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2021年1月 9日 (土)

なぜテレワークは増えないのか

 一都3県で緊急事態宣言が再び出されました。私がいる兵庫県や近隣の大阪府や京都府もそのうち対象となるでしょう。菅首相は,「テレワークにより出勤者を7割減」と呼びかけているようです。しかし,その後も東京の朝の出勤状況にあまり変化はなかったという報道がありました。 
 政府は,テレワークとは,会社員が自宅で仕事をすることとしか考えていないのかもしれません。確かに,現在,政府が求めていることは,そういうことです。しかし,ここでほんとうに大切なことは,リモートでできる仕事は,リモートでやろうという呼びかけのはずなのです。リモートでどうしてもできない仕事をテレワークでやれと言われても,それは無理なことです。政府は,リモートでできる仕事は,リモートでやってほしいし,リモートでできる業務体制をできるだけ工夫してつくりだし,リモートでできる仕事を増やしてほしい,という呼びかけをすべきなのです。それが,政府がやろうとしているデジタル化ということとも,ぴったり符合してくるのです。どうせ,デジタル化・リモート化は本格的に必要となるので,これを機にやるべきなのです。
 政府のもう一つの問題は,リモートでできる仕事はリモートでやるということが問題の本質であることがわからず,単純にテレワークは会社員の問題だと思ってしまっているので,政府自身がリモートでできる仕事を対面でやる姿を世間にさらしてしまっていることです。なぜ首相は,すしざんまいの社長と官邸で会っているのでしょうか。なぜリモート・ミーティングにしなかったのでしょうか。直接会ったほうが,話がよく聞けるということかもしれませんが,それを言い出したら,企業はこれまで社員に対面で仕事をさせてきたので,テレワークよりも対面のほうが生産性が高いから,テレワークはできないと言い出したときに反論できないでしょう。
 専門家会議なるものも同じです。記者会見も同じです。テレビで映っているいろいろな場面で,対面で仕事をしている風景ばかり出てくるなかで,国民にテレワークを呼びかけても響かないです(しかも,首相の呼びかけの言葉にも,パンチがありませんし)。テレビに出てくる人や専門家と呼ばれる人たちが,リモートでやれることはリモートでやるということを実践してこそ,テレワークの呼びかけにも説得力が出てくるのです。テレビ会議は不自由でも感染リスクのほうが大きいので,やむを得ないということを示すべきなのです。それに,実は慣れてしまえばリモート会議は全然不自由ではありません。非言語的なコミュニケーションを重視したい人は違うでしょうが,首相が民間人に会ったり,専門家の会議を開いたり,記者会見を開いたりというのは,言語によるコミュニケーションの場であり,それはオンラインでできるのです。
 感染を恐れている人の多くはすでに自発的に行動抑制をしています。意識の高い企業もテレワークを導入しています。政府が呼びかけなければならないのは,自発的には行動抑制をしない人やテレワークを導入しようとしない企業に対してです。どうしたら,そういう人や企業の行動を変えられるのか,よく考えてもらいたいです。自分たちは対面型で仕事をしながら,テレワーク7割という半端な数値目標を立てて呼びかけても,大きな変化は生じないでしょう。
 河野太郎行革大臣が議員宿舎からオンライン記者会見をしたのは,正しいことです。ただ,これは本来,当たり前のことなのです。これがニュースになるようでは困るのです。

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