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2021年2月25日 (木)

テレワークを進めるために

 今朝の日本経済新聞で,「政府が緊急事態宣言下の1月に調査した中央省庁のテレワーク実施率の結果が分かった。112省庁全体で6割程度となり,前回宣言時の昨年4月の調査と同水準だった」という記事が出ていました。国民には7割減を呼びかけているのですから,もう少し頑張ってもらわなければ困ります。7割減など無理だと言っている経営者が多いなかで,中央官庁は模範を示すためにも,その上をいく数字を出してほしいものです。
 いつも言っていることですが,業務の体制を根本的に変えなければ,テレワークは無理なのです。対面で議員レクをやっているようでは,官僚の仕事は減りません。いまやっている業務のすべてについて根本的な見直しをして,デジタル化できるものはデジタル化するということを徹底しなければいけません。どうすればデジタル化して,時間を短縮しながらも同じパフォーマンスを上げることができるかを考えなければならないのです。これをやるためには,上の人のリーダーシップが必要です。首相はいまはそれどころではないので,河野大臣に頑張ってもらわざるを得ませんね。
 とくに問題なのは,厚生労働省のテレワーク率が3割であることです。厚生労働省は,コロナ禍でただでさえ業務が多く,おまけにトラブルも多いなど,仕事がどうしても増える状況にあります。だからこそ,効率的に仕事をして,見本を示すチャンスともいえるのです。テレワーク率が3割ということは,それだけ対面型の業務が多く,おそらく長時間労働なのでしょう。そうなると,ワーク・ライフ・バランスも損なわれていることでしょう。気の毒だとは思いますが,このブラックさを自分たちで改善できないのなら,厚生労働省は労働政策を担当する資格はないと思います。
 労働政策は,いま根本的な転換を要する状況にありますが,多忙な毎日のなかでは,新しい発想で物事を考えて,新たな政策を立案していくような知的余裕はなかなか生まれないでしょう。もちろん私のいろいろやっている提案なんてものも,まったく読んでいないことでしょう。それは仕方ないとはいえ,せっかく日本の優秀な人材を集めているのに,その能力が十分に活用されていないように思えるのは残念です。
 私は,テレワークは,地域社会への回帰を生み,国民が政治に関心を高めるきっかけとなると考えています。これまで選挙では存在感が小さかった会社員たちの票が重きをもつようになり,新たなタイプの政治家が選ばれるようになり,官僚も本来の仕事に専念できるようになり(テレワークもできるようになり),それによって生み出された成果が国民に還元されていくという好循環が起きるのではないかと期待しています。前に連載していたWebあかしでも,テレワークと政治のことは書きましたが,いま執筆中のテレワークの本でも,この論点はしっかりとりあげるつもりです。

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