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2019年7月 4日 (木)

高齢者と支出管理,そして若者

 老後の生活設計を考えるうえで,実際に最も効果的なのは,支出を減らすことです。いったん上げてしまった生活水準を落とすのは難しいかもしれませんが,それではどうしても不足額が増えてしまいます。将来の自助を考えるうえでは,私たち高齢者予備軍は,資産形成と同時に,支出管理をすることも必要でしょう。私自身も,無駄なモノは買わないという物質面ではスリムな生活(体型はスリムではないのですが)を習慣づけようと試みています。ただ,こういう人が増えると,高齢者の消費に頼った経済ではいけないことにもなりますね。
 家計簿をつけて無駄な出費を減らすということは,多くの人がされているでしょうが,きちんと複式簿記をつけて,自分の資産状況を把握しながら,お金の出入りを管理するということが,大切かもしれません(私自身はつけていませんが,いつか将来,事業者として独立して青色申告をしようとなると,複式簿記をつけることが必要となりますね)。これからのフリーワーカーの時代の到来を考えると,子供のときから複式簿記を学んでおいたほうがよいかもしれません。ドイツの詩人Goethe(ゲーテ)も,学校で複式簿記を教育することを勧めたそうです。これもお金の教育の一つで,私たちが安心して生きていくために必要な技術といえるでしょう。
 ところで,支出を固定して収入不足を論じるのではなく,収入を固定して,支出削減を検討するというのは,言われてみれば当たり前のことであり,いまは若者であっても,堅実志向となり,そういう生活をしているのだと思います。たとえば私の周りの大学生は,限られた親の仕送りのなかで,バイトをしたりしながら,なんとかやりくりしています。昔なら就職して数年も経つと消費生活を楽しめるようになるということもあったのですが,いまの時代はなかなかそのレベルにまで給料が上がらないので,就職後も,収入に見合った支出をするなど当たり前のことでしょう(そこで借金をして消費を増やせば泥沼に陥りかねません)。飲食店でも,若者とシニア世代の行くところははっきり分かれてきていて,若者は飲食にあまりお金をかけていないような気がします(特別なイベントのときは別でしょうが,そういうときでも,若者が収益率が高いアルコールを飲まなくなったと嘆いている飲食店オーナーが多いです)。
 また時代の流れは,モノからコトへということで,モノを作って消費する経済から脱皮しようとしています。生きていくうえで必要なこと以上にモノを消費して欲望を充足していた時代から,より精神的なコトを消費することで欲望を充足できる時代への移行ということでしょう。若者が,昭和世代のおじさんたちからみて,どことなく覇気がないようにみえても,実はより洗練された欲望のコントロールと消費生活を楽しんでいる可能性は十分にあります。
 国の財政に目を転じれば,政府は,まず支出(歳出)ありきで,収入(歳入)不足は税金の引上げや国債などの公債の発行でまかなうという発想になりがちのようですが,支出を減らすことから考えなければならない,というのも,いまの話と同じことです。
 消費税引上げは必要だとは思っていますが,支出管理に慣れている若者からは,歳出で削れるところがあるんじゃないの,そっちが先じゃない?,ということで拒否反応が出てきても不思議ではありません。若者は,消費税が上がることについては,余計な消費をしなければいいだけと考えるかもしれませんが,それよりも歳出をコントロールせずに,教育無償化とか,アメリカからの戦闘機購入とか,財布のひもを緩めすぎているようにみえる政府の姿勢に対して,ノーをつきつける可能性はありますよね。

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