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2021年1月12日 (火)

東京オリンピックの撤退戦略

 東京オリンピックは開催できないだろうと多くの人は思っているでしょう。東京でコロナ感染者が増えていて,全国に広がりつつあり,いつ終息するか先がまったくみえないなかで,半年後に迫る東京オリンピックの開催中止を考えていないという大会組織委員会の立場には首をかしげざるを得ません。組織委員会としては,実施に前向きな立場をとらざるをえないのかもしれませんが,もし撤退戦略を考えていないとすれば,それは無謀なことです。朝日新聞の電子版で,東京五輪「24年に延期すべきだ」 英国の金メダリスト - 一般スポーツ,テニス,バスケット,ラグビー,アメフット,格闘技,陸上:朝日新聞デジタル (asahi.com)という記事がでていましたが,少なくともこうしたプランは考えておく必要があるでしょう(どこまで現実性があるのかはわかりませんが)。
 私たちは撤退戦略が苦手な国民かもしれませんが,撤退しても,ただでは転ばないという,したたかさが欲しいところです。
 オリンピック憲章には,「オリンピズムの目的は,人間の尊厳の保持に重きを置く平和な社会の推進を目指すために,人類の調和のとれた発展にスポーツを役立てることである」とあります(JOC - オリンピズム | オリンピック憲章 )。オリンピックはスポーツの祭典ではありますが,スポーツは,「人間の尊厳の保持に重きを置く平和な社会の推進を目指す」という目的のための手段にすぎません。東京オリンピックは開催されなくても,オリンピズムの目的のために何ができるかを考えて,新たなオリンピック像を提示できれば,日本・東京は,世界において強烈なアピールができることになるでしょう。危機はチャンスでもあるのです。競技会を開かなくても,オリンピック憲章の目的を実現でき,そこにうまくスポーツを関与させられるような斬新なアイデアが欲しいところです。組織委員会のおじさんたちでは無理なので,若者の柔軟な発想に期待したいものです。
 世界中でコロナにより多くの人が亡くなっているなかで,半年後にスポーツの祭典を開くということをまだ検討していることが,いかに異常なことであるかを,関係者たちはしっかり自覚してもらいたいです。かりに経済的なことだけで議論をしても,もし東京オリンピックを強行開催しようとするのなら,どれだけの経済効果があるのかをしっかり国民に説明すべきでしょう。コロナ禍で財政は悪化し,今後の大増税も予想されるなか,無駄になるかもしれない出費をする余裕などないはずです。すでに使ってしまった費用はもう戻ってこないので忘れたほうがよいのです(経済学でいうサンクコストの議論)。中止にしろ延期にしろアスリートには気の毒ですし,個人的にも残念ですが,オリンピックはアスリートだけのものではなく,そもそもは人類のためのものである以上,我慢してもらうしかないように思います。

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