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2021年2月 4日 (木)

大学は変わる?

 昨日のブログの続きですが,学生から聞いた話ですが,学生が一番困るのは,1日のなかでオンライン授業と対面型の授業が混在する場合だそうです。1時間目がオンラインでも,2時間目に対面型の授業が入っていて,通学にある程度の時間がかかる場合には,結局,1時間目のオンライン授業は,大学で聞かざるを得なくなります。そうしないと2時間目の対面型の授業に出席できないからです。家でオンライン授業を聞けない状況にあるわけでもないのに,大学に行ってオンライン授業を受けなければならないのは馬鹿げたことです。
 下宿をしている学生はオンライン授業が中心であると決まれば,下宿を解約して実家に戻って授業を聞きたいと思うでしょう。下宿代がもったいないからです。でも,ときどき対面型がはさまると,そうはできなくなります(一つの授業科目でも,数回はオンライン,数回は対面というミックス型があるようです)。対面型の授業をやる時期を固めてくれると,そのときだけ大学近くのウイークリーマンションを借りて授業に出席できるのに,という声もありました。
 学生にとってできるだけ良い環境で勉強してもらうという学生ファーストを徹底するならば,学生がどこにいても授業を聴けるようにすべきです。オンデマンド型はそういうものですが,リアルタイム型でも,例えば大学に来たい人は教室で授業を聴き,オンラインで聴きたい人は好きなところで聴き,ついでに教師のほうも自宅からオンラインでつないだり,教室でカメラをつかいながらオンラインでも聞けるように授業をしたりするというパターンが考えられます。
 すべての授業をオンデマンドにしろ,リアルタイム型にしろ,オンラインで受講できるようになれば,全国どこからでも授業に参加できるようになります。そのようななかで神戸大学が選ばれるとするならば,神戸が環境がよいとか,そういう要素はなくなり,純粋に授業内容や教員のクオリティで勝負せざるを得ないことになるでしょう。大学の教員はHPをもって発信している人も多いので,どういう研究をして,どういう活動をしているかが,かなりわかります。授業についても,大学のHPで,かなりのことがわかります。そういうものをみながら大学選びをすることになるのでしょう。当面は,卒業生の就職先もポイントになるかもしれません。良い就職先に行ける大学は,良い教育をしてくれるとみて学生が集まるでしょう。こうした情報が十分に発信できていない大学は,学生から敬遠されることでしょう。もっとも今後は,雇用社会そのものが大変革するので,過去の実績はあまり当てにならないかもしれません。むしろ大学が,これからのデジタル技術社会でやっていけるような能力をどのように学生に身につけてもらうかを,明確にアピールしていくことが大切かもしれません。そのような自覚をもった教員を多く抱え,それを学生にうまくアピールし,そして結果を出していく大学が残っていくのでしょうね。
 イタリア語では,大学はUniversità di studi (英語にすれば,University of studies)といいますが,これは勉学の団体・組織(universitàは,一つに向けられた,というようなニュアンスでしょうかね)ということです。中世イタリアのBologna大学は,学生のギルドから発展したものでした。学生が主体となって教師を雇い,出来の悪い教師をクビにしたりしていたと言われています。これからの時代は,ひょっとすると,こういうことになるのかもしれません。私たちは講演に呼んでもらうとき,その団体・組織が私の話を聞きたいから呼ばれているわけです。大学教員も,学生達の組織(これこそがほんとうのuniversitàなのです)から,あの教員の講義を受けたいと選んでもらえなければ,稼げないという時代が来るかもしれません。オンライン時代には,こんなことが現実味を帯びてくるような気がしています。

 

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