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2021年2月 2日 (火)

後期の授業終了

 今日で後期の授業が終了しました。今日は学部の1年生相手の少人数授業で,定員は20人だったのですが4人しか来ず,不人気ぶりに情けなくなります(学生にすれば,おじいさんの授業など聞きたくないということでしょうかね)が,逆に来てくれた4人(全員女子学生)は,とてもいとおしくなりました。授業は,これから法学の勉強をするうえで必要な基礎能力を高めるということで,テーマは比較的広く設定できるものなので,私の場合は,昨年刊行した『デジタル変革後の「労働」と「法」』(日本法令)を素材に,同書の内容を章ごとに,私がレクチャーをして,その後で学生と議論するということを繰り返し,さらに学生はその議論から着想を得たテーマで最後に一人ずつプレゼンをして討論するという授業にしました。自分で言うのも憚られますが,この授業に出た学生は,おそらく人生観が変わったと思います。デジタル技術の影響について,最初は懐疑的な感じでしたが,最後のほうではそれを受け止めて,どのような法政策が必要か,自分はどうしていかなければならないか,というようなことについてきちんと自分の考えを言えるようになっていました。10月からの4か月で週に1回の授業ですが,家庭教師に近いようなものですので,濃密でした。ほんとうはもっと多くの学生に聞いてもらいたかったのですが,超少人数授業も悪くありません。学生の質問に丁寧に答えることができます(しばしば私が話しすぎるのが問題ですが)。
 学生にとってのオンライン授業の有用性は,まったく揺るぎないもののようです。学生の発言のなかでも,「オンライン授業は効果があるが……」という言い方が当たり前で,当然の前提となっており,むしろなぜ効果があるか,効果がないとすればどういう場合か,そしてなぜもっと普及しないのか,という問題設定のほうに向かっているようでした。私のオンライン授業は,リアルタイム型で,Zoomを使ってビデオオンでやっていましたが,いわゆる大講義的な授業ではオンデマンド型もされており,これも学生から好評でした。自分が好きなときに,何度も聞き直すことができて,とても勉強しやすいということがその理由です。ただオンデマンド型だと,自分のペースでやらなければならないので,ついつい怠けてしまうという意見もありました。オンデマンド型は,自分でしっかり勉強のペースをコントロールできる学生にとっては,きわめて効果的なのでしょうが,逆に教室に無理にでもやってきて先生の声を聞かなければ,なかなか勉強する気にならないというタイプの学生(これが普通かもしれませんが)には効果が低いのかもしれません。ただ今後は,文科省の意向とは異なり,大学では(実験系など一部のものを除くと)リモート教育がメインになるのは確実で(そうでなければ日本の高等教育は沈没します),むしろオンデマンド型とリアルタイム・オンライン型をどう組み合わせていくかが重要になると思います。オンデマンド型が広がると,最終的には,大学という枠組みを超えてしまう可能性もあります。
 ところで,4人の学生がプレゼンのテーマに選んだのは,「遠隔授業」「テレワーク」「プロファイリング」「転職と雇用安定の両立」というものでした。どれもデジタル技術の時代の社会問題に切り込んでいく見事な内容でした。政府に直接提言してもらいたいくらいでした。個人的には手応えがあったので,来年度も同じスタイルの少人数授業を担当する予定です。できればオンライン・リアルタイム型で,よりブラッシュアップした授業をできればと思っています。

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