郎氏の週刊文春の記事がほんとうかどうかはよくわかりませんし,記事を読む気もしませんが,鳥越氏が,すぐに記事内容について告訴して,その後の対応は弁護士に任せるので,直接の取材にはお答えしませんと対応したことには違和感を覚えた人が多いのではないでしょうか。
 女性スキャンダルで政治家の資格がなくなるとまでは思えませんが,候補者としては,そう居直るのはちょっとリスキーでしょう。ただ裁判をするから答えないというのは,訴えられている側が言うのはともかく,訴えている側が言うのはちょっと変です(訴えられているほうなら,黙秘権(憲法38条1項を参照)がありますしね)。ひょっとして自分は文春を通して被害者から訴えられたから,それに黙秘権を行使したのだということかもしれません。ただ,まったく根も葉もないことだとすると,自分の口で直接反論したいと考えるのが普通でしょう。ましてやジャーナリストなら当然そうなりそうなものです
 すぐに撤回しましたが,政治的な力が働いている,という趣旨のことを口走ったのにもびっくりしました。業界にいた人ですからね。彼自身も政治的な力を受けて記事を書いたことがあるのでしょうか。
 とはいえ,文春のほうも,他人の下半身ネタをひっぱりだして明るみにし,社会的な制裁を浴びせるようけしかけるというのは,ちょっとやりすぎではないかとも思います。他人の恋愛のことは,当事者とその配偶者の問題であって,ほおっておくというのが大人の対応だと思います。ただ文春の言い分は,そのレベルを超えて知事の資質が問われる事件だったということかもしれませんが(それでもベッキーのほうの報道はやりすぎです)。
 それにしても,これが当選後の報道であれば,また再選挙というような悪夢も起こりえました。途中交代が続いている都知事の特殊状況を考慮すると,このタイミングの報道はある意味で公益にかなっており,鳥越氏はほんとうに事実無根ならとっととそれを説明して,選挙戦に集中すればいいのです。鳥越側には選挙妨害と思えているでしょうが,選挙に勝てば有権者の審判は受けたと胸をはれるので,鳥越氏にとっても,この危機はうまく利用できる可能性があるのです。
 鳥越氏個人のことはどうでもいいのですが,著名なジャーナリストが,自分に都合の悪い言論については,自分で反論せずに裁判沙汰にするという行動は,ジャーナリストって,もっと身体をはって言論を大切にする存在だと思っていた人にとっては,とても失望したことではないでしょうか。

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