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2020年5月 4日 (月)

秋入学に賛成

 大学では,クオーター制導入の混乱で多少困りましたが,もともとセメスター制で4月開始と10月開始という感覚でやってきました。たしかに入学式が4月とか,卒業式が3月とかそういう行事はあるものの,これは春の行事だということから秋入学はダメというのはおかしいことで,一番重要な教育という面では,10月(9月)入学に変えても,大きな問題はないように思います。ちなみに神戸大学のLSの労働法の授業は,後期が労働法1で,前期が労働法2です。学生の標準的な授業の取り方は,2年生の後期と3年生の前期なので,10月が開始になっても何も問題ありません。
 大学教員は留学経験のある人がほとんどだと思いますので,秋に開始ということに抵抗感がある人は少ないでしょう。学部生の留学も増えてきていますし,また海外からも留学生が増えている現在,世間で思っているほど大学関係(教員・学生)では問題はないように思います。経団連が新卒も通年採用に移行するというようなことも言っているので,そうなると就職への支障もあまりありません。就職活動のあり方が大きく変わろうとしているいまだからこそ,入学時期を変えることもやりやすいでしょう。司法試験や公務員試験がどうなるのか,というような声もありますが,現在の時期でなければならない強い理由はないのではないでしょうか。
 秋入学に反対する最も有力な理由は,移行期の混乱です。これはもちろんきちんと考慮すべきことですが,これを言っていれば,いつまで経っても改革はできません。もともと日本の年度が4月開始であることに,たいした理由はないのであり,ただこれまでやってきたから便利というだけです。少なくとも教育関係は思い切って国際標準の秋入学にしてしまってよいのではないでしょうか。夏の暑い時期はたっぷり休んで,涼しくなってから新学期が始まるというのは悪くないはずです。早く変えたほうが,未来の世代から感謝されると思います。たしかに今年の秋からというと大変でしょうから,来年秋からにすればよいのです。新型コロナの混乱は当分は続くでしょうから,しっかり準備するためにも来年からのほうがよいでしょう。
 今回の9月入学の議論は,現時点で子供への教育が停止しているので,9月に新学年をリセットするという意味もあるようです。ただ,この点については,繰り返し言うように新型コロナの影響は残り続けるので,子供が安全に教育を受けるようにするためのオンライン授業の実施や継続を優先的に考えるべきでしょう。これは秋入学の話とは切り離して考えるべき問題です。
 オンライン授業を完全実施するため,子供のいる全世帯にスマホかタブレットを配布し,通信環境の整っていない家庭に補助するなど,デジタル化対応を一挙に進めることが検討されるべきでしょう。いつ届くかわからないようなマスク配布に金を使うくらいなら,様々なオンラインサービス向けの投資にお金を回すべきでした。いまのままではデジタル格差が生まれかねません。いまからでも遅くないので,まずは教育対応からデジタル投資をすべきです。こうしたことが,今後さらに継続して必要となるであろう給付金支給において,オンライン申請が円滑に行われるようにすることにつながります。
 というように思うのですが,そもそも現在の内閣のなかで,デジタル技術をつかって仕事をしている人がどれくらいいるのでしょうかね。問題意識が十分でしょうか。
 ところで大学は,学生のデジタル対応へのサポートを強めています。学生の就学環境にとってオンライン授業を聞ける状況にあることが不可欠となったからです。現在のところ,オンライン授業は好評のようです。リアル空間では,1対多という感じであったのが,オンラインでは, 11の集合のような感じになり,学生との距離も近くなったようです。リモートのほうが近いというのがオンライン技術のすごいところですね。もう戻れなくなるのではないでしょうか。

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