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2016年7月27日 (水)

労働政策審議会はどうあるべきか

 昨日は東京出張で,厚生労働省に5時間以上もいました。厚生労働省とは,もともとあまり仲よくはないのですが,最近はあの建物に行く機会が増えてきましたね。

 今日は,まず中央大学の佐藤博樹さん座長の「今後の雇用政策の実施に向けた現状分析に関する調査研究会」(三菱UFJリサーチ&コンサルティング)という厚生労働省の委託研究の初回会合に参加してきました。研究会の名称からはわかりにくいのですが,AIの話もやるということのようなので,自分の勉強のためにも参加を決めました。今回は,5月に内閣府の「人工知能と人間社会」の懇談会に提出した資料について,内閣府の会議ではその内容についてのきちんとしたプレゼン機会がなかったので,こちらの研究会でプレゼンしてきました。これからヒアリングなどをして,調査結果をまとめていくと思います。委託元の厚生労働省の職業安定局にも刺激を与えるような報告書にできればいいと思います。佐藤さんとは久しぶりですが,気心もしれているので,一緒に調査研究できることを楽しみにしています。

 もう1件は,もう少し緊張感が高いもので,塩崎大臣肝いりの「働き方に関する政策決定プロセス有識者会議」です。こちらも初回会合でした。大臣も1時間くらい座っておられました(次の内閣改造で留任されるのでしょうかね)。労政審のあり方を見なおすという恐ろしいプロジェクトで,最初は引き受けるのを渋ったのですが,説得されてしまいました。ただ,その説得をした役人は異動ということで,ちょっと嵌められた感はあるのですが……。

 参加する以上は,言いたいことは言うというのが私のポリシーですが,そもそもこのテーマでは,2008年に日本労働研究雑誌579号に一橋大学の神林龍さんと論文を書いており(「労働政策の決定過程は. どうあるべきか. 審議会方式の正統性についての一試論」),私も一家言もっています。労政審を通じた立法や三者構成についての私の立場はニュートラルですが,現在の仕組みには問題が大ありで,それについての改善展望が開かれなければ,三者構成の見なおし論もあるかなと思っています。今日の段階では,三者構成を維持し,かつコーポラティズム的な労働立法や政策決定を維持できるかどうかは,審議会に登場する労働者代表が労働者全体の多様な意見を集約して,労働者の立場をしっかりまとめあげることができるかにかかっているのでは,という趣旨の発言をしてきました。たんに多様な意見を反映させるために,多くの代表者で構成すればいいということではなく,個別的利害をこえた大局的な視野で労働者を代表できる人を集めて,実のある交渉や協議ができる場にすべきだというのが,私の考えです。若者代表を入れろというような意見もありまいたが,そうした代表の分散化は,結局,三者構成否定論につながるというのが私の認識です。他方で,昨日は少ししか話せませんでしたが,もう一つ重要なのは,審議会で扱う論点やテーマの選択について,その質を上げることです。今日の経済や産業の大きな転換を見据えたテーマ設定がとても大切であり,そういうことができるような審議会でなければ,常に規制改革会議などの外からの圧力を受け続けることになると思っています。

 公開の会議なので,そのうち,みなさんの目にも議事内容はふれることになるでしょう。

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