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2020年9月21日 (月)

アメリカの最高裁判事

 アメリカ連邦裁のGinsburg判事が死去しました。ご冥福をお祈りします。体調が厳しい状況であることは数年前から知られていましたが,彼女が亡くなるとリベラル派がまた一人減り,Trumpが最高裁判事を指名すると(上院の承認は必要),保守派がいっそう増えることになるので,彼女は自分は死ぬことができないと頑張ってきたのでしょう。しかし,ついに力尽きました。アメリカの連邦最高裁の判事は保守とリベラルが明確に分かれていて,とくに国論を二分するような重要イシューでの違憲・合憲判決は,政治的にも大きな影響があるので,最高裁判事に誰が指名されるのかはアメリカ国民の大きな関心事です。Trump はすでに保守派の最高裁判事を2名指名しています。いずれも50歳代です。アメリカの最高裁判事は終身制ですので,若い判事を選ぶと,その在任期間が長くなる可能性が高くなります。いまは大統領選挙の前ですので,最高裁判事の指名は,次の大統領に任せるか,再選後指名するというのが良識的な対応のような気がしますが,Trumpはそういう行動をとらないでしょうね。
 日本では,国民が最高裁判事を罷免させることができます。「最高裁判所裁判官国民審査」制度です。罷免したい判事の名前の上に×をつけ,その数が上回れば,罷免されます。ちなみに行動経済学的にはデフォルトの設定が重要で,罷免したくない判事に○をつけるということにすれば,たいへんなことになるでしょうね。衆議院選挙の総選挙と同時に行われますが,国会議員の選挙と同じようなノリで国民審査はしてもらいたくないですね。国民審査の意義を高めるためには,最高裁判事にどういう人が選ばれて,どういう判決を出していて,とくに少数意見や補足意見などを書いたときに,その内容を紹介するといったことが,もっと行われてもいいと思います。これはおそらくジャーナリストのなかに法律に詳しい人が圧倒的に少なく,国民にわかりやすい情報を伝えることができていないことも関係しているように思います。
 ところで,昨年812日のこのブログで「Bidenは大統領になれるか」というタイトルの記事を書きました。Bidenが大統領になる道の険しさを書いていたのですが,いろいろあったものの,結局,Bidenが民主党の指名候補になりました。ライバル候補がレフトすぎて,これではTrumpに勝てないと判断されたのかもしれませんね。民主党は中道の適齢の人材が不足していた気がします。
 どちらが大統領になるかわかりませんが,政敵を公然と徹底的に攻撃するというTrumpのやり方は非常に不快であり,子どもの教育にも良くないし,その理由だけでも表舞台から去ってもらいたいです。しかし,そんなTrumpもBidenといい勝負で,再選の可能性があるというのは,いかにリベラル嫌いのアメリカ人が多いのかということも示していますね。Obama時代の政治には,光もあったでしょうが,陰もあったので,それに戻りたくないという人がかなりいるのでしょうね。日本人にとっても,アメリカの大統領が誰になるかは極めて大きな問題です。投票権はないですが,アメリカ人よ,良く考えた選択をしてくれ,と願っています。

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