« Web会議 | トップページ | テレワークシンポジウム »

2021年3月26日 (金)

選択的夫婦別姓

 選択的夫婦別姓の反対論には,日本の伝統的な家制度が崩壊するという理由がよく出てくるのですが,伝統的な家制度とは何か,ほんとうに選択的夫婦別姓を導入するとそれが崩壊するのかは,よくわかりません。農民は江戸時代までは苗字をもっていなかった(異論もあるようですが)ので,姓にこだわるのは武家の伝統でしかありません。
 夫婦同姓論者の気持ちも心情的にはわからないではないのですが,私は他人の夫婦が別姓であることは全くかまわないし,「選択的」ということで,同姓か別姓を選べるというのであれば,みんながハッピーになると思っています。これは安易な考えなのでしょうかね。同姓を前提としている様々な制度や慣行を見直すのは面倒かもしれませんが,それを理由として反対するわけにもいかないでしょう。行政面についても,マイナンバーカードで個人ごとに管理するようになっていくと,姓の意味がなくなっていくことでしょう。
 何よりも結婚や離婚するたびに姓を変えなければならないのは不便であり,日本では実際には女性がその被害を受けているので,これは女性の問題といえます。事実上の不都合とはいえ,男性と女性が平等に不便を受けていないという状況は看過すべきではないでしょう。旧姓の通称使用を認めればよいという考えもありますし,それを貫徹できるのなら,たしかに不便さは軽減するでしょうが,そうまでするのなら,なぜ戸籍だけ同姓にこだわる必要があるのかという疑問も出てきそうです。離婚しても,離婚前の夫の姓を名乗り続ける人もいますが,面倒なことがなければ,元に戻したいのではないでしょうか。生まれてきた女の子の名前を考えるとき,「結婚したら姓が変わるからなあ」なんていうのを考える時代は早く終わったほうがよいです。
 現在,家族のあり方は急速に変化してきています。率直にいえば,昭和中期世代の私としては,ついていくのが大変なのですが,それでも個人の選択肢を広げることには,基本的には賛成すべきと考えています。夫婦同姓を定める民法750条は,いつまでも存続させるべきではないでしょう。個人的には,自分の娘には,本人がいやでなければ,生まれたときの姓を名乗り続けてほしいと思っているので,そういうことができる法制度や社会になればよいなと思っています。

« Web会議 | トップページ | テレワークシンポジウム »

法律」カテゴリの記事