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2019年2月17日 (日)

横田明美『カフェパウゼで法学を-対話で見つける<学び方>』

  横田明美『カフェパウゼで法学を-対話で見つける<学び方>』(弘文堂)をいただきました。お礼が大変遅くなりましたが,ありがとうございます。

 著者とは直接の面識はありません(たぶん)が,弘文堂スクエア仲間であったこともあり,お名前は知っていました。どことなく拙著『貴女が知らなければならない55のワークルール-女子力アップのための労働法』(2013年,労働調査会)とよく似た作りの本で,親しみがもてました。

 内容は,まじめに法学部や法科大学院で勉強しようとする人に向けられたものです。大学に入ったときは,みんな勉強意欲があるのに,だんだんサークルの先輩などから,手の抜き方を教わり,単位のとりやすい先生の講義の情報の収集に走るようになっていくというパターンが多いのですが,この本のような,まじめに勉強する方向に優しく誘導してくれる指南書があれば,学生もずいぶんと変わるのではないかと思いました。

 この本のなかには私の本も登場します。58頁では,私の『AI時代の働き方と法』(2017年,弘文堂)を素材にして,レポート課題の説明がされています。

 また268頁のコラムでは,社会科学分野を横断するという観点から,私が編著者の一人になっている『エコノリーガル・スタディーのすすめー社会を見通す法学と経済学の複眼思考』(有斐閣)が紹介されていますし,さらに驚いたことに,川口大司さんと執筆した『法と経済で読みとく雇用の世界―これからの雇用政策を考えるー(新版)』(2014年,有斐閣)も,とりあげていただきました。ストーリーが教育に良くないと言うことで,教科書採用にためらう大学もあったということを聴いておりますが,千葉大学では活用してくださっているということで,感謝申し上げます。

 この本のなかで,私がとくに関心をもったのは,「第V部 自分の未来を作るには-進路編」です。なかでも「 社会を変えるには?法学を軸に,他分野にも橋をかけてみる」と「学んだ後はどうするの?自分の未来のつくりかた」が重要です。私は大学での法学教育不要論を唱えているのです(南野森編『法学の世界(新版)』(近刊)の労働法編を参照)が,法学の素養をもった人が社会に必要であるということは全く否定していません。その意味で,法学の素養をもった人が,社会でどう活躍していくかという実践的なところにまで目配りをしているこの本はとても興味深いものです。

 それに私の新刊『会社員が消える』(文春新書)では,自分で学び,キャリアを切り拓いていくことの重要性を説いていますが,横田さんのこの本も,結局,こうしたコンセプトなのだと思います。法学部不要論をと唱えているとはいえ,現実には法学部生はたくさんいるわけで,そうした人がどのようにしてプロ人材になれるかもまた,私たち法学教員は考えていかなければなりません。横田さんの本は,そういう観点からも,とても重要なものだと思います。

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