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2019年1月30日 (水)

Wedge登場

 

 現在,発売されているWedge2月号に,私の論考が掲載されています(1年半ぶりくらいです)。テーマはパワハラ(職場のパワハラ)です。パワハラについて本格的に書くのは,これが初めてではないかと思います。普通の切り口とはちょっと異なり,パワハラというテーマについて法的に介入することの意味はどういうことか,法的介入には副作用がないか,といったことを,私自身の視点で論じてみました。
 
 職場のパワハラは,本来は,法で対処するようなものではなく,企業が自ら対処していくべきものであるが,それにもかかわらず法が介入せざるを得なくなった現在の状況は,企業のガバナンスの機能不全を示すものであり,情けないことであるという,という書きぶりになっています(怒っている経営者も多いかもしれませんね)。最後のほうでは,パワハラは企業内の組織構造のあり方とも関係していて,今後は階層構造から水平的な構造に変わっていくので,パワハラもなくなっていくのではないかという展望(楽観的すぎる?)を提示しています。
 
 パワハラを広く定義すると,どこの社会にも「いじめ」はあるといった話もパワハラに関係してくるのですが,ここではもう少し狭く職場の上司による権限濫用型のパワハラを中心に論じました。これこそが最も労働法で取り扱うべきものだと考えたからです。もちろん,パワハラには,同僚間のものもあれば,部下から上司へのものもあります。いずれにせよ,快適な職場環境の実現は,労働者にとって利益となるだけでなく,企業が事業を遂行するうえでも重要なものです。パワハラ問題は,人権問題というようなアプローチよりも,快適な職場を実現するにはどうすればよいかという観点から取り組むべきでしょう。
 
 その意味では,新しい法律は,労働安全衛生法のなかで規定されるのがよいのかもしれません。あるいは,受動喫煙などの規制や他のハラスメント規制(セクハラ,マタハラなど)も含めて,快適職場法のようなものを作ることを考えてもよいかもしれません。

 

 *なお,原稿のなかで,工場法の施行年にミスがあります。最初の原稿では「1916」でしたが,ゲラで「16」となっていたので,(19162016か紛らわしいため)元に戻すよう指示したところ「2016」となっていて,それがチェック漏れで,そのまま残ってしまいました。お詫びとともに訂正をお願いします。デジタル版では訂正済みです。

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